この記事では、観葉植物の健康をおびやかす病気について解説いたします。
大切に育てている観葉植物の元気がなくなり、様子の変化が気になっていませんか?
「葉に斑点が目立つ」「全体的にぐったりとしている」なら、病気にかかっているかもしれません。
植物の状況や、葉の上にできた斑点の色別に、原因や対処法をご紹介します。
観葉植物の病気は放置していても治りません。
発見したときに対処しなければ、他の植物に感染する可能性があります。
皆さんの手元にある観葉植物と見比べながら本記事を最後まで読んで、病気の種類と対処法を探す参考にしてください。
観葉植物の病気を見つけたら即対処が大切!
観葉植物の様子がおかしいと感じたら、病気にかかっている可能性があります。
ほとんどの病気はカビの繁殖が原因です。
育て方や環境が原因となるケースが多く、おもに菌や害虫によって引き起こされます。
病気のなかには、他の観葉植物に感染するものがあります。
菌が風に舞って他の植物に移動する前に対処しましょう。
主な対処法は以下の2つです。
- 薬剤の塗布
- 患部をカット
観葉植物による病気の対処は、患部の除去が基本です。
除去したあとは、薬剤を使用したり環境を見直したりすることが大切。
しっかり予防しましょう。
観葉植物が病気になると、基本的には元通りになることはありません。
症状を引きおこした部分は治りませんが、予防により株を守ることが可能です。
葉に斑点が見られる観葉植物の病気
観葉植物の葉に斑点が目立っていませんか。
観葉植物の病気で見られる斑点の色は、白や黒、茶色、赤色などさまざまあります。
それぞれの症状や原因、対処法を見ていきましょう。
白・黒の斑点が発生する「炭疽(たんそ)病」
炭疽病菌と呼ばれるカビが原因で起こる病気です。
葉や茎にグレーがかった白や黒の斑点が広がっていきます。
炭疽病にかかりやすい環境は、温度と湿度がともに高い状態。
葉の数が多く、細部まで風が通っていないこともあるでしょう。
残念ながら、患部は元に戻りません。
患部をカットし、被害が広がらないように殺菌剤を散布しましょう。
黒い斑点の「黒星病」
糸状(しじょう)菌というカビが原因で起こる病気です。
黒点病とも呼ばれ、葉に小さな黒い点が目立ちます。
それが徐々に大きくなり、葉全体が黒ずんでいくでしょう。
原因はおもに多湿。
風通しのよい場所に設置することで予防が可能です。
白い斑点の「うどんこ病」
葉に白い粉をまぶしたような斑点が見られるうどんこ病。
白い部分はカビです。
窒素が含まれている肥料を与えることで対策可能です。
発生から間もないなら、重曹を水に溶かして観葉植物全体にスプレーすると、元気になるかもしれません。
茶色い斑点の「斑点病」
風通しや水はけがよくない場合にかかりやすい病気です。
しかし葉はすぐに枯れず、冬を越して暖かくなってから枯れることが特徴。
おもな病気の原因は、肥料の与えすぎです。
そのままにしておくと菌が他の葉に移動します。
斑点がある葉、枯れた葉は早めに除去しましょう。
赤い斑点の「赤星病」
赤星病の特徴は、黄色や赤みを帯びた斑点。
庭木として植えられるヒノキ科ビャクシン類を中心宿主にする性質があります。
サビ病菌により引き起こされる病気です。
葉についた斑点は次第に大きくなり、やがて葉が枯れるでしょう。
観葉植物を外で育てているなら、庭木から距離をとって育てることが病気予防につながります。
病気の症状発生から日が浅いなら、週1〜3回を目安に薬剤を塗布することで元気を取り戻す可能性があります。
淡い色の斑点が発生する「ベト病」
ベト病菌は卵菌というカビが発生して観葉植物をむしばみます。
湿気が多い環境が原因です。
