この記事では、絵の価値を一層高められる額やフレームの選び方についてご紹介いたします。
お気に入りの絵やポスターを手に入れたら、絵にあった額やフレームに入れて飾ります。
油絵ならば額、ポスターならばポスターフレームのように絵にあった額やフレームを選ぶことが大切です。
額やフレームは、ただ単に絵を入れて飾るだけではなく、その他にもたくさんの役割があります。
絵の色に影響を与えないフレームの選び方
額やフレームを選ぶときに「いい額が欲しい」と思ってはいけません。
外枠が中身よりも目立ってしまっては本末転倒です。
額やフレームを選ぶときには絵の見え方、とくに色に影響を与えないものを選びましょう。
例えば、全体が暗い絵を真っ黒い額縁に入れれば「どこまでが絵でどこからが額縁なのか」がわからなくなってしまうからです。
全体が黄色い絵を紫の額に入れたら目がチカチカしてしまいます。
また、額を「何色の壁に飾るのか」も大切なポイントです。
一般家庭ならば壁は白色が多いため、壁の色が絵に影響を与えることは少ないでしょう。
しかし、壁紙に絵柄が入っていたり、色がついていたりする場合はあえて色が強いフレームを選ぶことで、絵を引き立てることがあります。
額やフレームを選ぶときには、額単体で考えるのではなく「中に入れる絵」と「飾る壁」もイメージしながら選ぶことが大切です。
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絵の広がりを妨げないフレームの選び方
壁紙に絵柄があったり色があったりするときには、絵を縁取るようなフレームを選ぶことがあります。
しかし、そうでないときにはできるだけ絵の広がりをおさえないものを選びましょう。
素晴らしい絵は、絵の「図と地」の関係に広がりがあります。
地とは、いわゆる背景です。図とは主役の部分です。
モナ・リザでたとえれば、モナ・リザが図で、後ろの風景が地になります。
モナ・リザのように素晴らしい絵は、地の風景に広がりがあり空気感があります。
背景も背景でおさまらない存在感があるのです。
せっかくの地の広がりを活かすためにも額選びは大切です。
「絵の広がりを妨げるか妨げないか」は、額単体でみているだけではわかりません。
できれば絵を持参、もしくは画像やコピーを実際に当てはめてみましょう。
もしも絵の広がりを活かす額やフレームがみつからないときには「マット」を工夫する方法があります。
マットとは、額と絵の大きさのすき間をうめるためのものです。
しかし、ガラスやアクリル板と絵が直接ふれないようにする役割もあります。
わざとマットと額縁との間を広く取ることで、額縁が絵に与える影響を小さくおさえることも可能です。
マットは、色や大きさだけでなく質感や素材も豊富にあります。シンプルな書には柄が入った布製のマットもおすすめです。
絵を守ることができるフレームを選ぶ
絵をそのまま壁に飾っていると破れや擦れだけでなく、紫外線によって変色もおこします。
額やフレームは絵を守るためにも必要なものです。
額の構造は、上から透明な板、マット、絵、厚み調整板、裏板です。
絵を守るためには一番上の「透明な板」の選び方がポイントになります。
透明な板は、ガラスやアクリル板が一般的ですが、それぞれに長所と短所があります。
ガラスは掃除がしやすく透明度が高く値段が手ごろです。
しかし一方で、重たくて割れてしまう短所があります。
地震が多い日本では、重たい額は落下する可能性も考えられます。
アクリル板は、透明度が高く割れる心配はありません。
しかし、値段が高くほこりがつきやすい短所があります。
アクリル板を選んだ場合は、あわあせて静電気防止剤を購入するといいでしょう。
また、ガラスもアクリル板も紫外線からのダメージには弱いです。
紫外線は絵の色を劣化させます。
値段は高くなりますが絵を一番に考えるならば、紫外線カット加工されたアクリル板が一番でしょう。
油絵のように厚みのあるキャンバスに描かれた絵は問題ありません。
ポスターや大きな写真のように「薄くて大きい絵」を入れるときにはポスターフレームを選ぶことがあります。
ポスターフレームは扱いやすく安価です。
しかし、長期間絵を入れておくと絵がたわんでしまう可能性があるのです。
長期にわたって絵を飾るときにはポスターフレームよりもマットがあるフレームを選び、絵をしっかり固定した方がいいでしょう。
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まとめ
絵画の見え方は額やフレームの選び方によって変わります。
そして絵の寿命も額によって変わることがあるのです。
長期間、同じ絵を飾っていると「この絵に飽きてしまった」と感じることがあります。
しかし、マットを変えるだけ雰囲気がガラッと変わり、絵の新たな魅力に気がつくことも多いのです。