厳しい暑さのなかでもガーデニングで緑の葉を広げて伸びる夏の花の姿は生命力を感じるものです。
花の優美さからは想像がつかないほど、丈夫な頼もしい花ばかりです。
また、涼しげな色の花は、暑さをつかのま忘れさせてくれます。
この記事では、夏の暑さに強く見た目にも清涼感のある夏の花の育て方とその花言葉、またガーデニングのコツを紹介いたします。
夏の花のガーデニング時期と花言葉をご紹介
ニチニチソウ
キョウチクトウ科 ニチニチソウ属
ニチニチソウはその育てやすさから園芸品種として広く普及しています。
どんな方も一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
1鉢100円台から出回っていて丈夫なので、ガーデニングの第一歩の夏の花として最適。
夏の間、毎日新しい花が開くことから「日々草」と名がついたほどで、多くの花を咲かせてくれます。
花の色は、暖色系も寒色系、2色のものなどバラエティに富んでいます。
涼しげな色としては、白や薄紫がおすすめです。
次々と咲く花々がまるで肩を寄せ合っておしゃべりしているかのように見えますね。
それでこの花言葉が生まれたのかもしれません。
開花時期 | 5〜10月 |
ニチニチソウの花言葉 | 楽しい思い出、友情、生涯の友情 |
ブルーサルビア
シソ科 サルビア属
ブルーサルビアは、目の覚めるような紫に近い青色が印象的な夏の花。
細長い花のスタイリッシュな姿はまるでガーデニング上級者が育てていそうですが、夏の花の中でも実は手間のかからない花なのです。
寒い冬が来る日本では一年草に分類されますが、原産地の熱帯、亜熱帯では毎年花を咲かせる多年草です。
日本でも冬をうまく越すことができれば、毎年花を咲かせてくれます。
冬越しについては後述の「育て方のコツ」で解説いたします。
知性を感じさせるようなブルーの色合いにぴったりの花言葉ですね。
ちなみに赤いサルビアの花言葉は、これも赤色に似合う「燃える思い」となっています。
開花時期 | 5〜11月 |
ブルーサルビアの花言葉 | 尊敬、知恵 |
アガパンサス
ヒガンバナ科 アガパンサス属
アガパンサスは、有名なランの一種である君子蘭に似ていることから和名は「紫君子蘭」といいます。
梅雨から夏の時期に放射状に花を咲かせる姿は、打ち上げ花火にたとえられることもあります。
名前は格調高いのですが、公園や自然の中でもよく見られる丈夫な花です。
暑さに強く多少の日陰も平気なので、夏の花としてガーデニング初心者が鉢植えで育てるのにも向いています。
花言葉は、奥ゆかしい紫の色合いや気品のあるたたずまいから生まれた花言葉のようです。
なんとなく高嶺の花、憧れの対象というイメージの言葉ですね。
開花時期 | 6〜8月 |
アガパンサス | 恋の訪れ、ラブレター、知的な装い |
フレンチラベンダー
シソ科 ラベンダー属
フレンチラベンダーは濃い紫のうえに薄紫の耳が飛び出したようなウサギに似た形の花が特徴です。
風に揺れるさまが涼しげで愛らしく、人気の高い品種です。ラベンダーは、ハーブとしても有名で、ハーブティーや香料としても利用されています。
香りにはリラックス効果があり、花の可愛らしさに魅かれて育てると、香りまで楽しめるという魅力にあふれた花です。
花言葉はある物語が由来になったと言われています。
“ある女の子が美しい少年に恋をしましたが、なかなか想いを伝えることができませんでした。
そのまま女の子は待ち続けて、一輪の花になってしまいました” というお話です。
その女の子の名前がラベンダーというのだそうです。
開花時期 | 5〜7月 |
ラベンダーの花言葉 | 沈黙、私に答えてださい、豊香 |
夏の花のガーデニングのコツと育て方
今回ご紹介した4種類の花々は、植物として近い種類ではないのですが、育て方の注意点は不思議と似通っています。
「丈夫で夏に花を咲かせる」という共通項があるために育て方も似てくるのかもしれません。
ここで共通するコツをご案内しておきます。
水やり
今回ご紹介した花は、丈夫=暑さや乾燥に強いので、神経質に水やりをしなくても大丈夫です。
むしろ水やりをしすぎると根腐れをしてしまう可能性があります。
土がまだ濡れている時は水やりを避け、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをしましょう。
日当たり
明るい日陰でも育ちますが、日当たりの良いところの方が花がよく咲きます。
土の種類
紹介した花はすべて庭にじかに植えて育つタイプのものです。
土の種類にこだわらなくても日本の庭の土で大丈夫ということなのです。
新たに用意するときには「水はけのよい」土を選ぶと、根腐れしにくくなります。
園芸品種として人気のラベンダーにはラベンダー用の土も出ているので、購入するのであれば試してみるのもおすすめです。
害虫対策
紹介したものはどれも、害虫はつきにくいです。
水の与えすぎや日照不足で花の株が弱るとアブラムシなどがつくことがあります。
水をやりすぎず日に当てることに心がけましょう。
もしアブラムシなどがついてしまったらビニール手袋などをして直接手でつぶすのが一番です。
早めに気がつけば、水やりの時に勢いよく流すだけでも退治できることもあります。
冬越し
今回紹介した中で、フレンチラベンダーはもともと冬越しができる種類です。
また、アガパンサスも比較的冬の寒さに強いようです。
ブルーサルビアとニチニチソウは夏の暑さに強い反面、冬の寒さは得意ではありません。
どちらも、日本では一年しか持たない「一年草」に分類されています。
といっても関東地方ぐらいの寒さであれば、冬を越せることも多くあるのです。
鉢植えの場合には、真冬は屋内に入れて管理しましょう。
地植えの場合、地面の近くまで切り戻すと何事もなかったかのように新しい芽を出してくれることがあります。
春に芽を出してくれたときの嬉しさは格別ですので、ぜひ冬越しにもトライしてみてください。
夏の花がガーデニングにおすすめな理由
人間にとっては暑くてつらい夏ですが、植物にとってはふんだんに日光を浴び生き生きする季節です。
植物が元気に伸びてゆく夏こそガーデニングが成功しやすい季節なのです。
ガーデニングは無理かな?とお花屋さんで切り花を買ったとしても、夏場はどうして長持ちしないものです。
お花を買うなら、夏こそ鉢植えがおすすめ。
鉢植えやお庭に植えた花こそ夏の醍醐味です。枯らしてしまいそうで心配な方は、少しぐらい乾燥しても平気な品種を選びましょう。
涼しげな花色で乾燥にも強く丈夫なものをピックアップしましたが、他にもヒマワリ、ユリ、タチアオイなど夏に盛りを迎える花は数多くあります。
黄色やオレンジ、赤など、夏らしいビタミンカラーの花々も素敵です。
夏の花とガーデニングのまとめ
今回は、夏の花のガーデニングとその花言葉を紹介いたしました。
ガーデニングの花は一種類でもすっきりとして美しいのですが、何種類かの夏の花があると一気に華やかになります。
いくつかの鉢をバランスよくまとめておいてみるだけで、初心者の方でも寄せ植えのような雰囲気が出せます。
今回取り上げた花は育てるときのコツが似ているので、水やりなどの世話は同じようにすれば大丈夫です。
植物が元気になる時期だからこそ、少しずつ夏の花を増やしてガーデニングに親しんでみてはいかがでしょうか?