「絵を描きたい」や「作品を作りたい」と思ってもアイデアが思い浮かばないときがあります。
絵のアイデアは作り出すものではなく「ひらめくもの」です。
今回は、画家ならば誰もが一度はぶち当たる「絵のアイデアが思い浮かばないとき」の対処方法についてご紹介します。
ひまな時間をつくる
絵のアイデアが思い浮かばないときや何を作ったらいいかわからないときは忙しいときが多いものです。
忙しい日々はアイデアがひらめくタイミングを奪います。
いいアイデアはひまなときに生まれるものであり、画家にとってひまは必要な時間です。
しばしば「今日は制作する日にしよう」と考えてアイデアをひねり出そうとする人がいます。
しかしアイデアはひねり出して出ることもありますが、ほとんどは突拍子もないときにひらめくものです。
絵のアイデアが思い浮かばないと思う人は、できるだけひまな時間をつくりましょう。
忙しい日々の中でも頭の片隅に「アイデアがでるかもしれない」という心構えを持っておくといいかもしれません。
そしてアイデアがでたときには、できるだけメモに残しておくと後々大きな助けとなることがあります。
絵とは全く関係のない情報に触れる
美術や芸術にばかり接している人こそ、絵のアイデアが浮かばなくなったりアイデアの幅がせまくなったりすることもでしょう。
新しいアイデアや面白いアイデアは「想定外の組み合わせ」から生まれることが多いのです。
例えば人物画を描くとき、美術の知識しかない人は写実的に描くしか方法は浮かばないでしょう。
しかし美術のスキルと植物に関する知識や興味があわされば、ジュゼッペ・アルチンボルドのように「動植物をつかった人物画」という新しいアイデアが誕生するかもしれません。
繰り返しになりますが、絵のアイデアは突拍子もないときに突拍子もないものがヒントになってひらめくものです。
美術に携わる人ほど、美術以外の世界にも興味をもち、視野を広くしておくことが新しい絵のアイデアを生み出すことにつながります。
とにかく手を動かす
絵のアイデアが思い浮かばないときには頭の中で考えが完結してしまっていることが多いです。
例えば、新しい描き方に挑戦しようと思っても頭の中でシミュレーションをして「やっぱりだめだ」とあきらめてしまうのです。
制作は、頭の中で考えてみるのと、実際に手を動かしてみるのとでは、全く違う結果になることがあります。
例えば、彫刻をするときに新しい材料に挑戦しようと考えます。
頭の中では「この材料は崩れやすいからこの作品は作れない」と思うかもしれません。
このときに頭の中だけで完結させてしまえば、制作はそこで終了です。
しかし、とりあえず手を動かしてみれば、例え崩れてしまったとしても新しい発見があり、新しいアイデアにつなげられる可能性があります。
美大生であっても、絵のアイデアはとりあえずクロッキーをしながら考えます。
頭の中で考えるだけではなく、実際に線で描くことで形になり、頭の中ではみえなかった形や線がみえてくるのです。
過去の絵画作品を見返す
過去に制作した作品がある場合は、見返してみるといいでしょう。
見返す目的は、過去の作品からヒントを得るためではありません。
ひとつの作品を制作するときには、頭の中で考えた制作過程があるはずです。
その思考過程が大きなヒントになります。
例えば、過去の作品ではボツにしたアイデアや技法が今回の作品では使えるかもしれません。
自分でも忘れていた制作過程が過去の作品を見返すことによって思い出すことができます。
過去の作品が少ない人は、美術館や展示会でさまざまな作品を鑑賞します。
「作品が生まれた背景」や「作者の思考回路」を想像してみると新しいアイデアのヒントになるでしょう。
ただ、過去の作品を見返すことはどうしてもアイデアが思い浮かばないときに限定したほうがいいかもしれません。
過去の作品を振り返ると、どうしても共通する点が出てきます。
あまりにも過去の作品に頼り過ぎると「ヒントがなければ新しいアイデアがひらめかない」ということになってしまう可能性もあるのです。
過去の作品を見返して制作したときに「リメイク」のような作品になっていたらよくありません。
リメイクになったときには、自分の視野を広げてみることに力を注いだ方がいいでしょう。
まとめ
新しいアイデアが常に湧き出てくる画家は、常に新しい知識や情報を仕入れています。
新しい友達や自分とは全く考え方が違う人、異業種の人と積極的に交わることで自分のセンスを磨いています。
常に新しい作品を生み出している人は、本や雑誌、音楽もジャンルを固定せずに幅広く接している印象があります。
アイデアが思い浮かばないと「才能がない」という人がいます。
しかし、生まれつきの才能だけではいずれ限界がくるのです。
描きたいけれどアイデアが思い浮かばないときの一番の対処方法は、自分の視野と知識を広げてアイデアの引き出しを増やすことです。