この記事では、絵を飾るときにどんなポイントに気をつけたらいいのか、避ける場所について説明します。
絵画を購入するときに、家のどこに飾るのか迷っている人もいると思います。
家のスペースによっても変わりますが、工夫次第で様々な場所に飾れます。
せっかく絵を飾るのであれば、少しでも長くきれいな状態で飾れるのに越したことはありません。
家のなかで絵を飾るのに避ける場所とは
まずは家のなかでも絵を飾るのに適さない場所について説明します。
どんなに素敵な絵も、絵を飾る場所によっては劣化を早めてしまい、その魅力が長く楽しめなくなります。
飾る場所で迷っている人は、決める時の参考にしてみてくださいね。
直射日光が当たる場所
美術館を思い出してみてください。
直射日光が入らない少し薄暗い空間になっていると思います。
絵画にとって直射日光などの強い紫外線は、傷つける、変色や退色を引き起こす原因になります。
せっかく色鮮で色彩の美しい絵が色あせてしまっては意味がありません。
長く買ったままの姿を楽しみたいものですよね。
窓の近くはもちろん、時間帯によって日差しが入る位置が変わるときは、一日を通して直射日光の当たらない場所を選んでください。
また、飾る絵が油絵でアクリル絵の具を使っている場合、特に紫外線に弱く色あせやひび割れなどが起こりやすくなります。
油絵用の絵の具を使っている場合は、多少の紫外線では色あせしないことも多く、絵の具の質によっても変わります。
特にアクリル絵の具の場合は、手頃な価格で描きやすい良さもありよく用いられています。
ただ、紫外線には弱いので、長期で飾る場合には、特に注意しなくてはいけません。
湿気が多い場所
日本は高温多湿なのもあり、湿度が高くなりやすい気候でもあります。
絵画にとって湿度が70%を超える空間に、長期間保存されているとカビが生える原因になってしまいます。
油絵を保管するうえで最も適していると言われるのは、湿度50%です。
部屋のなかに除湿機を置く、湿気の多くなりがちな水回りの近くには置かないなどの工夫をしてください。
なかでも油絵はキャンバス地に木の内枠を使用しているため、水彩画よりも湿気を吸収しやすい特徴もあります。
家のなかでも湿気が多い押し入れやクローゼット、納戸などに長時間保存するのは避けるのが無難です。
生活の居住空間に置いているほうが傷みにくくなります。
意外と盲点になるのが、エアコンの横や、結露する窓の回りです。
この辺りは避けておいたほうが、絵の状態がよくなります。
ホコリの多い場所
額縁をつけていればそこまで心配はありませんが、絵をそのままにして飾っている場合は、想像以上にほこりがついてしまっていることもあります。
絵画の表面にたまったホコリをどのように取り除いたらいいのか戸惑う人もいると思います。
間違えたやり方で絵を傷めてしまうのは避けたいものです。
額縁で表面を覆っていない場合は、少なからず表面にほこりがたまっています。
その場合は濡れた布ではなく、乾いた布を使って優しく拭き取るだけにします。
絵画の絵の具がしっかりと乾いている状態であれば、乾いた布で多少拭いたぐらいで落ちてしまうことはありません。
ホコリが積もった状態は、絵はもちろん、家のなかの衛生状態にも関わりますので、拭き取るようにしておきましょう。
タバコを吸う場所
最も絵の劣化を早めるのは、タバコなどの煙だと言われています。
リビングに絵を飾っていて、喫煙の習慣のある家では絵の劣化を早めてしまう危険性があります。
見た目ではわかりにくいのですが、絵の表面にたくさんのニコチンが付着してしまいます。
実際に絵のクリーニングをかけると、絵の汚れが取れて別の絵のようになることもあります。
たまにしかタバコを吸わないから大丈夫と思わずに、できるだけタバコの影響を受けにくい場所に絵を飾るようにしてください。
タバコだけでなく排気ガスや通気口の近くに絵を飾っている人も注意が必要です。
湿気対策として通気口の近くに飾ってしまう人もいますが、絵にとっては逆効果になります。
害虫の多い場所
自宅のなかでも人の出入りが少なく害虫被害の多い場所には、絵を置くのはおすすめしません。
飾っているとき、保管しているときの両方で注意が必要ですが、蜘蛛の巣が張ってしまう、害虫の排泄物や死骸で絵が汚れてしまうこともあります。
長期間置いているからこそ起こりがちなリスクになるのですが、もともと1階に住んでいる、周囲に自然が多いなどの環境によっても室内に害虫の数が多くなってしまいます。
害虫が多いと知らずしらずのうちに絵を傷めてしまう原因になりますので、避けるようにしてください。
定期的なメンテナンスも必要
自宅に絵を飾ったあと、特にメンテナンスもせずに長期間そのままなんて人もいるのではないでしょうか。
忙しい中で絵に時間をかけるのはなかなか難しいかもしれません。
どんなに気に入っている絵でも、何十年もそのままにしているのは良いことではありません。
例えば自宅の蛍光灯からも少量の紫外線が出ています。
絵の額縁にもホコリがたまっているかもしれませんし、定期的に絵を取り外して休ませてあげることも必要です。
複数枚の絵を季節によって飾りかえる方法もあります。
長期間飾ったままよりもメンテナンスとして外して、別の絵にしてみるなどの対策も必要です。
絵を変えるのはインテリアを変えるのと同じぐらい気軽にできるものですし、ちょっと変えるだけでも部屋の印象が変わって面白いのでおすすめです。
飾る場所に気をつけていても、メンテナンスは必要です。
また絵を収納して保管する場合、水平に置くのは間違いです。
あくまでも縦にして保管するようにしてください。
絵を額縁に入れずに保管してしまうと、傷などのリスクもあるため、できるだけUVカット機能付きの額縁を選ぶなども、気を使うようにします。
保管するときは十分なスペースを確保できるほうが安心です。
特に上下左右がぎゅうぎゅうに詰まった状態にならないように気をつけてください。
絵画をもっと気軽に楽しむならプリントの方法も
自宅に絵があるだけでも、おしゃれに見えますし優雅な空間になります。
シンプルなインテリアの部屋でも絵があるだけで、住んでいる人のこだわりを感じられます。
自宅に絵を飾るのは家族で楽しむ目的もありますが、来客時におしゃれに見せたい人もいると思います。
ただ、本格的な絵はメンテナンスなどの大変さもあります。
保存状態によっては絵の価値を下げてしまう危険性もあります。
もし、もっと気軽に絵画を楽しみたいのであればプリントの選択もおすすめです。
有名な絵画のプリントは、高品質なものが多く、飾るだけでも部屋の印象を変えてくれます。
気軽に購入できるのもあり、プリントからはじめてみる人もいます。
まずは自宅に絵がある生活をしてみたい!そんな人にも向いています。
まとめ
絵を飾るときにどこでも置けるわけではありません。
絵の素晴らしさを長く楽しむためにも直射日光などの紫外線や、湿気、気温などが影響しないように気をつけなくてはいけません。
また保管しているときも、絵を傷めてしまう原因にはさまざまなものがありますので、定期的なメンテナンスをしつつ絵の状態を保てるようにしたいものですね。
プリントなどもありますので、気軽に楽しめる方法で取り入れてみてください。