美術関係の仕事は、ほとんどは絵画教室の講師や本格的なデザイナーの募集が多く、アルバイトとして働ける募集は少ないかもしれません。
美術館の募集は地方勤務が多く、通勤が大きなハードルになるでしょう。
この記事では、意外と見つかる美術関係のアルバイトについてお話しします。
画集や専門書に囲まれて働ける|美術大学の付属図書館カウンター
美術大学でアルバイト人員が必要なときには、できるだけ学生の中から募集をします。
展示会の準備やイベントの受付、交通誘導は単発の仕事でも高収入を狙えるため、人気が高いアルバイトです。
学外の人が美術大学でアルバイトをするならば、美術大学の付属図書館がいいのではないでしょうか。
美術大学の付属図書館は、朝9時ごろから夜8時過ぎまで開館しています。
一般的に朝から夕方5時までは職員と一般のアルバイトやパートがカウンター業務を担当します。
そして夕方5時以降は学内で募集した学生アルバイトと交代します。
美術大学の付属図書館は、美術関連の書籍や画集がたくさんあります。
ときには書籍に関する質問を受けることもあり、美術の知識が豊富にあれば仕事の助けになるでしょう。
仕事内容は、貸出業務と返却された本の配架、開館準備などです。教授が資料を探すときには手伝うこともあります。
報酬は時給制で時給1,000円程度が相場です。
美術大学の付属図書館のアルバイトやパートの募集は、欠員補充でかかることがあります。
頻繁に出る求人ではありませんが、大学ホームページや求人サイトをこまめにチェックしてみましょう。
また、もしも知り合いに勤務している人がいれば欠員がでたときには声をかけてもらうようにお願いしておくといいでしょう。
専門知識が活かせる|美大受験予備校のチューター
チューターの仕事内容は、授業の準備や後片付けなど多岐にわたります。
美大受験予備校には1クラス3人程度のチューターがいます。
ほとんどは美術大学の卒業生もしくは在学生です。
予備校生とのやりとりも多く、どんな人とでもコミュニケーションがとれる性格が好まれる仕事です。
一般大学受験の予備校や塾にもチューターがいますが、仕事内容は少し異なります。
美大受験予備校のチューターは、モチーフを用意して組んだり、作品の管理をしたり専門知識を必要とする機会がたびたびあります。
また、大手美大受験予備校には有名なクリエイターやデザイナーが講師として勤務していることも多く、人脈を広げるチャンスもあるでしょう。
時給は予備校の規模によって異なり、1,000円から1,500円程度と幅が広くなっています。
時給よりも人脈や環境などの付加価値が大きいアルバイトです。
美大受験予備校のアルバイトには美術講師もありますが、チューターと仕事内容は全く異なります。
講師は、予備校生に教えることが仕事です。
チューターは講師のお手伝いや準備をする補佐的な仕事になります。
絵本の挿絵やイラスト制作、カプセルトイの原型制作などの単発アルバイト
自分の美術スキルや作品に自信があるならば単発のアルバイトがいいのではないでしょうか。
単発のアルバイトとは、ひとつのプロジェクトに対して必要な人数の募集がかかり、プロジェクトの終了と共に解散します。
例えば、絵本の作成ならば元となる物語があり、挿絵画家を募集します。
見開き1枚1万円もらえればいい方で児童書ならば20枚程度描きます。
採用試験は、課題作品を提出して選考されることが多いです。
絵本の挿絵以外にもレターセットやメモにつけるイラストの単発バイトもあります。
いずれにしても課題が出される実技試験が採用試験になっています。
募集は、美術大学や専門学校の就職課、最近はクラウドソーシングで募集されることも増えました。
また、意外と知られていない単発アルバイトがカプセルトイの原型制作です。
報酬は、ひとつ7万円程度が相場です。
彫刻や立体作品を得意とする人に人気があるアルバイトです。
最近は人気アニメのくじの上位賞に人気キャラクターのフィギュアがあります。
精巧に作られたフィギアは景品というよりも芸術品に近いレベルで、ネット上では高額で転売されています。
それらのフィギュアの原型はアルバイトではなく原型師や造形師が制作しています。
原型師や造形師として働くためには、玩具メーカーに就職したり、フリーランスで働いたりすることになるでしょう。
プロとして仕事を請け負えば、もちろん報酬は高くなります。
おわりに
美術関係のアルバイトは、講師や美術館の監視員以外にも意外とたくさんあります。
しかしその多くは内々に募集されたり、知り合いに声をかけて決めてしまったりすることが多いのです。
「美術関係のアルバイトをしたい」と思ったら、周囲に「仕事があったら声をかけてほしい」と伝えておくことが、効率よく美術関係のアルバイトをみつけるコツです。
美術に関係している人は、意外と人手が必要なときがあります。
例え美術に直接関係ない搬入搬出や片付けの仕事でも、それがきっかけで次のアルバイトにつながることがあります。