茨城県にある人気の美術館といえば「笠間日動美術館」ではないでしょうか。
ここにしかない美術も数多く揃えている場所になり、印象派はもちろん、エコール・ド・パリの名品を常設しているなど、フランス芸術が好きな人にとっても楽しめる場所です。
見た目の構造が変わっていることもあり、ただ芸術を楽しむ以外にも見どころもたくさんあります。
この記事では、茨城県の笠間日動美術館の魅力について解説していきます。
笠間日動美術館の歴史、成り立ち
昭和47年に、日動画廊の創業者のゆかりの地であった笠間に建設された美術館になります。
創業者の「長谷川仁」は、明治30年に14人兄弟の7人目として誕生しました。
もともとの出身地は東京都の牛込区です。
その後、明治43年に茨城県の笠間町の小学校を卒業します。
その後、明治学院神学部を卒業し、一時は牧師として赴任するも東京に返し、友人の弟である洋画家の松村健三郎の助言を受けて、洋画商を志します。
基盤を作ったあと、東京の日本橋に「大雅城」を築いたが閉鎖、「東京画廊」を開くなど、洋画商会の魁となった人物です。
個展やグループ展を開催することに尽力し、若い芸術家のために昭和会なども作りました。
月間美術誌やパリにも日動を開設するなど、芸術の発展に尽くしました。
美術館を創設するなどの結果を残したことで、43年には笠間市名誉市民になり、フランスからも文化勲章を送られるまでになりました。
笠間日動美術館は、国内外の芸術作品はもちろん、世界的に珍しいパレットなども充実しています。
美術館としても建物も素晴らしいことで知られ、なだらかな丘陵地にあります。
敷地内に3つの展示室があるなど、とても広々とした造りになっています。
その中心地に野外彫刻庭園が広がるなど、とてもおしゃれな構造です。
コレクションの幅も広く、オーギュスト・ルノワールの「泉のそばの少女」や「大きな勝利のヴィーナス」、エドガー・ドガの「舞台の袖の踊り子」など名作も収蔵しています。
どれも、名の知られた有名な画家の作品ばかりで、美術についてそこまで詳しくない人でも知っているようなものばかりです。
笠間日動美術館の特徴
笠間日動美術館の特徴を紹介します。
広々として充実した展示物
笠間日動美術館のなかには「フランス館」「パレット館」「企画展示館」「野外彫刻庭園」の4種類の展示室があります。
それぞれに特色のある作品を展示しているため、見ていて飽きることもありません。
なかでもフランス館は、もともと記念館となっていたものを建て替えてフランス館として誕生させました。
夫婦の肖像画は、さまざまな画家が描いたとても貴重なものです。
長谷川家で代々伝えられてきた、蒔絵や豪華な箪笥、漆などの食器を展示しています。
どれも高価なものばかりで、見どころもたくさんあります。
2階に上がると、印象派の時代から始まり、エコール・ド・パリに続く有名な画家の作品を、常設にて展示しています。
近代絵画の始まりとも言われる印象派には、モネ、セザンヌ、ルノワールなどの画家はもちろん、ドガ、マティス、ピカソなど素晴らしい芸術家ばかりです。
フランス好きな人でなくても、一度は覗いてみたくなる場所です。
個性的な展示が数多く残されている
笠間日動美術館では、他の美術館では見ることのできない画家が使っていたパレットの展示なども行っています。
芸術はここから生まれたといっても過言ではないほどに、素晴らしく個性的なものが揃います。
また、野外彫刻庭園も天気に関わらず、ぜひ立ち寄ってほしい場所です。
丘陵の一部を開拓して1981年に開設したものです。
日本でも有数の彫刻家による作品が展示されており、合計19体にもなります。
自然豊かな笠間日動美術館だからこそ、彫刻作品と四季折々の景色が美しく、そのときならでは光景を楽しめます。
ここにしかない個性的な作品の魅力を実際に身近で見られる素晴らしい機会でもあります。
企画展示館にある鴨居玲の部屋
鴨居玲の部屋は、ここでしか見ることのできないとても貴重なものです。
1928年に金沢で生まれ、専門学校で美術について学びました。
洋画家としても有名な宮本三郎に師事し、1969年の第4回昭和会展にて、初出品で優秀賞を獲得しました。
同じ年に安井賞を受賞するなどの輝かしい功績を残したことでも知られています。
パリにアトリエを持ち、世界でも活躍するようになります。
日本に帰国するも環境の違いから焦燥感を抱くように成り、自画像の制作に尽力します。
そんな素晴らしい画業を永遠に残すために、愛用していたものを展示するなど、作品に至るまでの経緯などもたどっています。
他にはない鴨居玲の魅力を改めて実感できる、とても貴重な場所になります。
他にも季節限定の企画展なども行っています。
2021年には「こんな描きかたもあるの?楽しいクレパス画展」として、子供も一緒に楽しめるような企画展を行っていました。
子供の頃に誰もが一度は触れたことのあるクレパスは、1925年に日本ではじめての洋画を描く手段として生まれました。
描き方は工夫次第でいくらでも変わりますし、ぼかしをいれる、
複数の色を入れるなどの工夫をしました。
画家が描く、他にはない特別な作品もより身近に感じられるので、学びの場としてもとてもおすすめですよ。
併設レストラン、カフェ、グッズについて
Café de l’aube
笠間日動美術館のなかにある、オープンテラスです。
自然を見ながら美味しいお料理やカフェタイムが満喫できると、とても人気のある場所です。
本格的なこだわりのあるお店になり、コーヒーなどのカップは、フランスの具象画家として活躍している「アンドレ・ブラジリエ」にデザインしてもらった、他にはない特別なものです。
とても素敵なカップなのもあり、コーヒーの味わいがより、特別なものに感じるのではないでしょうか。
香り高い、至福の時間ともいえます。
四季折々の景色も一緒に楽しめる絶景のスポットとしても人気です。
春には山桜が堪能できますし、秋になると紅葉が広がるなど、その季節による違いも楽しめます。
ピザやオムライス、ナポリタンなどの軽食はもちろん、コーヒー、紅茶、ココア、ジュースなどもあります。
ケーキは季節によっても多少変わりますが、フォンダンショコラやりんごのシブースト、アイスクリームなど、何でも揃っているので、食べるものにも困りません。
夏季限定のかき氷などもあります。食器が気に入れば購入できますよ。
ミュージアムショップ
笠間日動美術館を訪れた記念にお土産を購入したい人にもおすすめです。
グッゲンハイム美術館のオリジナルグッズを始め、海外のジュエリーなども置いています。
小物や美術館オリジナルグッズ、書籍などもありとても見ごたえのある内容となっているのです。
どれもおしゃれなグッズばかりですし、見ていてどれにしようか迷ってしまうことも。
笠間日動美術館には企画展もあるので、そのとき限定のお土産などもあります。
とても充実した時間になるはずですよ。
まとめ
笠間日動美術館は、美術館としてもとても充実している場所になり、おしゃれでハイセンスな作品が数多く揃っています。
オリジナルグッズもありますし、フランス芸術について好きな人にとっても、新しい発見があるのではないでしょうか。
美術館としてとても素晴らしい場所なので、ぜひ一度立ち寄ってみてもいいかもしれませんね。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 笠間日動美術館 |
住所 | 茨城県笠間市笠間978−4 |
電話番号 | 0296-72-2160 |
ホームページ | http://www.nichido-museum.or.jp/ |