与勇輝が生み出す作品の数々は、作り物と思えないほどリアルです。
昭和の世界や現代を反映した人形、この世に実在しない幻想的な妖精。
与勇輝は型にとらわれない芸術を作り出しました。
その原点と言えるのが、幼少期の家庭環境だったのです。
手先が器用だった与勇輝少年は、いかにして人形作家になったのでしょうか?
河口湖ミューズ館・与勇輝館の歴史・成り立ち
与勇輝の半生を振り返りつつ、河口湖ミューズ館・与勇輝館が設立されるまでの流れを解説しましょう。
与勇輝の誕生秘話
与勇輝が生まれたのは1937年、出身地は神奈川県川崎市です。
7人兄弟の6番目でした。
ちなみに「与勇輝」は本名。
父親は手先が器用で、身の回りの日用品を手作りしていました。
さらに母親や姉たちもみな手芸・裁縫が得意だったため、与勇輝少年もおのずと影響されたのです。
細かい作業が好きで、誰からも手ほどきを受けずに服の継ぎあてやカバンの補修などができるようになりました。
商業高校を中退後、義理の兄のすすめでマネキンの製造会社に就職。
ここで身に付けた技術は、のちのち人形作りに役立ちました。
仕事のかたわら人形を作り始めた与勇輝は、人形作家の曽山武彦に弟子入りします。
1983年に退職し、専業の作家になりました。
河口湖ミューズ館・与勇輝館が設立されるまで
徐々にその名が知られるようになり、個展を開催したりテレビに出演したりと活動の場を広げます。
1991年にはパリで開催された「世界の人形・今昔展」に招待されました。
日本のみならず、海外でも作品が評判を呼んだのです。
その後も独自の路線を開拓しました。
NHKの番組で講師を務めたり、映画やドラマに登場する人形を手がけたりと、人形作家の地位を確立します。
河口湖畔に河口湖ミューズ館・与勇輝館が誕生したのは1993年。
開館当初から現在にいたるまで、たくさんのファンを魅了してきました。
河口湖ミューズ館・与勇輝館の特徴
ここからは、ミュージアムの2つの特徴をお伝えしましょう。
小さな人形に詰まった与勇輝のこだわり
与勇輝の作品は、細かいパーツの全てが手作りです。
たとえば帽子やわらじ、花や葉っぱなど。
材料は木綿で、作品のイメージに合うものが見つかるまで探すこだわりよう。
素材選びにはかなり苦労するとのことでした。
ときには自ら布を染めるほど。決して妥協しません。
それゆえ、制作に時間がかかります。
人形1体につき3~4週間ほど費やすため、年間に作れるのは10体程度。
量よりも質が大事なのです。
近隣のレジャー施設にもご注目
河口湖周辺には見どころが多数あります。
河口湖ミューズ館・与勇輝館に立ち寄った際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
河口湖自然生活館
河口湖ハーブフェスティバルの会場になっています。
ラベンダーの季節になると、さながら紫色の絨毯が広がっているよう。
大石紬伝統工芸館
大石紬とは、江戸時代前期から存在している織物。伝統的な手法で作られています。
美顔パフが人気のお土産。施設案内の他、体験教室が開催されています。
河口湖フィールドセンター
山梨県の自然を満喫できる場所です。家族連れにおすすめのスポット。
河口湖ハーブ館
ハーブ好きな人なら見逃せません。併設のカフェでお茶を味わってみてはいかがでしょうか。
河口湖美術館
「河口湖ミューズ館・与勇輝館」とのお得なコラボチケットがあります。
西湖いやしの里 根場
かつて茅葺き屋根の建物が並んでいた場所がレジャー施設になりました。
昔懐かしの光景が広がっています。
併設ミュージアムショップ・カフェ
美術館に行く楽しみといえばお土産とティータイムです。
ここではショップとカフェの情報に加え、近隣の飲食店を紹介しましょう。
ショップ
買い物だけの利用も可能です。
通信販売あり。
人形の販売はしていません。
詳細はこちらからご覧いただけます。
【おすすめの商品】
- 図録 与勇輝展創作人形の軌跡 2版 2018
2018年にパリで開催された個展の様子を収めた1冊。
与勇輝の傘寿を記念して製作されました。
- DVD 創作人形の半世紀
作家が実際に人形を作っている様子を映像化しました。
普段はお目にかかれない貴重な現場を赤裸々に映し出しています。
図録と合わせて購入するといいかもしれません。
- ポストカード
美術館では定番のお土産。人気の作品が絵はがきになりました。
額に飾れば小さな作品になりますよ。
大切な人へのプレゼントにしても喜ばれるかもしれません。
通常のハガキサイズと大判サイズから選べます。
- 立体グリーティングカード
タテとヨコの2種類。絵柄がそれぞれ違います。
筆まめな人にぴったりなお土産ですね。
- 一筆箋
普段はあまり手紙を書かない人でも、可愛らしい人形たちを目の前にすれば筆が進むかもしれません。
実際に使うのがもったいない一品です。
- 付箋5種セット
仕事や勉強に役立つアイテムです。
昭和の香り漂う子どもの人形たちが付箋になりました。
- ボールペン&タッチペン
河口湖ミューズ館・与勇輝館の看板作品『たま』が印刷されたペン。
書くのが楽しくなりそうですね。
- マウスパッド
パソコン周りにも与勇輝の作品を置いてみてはいかがでしょうか。
ふとした瞬間に気分が和みますよ。
カフェ
「ドールカフェ」では、ガラス張りの窓から見える河口湖を眺めながら、くつろぎの時間を過ごせます。
季節によって景色が変わり、春夏秋冬の移ろいを肌で感じられるのが見どころ。
ミューズガーデンのテラス席や芝生広場なら、より自然を満喫できますよ。
詳しくはこちらからご覧ください。
【ドリンク・軽食メニュー】
- コーヒー
- 紅茶
- ハーブティー
- 桃ジュース
- うどん
- そば
【期間限定メニュー】
- ソフトクリーム
時期によって違う味が登場します。
2021年12月17日よりあまおうの販売を開始しました。
河口湖周辺の飲食店
カフェのメニューだと少し物足りないかもしれません。
そんな時は、近隣のレストランに足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
山梨名物のグルメを味わいたい人におすすめなのが「ほうとう蔵 歩成(ふなり)」
まとめ
与勇輝の分身である不思議な魅力をたたえた人形たちは、いつまでも眺めていたくなります。
戦争の記憶を残したい。そして作家自身の心象風景を形にしたい。
そんな想いが作品に反映されているのです。
河口湖ミューズ館・与勇輝館がある八木崎公園は、ラベンダーの名勝地でもあります。
初夏に見頃を迎えるので、機会があれば訪れてみてください。
人形も自然の景色も、一見の価値ありですよ。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 河口湖ミューズ館・与勇輝館 |
住所 | 山梨県南都留郡富士河口湖町小立923 |
電話番号 | 0555-72-5258 |
ホームページ | http://www.fkchannel.jp/muse/ |