この記事では、子どもが一緒でも楽しめる日本の美術館をご紹介いたします。
子どもと一緒に美術館なんて行けないと敬遠してはいないでしょうか?
最近の美術館は、子どもと一緒にイベントを楽しめるところも多くなってきました。
ぜひ、休みの思い出に美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。
見どころ満載「大塚国際美術館」
大塚国際美術館は徳島県にあります。
一番の特徴は、すべてが陶板で作られた絵画ということです。
有名なモナ・リザやゴッホのひまわりが厚いガラス越しではなく、すぐ近くまで顔を近づけてみることができます。
中でもモネの「睡蓮」の屋外展示はモネの絵画に飛び込んだ感覚になることができます。
システィーナホールはシスティーナ礼拝堂の壁画が再現されています。
本物の礼拝堂では写真撮影は禁止されていることが多いのですが、大塚国際美術館ではすべての作品が撮影可能です。
そして、ゴッホの幻の「ひまわり」は必見です。
実はゴッホの「ひまわり」には一枚だけ日本で焼失した作品があります。
別名「芦屋のひまわり」と呼ばれている作品です。
ゴッホが2番目に描いた作品ですが第二次世界大戦中に大空襲で焼失しました。
その幻の作品が陶板になって展示されています。
マンガは芸術「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」
マンガやアニメが「子どもの娯楽」と考える時代は終わりました。
今やマンガは日本が世界に誇る美術作品となったといえます。
藤子・F不二雄ミュージアムは、名前の通り「ドラえもん」で有名な藤子・F・不二雄氏の美術館です。
この美術館は「ドラえもん」原画の修正や加筆した部分をみることができたり、子どもだけでなく大人まで楽しむことができます。
館内にはマンガを自由に手に取って、くつろぎながら読めるスペースもあります。
自分が納得できるまで作品を手に取ってみられることもマンガの大きな魅力ではないでしょうか。
「ドラえもん」は美術大学の入学試験問題に登場しています。
問題は「「ドラえもん」を幾何図形で再デザインしなさい」です。
「ドラえもん」は誰でも描けそうなシンプルなデザインです。
幾何図形のみで描くとなれば「ドラえもん」の特徴を深掘りする必要があります。
合格者作品は「ドラえもん」の色を忠実に再現し、鈴や鼻などの特徴をとらえていました。
この問題は、知識として「ドラえもん」を知っているだけではできません。
細部まで興味を持ってみた経験がなければ突破することはできないのです。
出題者の「美術を目指す人ならばこの優れたデザインを知っておくべき」というメッセージを感じさせます。
浮世絵が摺れる美術館「町田市立国際版画美術館」
新版画の人気が急上昇中です。
新版画は、葛飾北斎が活躍した江戸時代の浮世絵版画とは少し違います。
色がより鮮やかで絵画のような魅力があります。
川瀬巴水は近年とくに人気が高まり値段も上がっています。
しかし「新版画」を集めての展示会は意外とありません。
町田市立国際版画美術館には、平安時代から昭和の銅版画まで幅広い年代と作者の作品がコレクションされています。
企画展も充実していて過去には草間彌生や横尾忠則の企画展も開催しています。
町田市立国際版画美術館には工房が併設されています。
時期によって、子どもを対象にした浮世絵摺り体験が美術館で開催されています。
大人を対象にした講座も豊富です。
受講料や受講回数の種類も多く、予算に応じて本格的なシルクスクリーンやリトグラフ、浮世絵版画を体験することができます。
自然と芸術「箱根彫刻の森美術館」
箱根には美術館がたくさんあります。
ガラスや星の王子さまなどテーマを絞った美術館が多く、子ども〜大人まで観光しながら美術館を楽しむことができます。
箱根彫刻の森美術館は屋外展示が多いため、静かに鑑賞することが難しい子どもでも気を使わずに訪れることができるでしょう。
彫刻家のヘンリー・ムーアは「彫刻は屋外の芸術である」と言っています。
箱根彫刻の森美術館にもヘンリー・ムーアの作品が屋外展示されています。
ヘンリー・ムーアの作品は4億円以上の価値があるとされています。
ヘンリー・ムーアの作品には抽象的なものもあります。
一目見ただけでは理解が難しいかもしれません。
過去にはイギリスで作品が盗まれ、作品とは思われずに溶かされて転売されたこともありました。
箱根彫刻の森美術館は天気が悪い日に行くことをおすすめします。
雨に濡れている彫刻作品はヘンリー・ムーアの言葉通り「彫刻に一番似合う背景は空」です。
雨に濡れている彫刻は美術館のガラスケースに入っているものよりも素敵に感じます。
おわりに
以上、子どもと一緒に楽しめる日本の美術館のご紹介でした。
大きな美術館といえば、ルーブル美術館やメトロポリタン美術館を連想しますが、日本にも素晴らしい美術館がたくさんあります。
日本の美術館は外国よりも「こじんまり」したところが多いです。
しかし「こじんまり」した美術館は人が少なく、じっくりと作品を鑑賞することができます。
小さいころにみた作品は心に残ります。
子どもと一緒に初めての日本の美術館を楽しんでみてください。