食虫植物は、まるでSFやファンタジー映画に出てきそうな外観が特徴です。
食虫植物にコバエやゴキブリなどの虫を食べてもらおう!と考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、食虫植物は他の植物と同じように光合成で育つため、虫を与える必要は特にありません。
見た目にインパクトがある観葉植物を育てたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
食虫植物の特徴とは?
食虫植物は虫を食べなくても育成可能です。
また寒さが苦手なため、寒い時期は休眠してエネルギーを蓄える特徴があります。
光合成と水で育つ
食虫植物は土からの栄養に加え、光合成と水で育ちます。
十分に生長できる環境が整っているなら虫は不要です。
自然界の食虫植物は過酷な環境に育つ品種が多く、光合成が難しい環境で育つため、光合成以外の養分を蓄えられる機能が備わったとされています。
食虫植物は特有の香りを放つことで虫をおびき寄せますが、あなたが虫を捕まえて与えなくても問題ありません。
冬は休眠する
食虫植物は寒さが苦手な品種が多く、秋冬は休眠します。
これは余計な力を使わないように、セーブするためです。
休眠中は茶色や黒っぽく葉が変色するため、枯れたように見えるかもしれませんが、株は生きています。
健康的な食虫植物なら、暖かくなる頃には色が戻ります。春まで様子をみましょう。
食虫植物は虫を予防できる?
食虫植物で虫を予防することは可能です。
ただし室内に設置すると虫をおびき寄せる香りを発するため、虫が増えたと感じるかもしれません。
虫対策で食虫植物を育てるなら、窓際やベランダなどに置くと、窓から入ってくる虫を食べてもらえます。
ただし、すべての虫を予防できるとは限りません。
虫の予防ではなく、観葉植物として楽しむことをおすすめします。
コバエ対策は効果が期待できる
コバエの種類によってはおびき寄せることは可能です。
ただし必ず捕獲するとは限りません。
食虫植物は虫を寄せつけるため、かえって虫が増える可能性があります。
コバエ対策をするなら、食虫植物だけではなくコバエとりアイテムとの併用がおすすめです。
食虫植物だけを設置するよりも、効率よく虫を誘引し捕獲できるでしょう。
ゴキブリ対策は可能
食虫植物でゴキブリの捕獲は可能です。
しかし、食虫植物をゴキブリ対策に設置することはおすすめしません。
捕獲できたとしても、食虫植物がゴキブリを養分とするまでは時間がかかります。
加えて、ゴキブリには雑菌が付着しているため、捕獲後もそのままにしておくと不衛生です。
また、いつまでも部屋にゴキブリを留めておきたいと思う人は少ないでしょう。
見た目もグロテスクなため、ゴキブリ対策には不向きです。
食虫植物おすすめ4選|観葉植物として育てたい!
初心者から上級者の方に、それぞれおすすめの食虫植物を紹介します。
はじめて食虫植物を育てるなら、ハエトリソウやウツボカズラがおすすめです。
個性的な見た目を楽しみたい方には、サラセニア。
観葉植物を育てた経験があるなら、ダーリングトニアやムシトリスミレの育成に挑戦してみてはいかがでしょう。
食虫植物の代表格「ハエトリソウ」
1つめのおすすめ食虫植物はハエトリソウです。
鋭い歯をもつ口のような葉が印象的なハエトリソウ。
葉に触れると、貝のようにパクリと葉が閉じます。
葉が閉じる様子を見たくなり、つい触りたくなりますが、葉を閉じるには力を使うため負担がかかります。
元気に育てるためにも、できるだけ触れないようにしましょう。
ハエトリソウは肥料を与えなくても、根をとおして土から養分をとり込めます。
暑さに弱いため、夏はレースカーテン越しに日が当たる窓際に置くとよいでしょう。
一方で冬の寒さに強い食虫植物です。
凍結に注意すると越冬が可能。寒くなると休眠し、春の生長期に向けて力を蓄えます。
0~5度の場所で管理すると、春には元気な生長が見られます。
初心者におすすめの「ウツボカズラ」
2つめのおすすめ食虫植物はウツボカズラです。
葉の先端から、ひょうたんのような捕食袋を垂らすウツボカズラ。
袋には消化液が溜まっており、中に入った虫を逃がしません。
ウツボカズラは温度管理に注意すれば、比較的育てやすい食虫植物です。
つる性のため、窓際に吊るす楽しむ飾り方がおすすめ。
日当たりを好みますが、夏は直射日光を避け、半日陰で育てましょう。
春や秋、冬は日当たりのよい場所の設置。
水や湿気を好むため水切れに注意し、定期的に霧吹きで葉水を与えましょう。
ウツボカズラは寒さ苦手。10月頃には室内に入れましょう。
乾燥も苦手なため、冬はビニールをかけたり発泡スチロールの箱に入れたりして、保温できる環境を整えることが大切です。
インパクトを狙うなら「サラセニア」
3つめのおすすめ食虫植物はサラセニアです。
外観がウツボカズラに似ているサラセニア。
ラッパのような筒で虫を誘引します。
上向きの筒は、まるで落とし穴のよう。
おびき寄せられた虫を、ストンと筒に落として捕獲します。
湿気を好むため、ミズゴケを使った育成方法があります。
水もちがよいピートモスを使用してもよいでしょう。
育成がうまくいくと、3~5月に赤みを帯びた花を咲かせます。
可愛い食虫植物を育てたいなら「ムシトリスミレ」
食虫植物の4つめのおすすめはムシトリスミレです。
食虫植物と聞くと見た目にインパクトがあるイメージですが、ムシトリスミレは可憐な外観。
肉厚な葉がバラのように重なり、スミレのような花を咲かせます。
食虫植物らしからぬかわいい姿から、インテリアに加えたくなるのではないでしょうか。
しかし葉から消化液を出すため、おびき寄せられた虫は葉にくっつきます。
養分として溶け込むまで時間がかかるため、虫が苦手な方は注意が必要です。
ムシトリスミレは湿気と風を与え、明るい日陰で育てましょう。
食虫植物で個性的な観葉植物に挑戦しよう!
食虫植物は、個性的なインテリアとしても楽しめます。
個性的な見た目の観葉植物を育てるなら、食虫植物に挑戦してみませんか。
「美しい観葉植物もいいけれど、個性的な外観が魅力の食虫植物を育ててみたい」という方は、ハエトリソウやウツボカズラなどの、比較的世話が簡単な品種がおすすめです。
さっそくユニークな食虫植物を迎え、個性的なインテリアとして楽しみましょう!