観葉植物の葉がベタベタしていることが気になっていませんか?
もしかしたらそのベタベタは、樹液ではなく害虫のせいかもしれません。
葉のベタベタを放置すると害虫が増え、観葉植物の元気がなくなる原因に。
また害虫が繁殖すると他の観葉植物にまで被害が及びます。
本記事では観葉植物に潜む害虫「カイガラムシ」の対処法を解説。
原因や駆除のポイントにも触れていきます。
観葉植物の葉がベタベタしているなら、早めの対処が必要です。
本記事を最後まで読んで、観葉植物の健康を守る参考にしてください。
- 観葉植物の葉がベタベタする原因
- 害虫を除去する方法
- 害虫の発生を防止する方法
観葉植物の葉がベタベタする原因は「カイガラムシ」
葉のベタベタは観葉植物に寄生する害虫の一種、カイガラムシの排泄物です。
カイガラムシとは1~10mmの小さな虫。観葉植物から養分を奪いとり、葉や茎に排泄します。
コナイカイガラムシやヒラタカタカイガラムシなど、その種類は7,000種類以上。
日本では400種類ほどが確認されています。
観葉植物の葉や茎に、白い綿のようなものや茶色の斑点はありませんか。
その正体こそカイガラムシ。
白い綿のようなものが幼虫、茶色や黒の斑点はカイガラムシが成長した姿です。
メスはくっついたまま動きませんが、オスは飛ぶ可能性があるため注意しましょう。
カイガラムシが発生するのはなぜ?
カイガラムシは家の外から部屋に入ります。
おもに掃除されていない場所で増殖するため、換気できないクローゼットや押し入れなどはこまめな掃除が必要です。
外から部屋の中に入ってきた
カイガラムシがあなたの観葉植物にくっついているのは、窓から風を入れたときに舞い込んだ可能性が高いでしょう。
またあなたや同居している家族が外出し帰宅した際、着ていた洋服やバッグなどについていたのかもしれません。
ほこりっぽい場所で繁殖する
カイガラムシは風通しがよくない場所、太陽の光が当たりにくく狭い場所を好む習性があります。
カイガラムシの恐ろしいところはその繁殖力。
観葉植物にカイガラムシがくっついているなら、すでに家の中で増えている可能性があります。
放置していると増殖していくので注意が必要です。
日頃から掃除がいき届いていない場所に心当たりがあるなら、これを機に掃除し、清潔を保ちましょう。
カイガラムシの駆除方法
観葉植物の葉がベタベタする一因が害虫であることがわかりました。
観葉植物に発生した害虫はすぐに駆除しましょう。
とくにカイガラムシはそのまま放置していても去っていくことはありません。
カイガラムシは成虫になると名前のとおり貝殻のような硬い殻に覆われるため、薬剤が効かない種類がいます。
成虫の駆除はこすったりそぎ落としたりする手作業による方法が効果的ですが、成虫駆除は手間がかかります。
薬剤で簡単に駆除できる幼虫のうちに退治することが大切です。
幼虫には薬剤を使用
観葉植物にくっついている白い粉や綿のような外観のものは、カイガラムシの幼虫です。
おもに5~7月頃出現します。
幼虫のうちに薬剤で駆除することがおすすめです。
カイガラムシの幼虫駆除に効果的な薬剤は以下のものが挙げられます。
- アクテリック乳剤
- オルトラン水和剤
月に2~3回の使用が目安です。
カイガラムシの卵は目に見えないほど小さいため、肉眼で確認できなくなっても薬剤の使用を継続しましょう。
成虫はこすり落とす
カイガラムシの成虫は硬い殻に覆われます。
成虫には薬剤が利きにくいため、綿棒や歯ブラシでこすり落とす、ヘラでそぎ落としす方法が効果的です。
濡れた布で拭きとる方法もありますが、強くこすると観葉植物の葉や茎を傷めるため注意が必要です。
カイガラムシの種類によって効き目が異なりますが、以下の薬剤が駆除に使用される場合があります。
- 速効性成分:フェンプロパトリン
- 浸透移行成分:クロチアニジン
上記2つの成分が配合された、カイガラムシ専用の薬剤も販売されています。
虫が苦手で手作業による駆除が難しい方は、試してみるとよいでしょう。
シャワーで洗い流す
