この記事では、専門知識がなくても、たくさんの種類の中から「好きな絵」をみつけ、手に入れるまでをわかりやすく解説します。
絵といえば、ゴッホやルノワールのような重厚な油絵をイメージする人が多いでしょう。
しかし、絵には油絵以外にもたくさんの種類や形があります。
多くの種類の作品に出会い、自分が好きな一枚を探してみてはいかがでしょうか。
代表的な「絵」の種類をわかりやすく解説
代表的な絵の種類は、油絵と日本画でしょう。
油絵は、日本画に対して「洋画」とよぶこともあります。
簡単に説明すれば、油絵は油絵の具で描かれた絵です。
油絵の具は顔料を油で溶いたもので、独特のつやが絵に重厚感を与えます。
ゴッホやルノワールなど有名な画家の作品は油絵がほとんどです。
アクリル絵の具で描かれた作品も油絵に似た重さがありますが、アクリル絵の具は油絵の具よりも乾きが早くつやは控えめです。
アクリル絵の具の作品は、時代が新しい傾向があります。
油絵は、キャンバスや板などに描かれます。
自分の好きな絵を探すときには、額装しやすいキャンバスに描かれたものを選ぶといいでしょう。
日本画は、彩色画と水墨画の2種類にわけられます。
和紙や絵絹(絹の布)に描きます。
彩色画は、岩絵の具などの天然物を使って描かれた色付きの絵です。
岩絵の具は膠を接着剤として使います。
一方の水墨画は墨の濃淡で描かれたモノクロの絵です。
岩絵の具は、淡く繊細な発色が魅力です。
上村松園や伊藤若冲が日本画の彩色画を描いています。
雪舟や長谷川等伯は水墨画家として有名です。
油絵と日本画以外にもたくさんの平面作品があります。
木版画や色鮮やかなシルクスクリーン、最近はカラーペンで描いたイラストやコラージュ作品にも素晴らしいものがあります。
版画は「版板があればいくらでも刷れるから価値が劣る」と思われがちですが、版板は刷られる作品の数が決まっています。
そして、刷られた作品一枚一枚が作品の原本であり、印刷物とは意味が全く異なります。
美術館や画廊だけじゃない! 好きな絵のみつけ方と出会い方
自分が好きな絵の種類をみつけたら、いよいよ絵を探しに行きましょう。
絵と出会える場所は美術館や画廊だけではありません。
むしろ美術館で出会う作品は気軽に買える値段ではありません。
おすすめは、美術大学の芸術祭です。好きな絵が有名画家の作品とは限りません。
油絵が好きな人は、油絵科の学生の作品の中で好きな作品と出会うことがあります。
美術大学には、油絵科・日本画科・グラフィックデザイン科と平面作品のすべてといっても過言ではない種類の科があります。
芸術祭には、すべての絵の種類と触れられるメリットがあるのです。
芸術祭とは、美術大学が年に一度行うお祭りです。
キャンバス内には学生の作品が展示され、屋外には学生による販売や食べ物の屋台が並びます。
1年間描きためた作品を販売する学生も多く、作品が売れることは学生の大きな励みにもなるのです。
美術大学の学生は、芸術祭以外にもグループ展や個展を開いています。
芸術祭で好きな作品に出会えなくても、好みの画風をみつけたら個展のDMを送ってくれるように伝えておきましょう。
美術大学の学生は画家の卵です。
新たな才能を発掘することも芸術祭で絵を探す醍醐味かもしれません。
2020年の多摩美術大学の芸術祭は、ハンドメイドマーケット「minne」と「SUZURI」と手を組んでオンラインで作品の販売を行いました。
自分の好きな絵は、自分だけが好きならばそれでいいのです。
パッとみたときに「この絵が好きだな」と思えたなら、その絵はとっておきの一枚になるでしょう。
予算制限があっても大丈夫! 手ごろな絵の入手方法と事前にやっておきたいこと
美術大学の学生の作品ならば、手ごろな値段で入手できます。
しかし「どうしてもフェルメールブルーの作品が欲しい」と思うならば、フェルメール直筆の絵ではなく複製画や印刷物を探します。
複製画や印刷物といっても、ピンからキリまであり、金額も比例して変わるのです。
例えばフェルメールの作品ならば、数十万円程度の予算があれば本物のラピスラズリを使った複製画を購入できます。
もっと安く購入するならば、印刷物がいいでしょう。
ただし、印刷物は注意が必要です。本物の作品を知らないでいきなり印刷物をみてしまうと、本物と全く違う色でも気がつきません。
印刷物を買うときこそ、美術館で本物をしっかりと目に焼きつけておくことをおすすめします。
まとめ
「絵が欲しい」と思っても、絵と出会える機会は少ないです。
さらに、好きな絵を出会える可能性はもっともっと低くなるでしょう。
美術館や書籍の中で「この絵が好き」と思える作品をみつけたら、作品のタイトルと画家名をメモしておきます。
作品さえわかれば、絵の形をかえ、予算に応じたものを探すことができます。
好きな絵を探すことは、みる側に感性がなければできないことです。