湿度が高い環境ではベタベタする特徴があります。
水やりのあとは風通しのよい場所に設置し、葉を乾燥させると予防できます。
ベト病専用の薬剤や木酢液を散布して対策しましょう。
観葉植物がぐったり|全体的に元気がないときの病気
全体的にぐったりとしている観葉植物の病気には、すす病や灰色カビ病、青枯病などの病気が挙げられます。
葉・茎が黒ずむ「すす病」
すす病菌と呼ばれるカビが原因です。
菌が付着した葉や茎は、まるですすが蔓延するかのように、次第に黒くなっていきます。
アブラムシやカイガラムシなどの排出物を栄養にして菌が繁殖します。
幼虫には殺虫剤、成虫の場合は濡れたタオルやブラシなどを使用してこすり落としましょう。
害虫を駆除したあとは、通気性がよい場所に設置することが大切です。
過湿に注意!「灰色カビ病」
ボトリチス病とも呼ばれる病気です。
葉や新芽にまるで水が浸みこんだような状態になります。
対処法は症状が見られる部分をカットすること。
ただし、株全体に症状が広がっているなら、残念ながら処分は免れられません。
湿度が高いときに発生しやすいため、風通しのよい場所に置くことで予防できる病気です。
葉の変色がないのに元気がなくなる「青枯(あおがれ)病」
葉や茎の色に変化がないのに、観葉植物がぐったりとしているなら青枯病かもしれません。
青枯病は、気温が高い環境で発症する病気です。
一度かかると治らないため、観葉植物に症状が見られたら早めに株を処分しましょう。
青枯病の病原菌が潜んでいるのは土の中。
葉や茎の傷口から侵入します。
予防するためには、土の温度を上昇させないことが大切。
土の中の温度を発散させる対策としては、素焼きや陶器の鉢がおすすめです。
観葉植物から悪臭が漂うときの病気
観葉植物からいやな匂いが漂っているなら、根腐れや軟腐(なんぷ)病の可能性があ高いでしょう。
水の与えすぎで起こる「根腐れ」
根腐れは根が黒っぽくなり、悪臭を放ちます。
おもな原因は、水やりの頻度や部屋の湿度が高いこと。
土の水はけが悪い状態も、湿気につながります。
また、根づまりにより根が絡まり合い、栄養が十分にとれていないのかもしれません。
根腐れを発見したら、黒ずんだ根をすべてカットし、植え替えする方法が有効です。
植え替え後は新芽が出てから水を与えましょう。
葉や茎がミイラのようにしおれる「軟腐(なんぷ)病」
軟腐病は、土の中に生息しているバクテリアによって引き起こされる病気です。
バクテリアが養分の通り道を塞ぐため、葉や茎がミイラのようにしおれ、土の状態は溶けたように見えます。
やわらかくなった観葉植物の一部から悪臭が発生し、病気に気づくことが多いでしょう。
軟腐病は、薬剤の効果が得られにくい病気です。
発見したらすぐに患部をカットし、取り除く必要があります。
もし症状が広範囲に及ぶなら、残念ながら観葉植物を処分する方法しか残されていません。
過剰な世話は逆効果!観葉植物の病気を予防して元気に育てよう
観葉植物の病気を予防するために必要なことは、以下を参考にしてください。
風通しがよい場所に設置する
水や肥料を過剰に与えない
日頃からよく観察する
病原菌は湿気により繁殖するケースが多いため、水の与えすぎに注意しましょう。
肥料は観葉植物に栄養を与えるためのものですが、菌や害虫の養分にもなりえます。
適切な量を与えることが病気予防につながります。
観葉植物の病気は少しずつ進行していくため、日頃から観察を欠かさなければ手遅れにならずに済みます。
観葉植物を元気よく育てる秘訣は毎日の観察です。
観葉植物の健康を維持するためにも、いち早く変化に気づき、適切な世話をしてインテリアグリーンを楽しみましょう!