カイガラムシの幼虫や成虫を駆除したあとは、40度前後の水温に設定したシャワーの使用がおすすめです。
水流を強めに設定したシャワーを使い、肉眼で確認できない小さな卵やベタベタを洗い流します。
葉のベタベタやホコリもとれるため、元気を取り戻した葉が次第にイキイキと健康的な姿になるでしょう。
洗い流したあとは風通しのよい場所に設置して乾燥させることが大切です。
そのまま室内に飾ると土が蒸れ、カビや根腐れの原因になります。
カイガラムシ駆除のポイント
観葉植物についた害虫を駆除する際はマスクや手袋を着用し、直接手で触れないようにします。
葉や茎にこびりついた成虫だけでなく、葉のベタベタや白い綿のように見える幼虫もすべて取り除きましょう。
ただ、あまりにも害虫が発生した範囲が広い場合は、葉や茎をカットすることも有効です。
マスクと手袋を着用する
カイガラムシを駆除するときは素手で対処してはいけません。
カイガラムシは小さな生き物です。直接手で触れると目に見えない小さな卵が付着する可能性があります。
カイガラムシが手についた状態のまま、誤って部屋のドアノブや顔などに触れると完全に駆除できません。
触るときは必ず手袋を着用しましょう。
マスクは不織布製、手袋はビニール製のものを使用することがおすすめです。
できればエプロンも用意し、使い捨てできるものを選びましょう。
また駆除の際に着用していた洋服にもカイガラムシが付着している可能性があります。
駆除後はすぐに洗濯しましょう。
あなたの皮膚や洋服への付着を防ぐなら、100均で上下セットの使い捨てレインウェアを使用すると効果的。
駆除が終われば外で脱いでそのまま捨てられます。
ベタベタ・白い綿も観葉植物の葉や茎から除去する
観葉植物の葉や茎に残されたベタベタや白い綿は「すす病」という病気の原因になるため、すべてとり除きましょう。
前述したとおり、ベタベタはカイガラムシの排泄物、白い綿はカイガラムシの幼虫です。
せっかく駆除してもカイガラムシやその排泄物が残っていると観葉植物の元気がなくなります。
観葉植物の健康を取り戻すなら、害虫の痕跡をなくすことを意識しましょう。
駆除する量が多いときは剪定する
観葉植物の葉や茎にびっしりと葉や茎にカイガラムシがくっついている場合は、その部分をカットすることも視野に入れましょう。
せっかく育った観葉植物にハサミを入れるのは悲しい気持ちになるかもしれませんが、繁殖力が強いカイガラムシは1匹でも残すとたちまち増殖。
肉眼で確認できないところまで蔓延している可能性が高いため、思いきって剪定することが大切です。
剪定した葉や茎はそのままごみ箱に捨てず、ビニールなどに入れてしっかり口を結びましょう。
葉のベタベタは病気のもと、観葉植物の健康を守ろう
害虫から観葉植物を守るためには霧吹きによる葉水、薬剤を与えることが効果的です。
成虫になると駆除に手間がかかるので幼虫のうちに対処しましょう。
葉水・薬剤を与える
観葉植物が健康なうちから、葉水や薬剤を活用し虫の発生を予防しましょう。
葉水は霧吹きを使用し、葉の裏もまんべんなく水を葉に吹きかける方法です。
薬剤はカイガラムシの姿が確認できなくても、月に2~3回スプレーすることをおすすめします。
小さな子どもやペットがいるなどの理由があり、薬剤を使いたくない方はこまめに霧吹きで葉水を与えましょう。
幼虫のうちに駆除する
カイガラムシは成虫になると薬剤が効かない種類がいます。
そうなると物理的な駆除の方法しか残されていません。
こすり落とさなければならないため、手間と時間かかかります。
カイガラムシだけでなく、観葉植物についた害虫は見つけたらすぐに対処しましょう。
まとめ
観葉植物がベタベタする原因はカイガラムシの仕業です。
カイガラムシが原因ですぐ枯れることはありませんが、少しずつ元気がなくなっていきます。
カイガラムシは観葉植物だけでなく人間に対しても大敵。
繁殖を防ぐためには、ほこりっぽい場所を探して念入りに掃除しましょう。
駆除作業が面倒に感じるかもしれませんが、もし1匹でも見かけたら即刻対処が基本です。
観葉植物の健康とあなたの快適な生活を守りましょう!