この記事では、初心者向けの美術館の楽しみ方を紹介いたします。
美術に興味がない方も学校の修学旅行、あるいは旅先で、美術館に立ち寄ったことはありませんか?
そして、一度見たあとにもしかしたら、もっと深く作品に向き合いたいと思ったことはないでしょうか?
知識より、楽しもうという気持ち
美術館を訪れるときは、それなりに作品に対する知識がなければいけないと、ハードルを上げている人が初心者では多いようです。
そういった思い込みを捨てて、自分の感性で作品を眺めてみると、とても楽しい美術館巡りができます。
私たちが初めて美術鑑賞をするようなときは、作品を前に一つひとつの作品の解説をくまなく読んでいき、終盤では疲れ果ててしまったりします。
ですが、解説を読むことに労力を使い、せっかくの作品を目の前にして、「そのもの」を鑑賞できないのは実にもったいないですよね。
それよりもまず、「この作品は何を言いたいのだろう?」そう思って眺めてみると、作品に対する見方が変わり、実に味わいも増してきます。
「なぜ、こんなふうに創ったり、描いたりしたのだろう」そう感じてから解説を読むと、そこに新しい発見があったりします。
解説は、疲れない程度に読むのがいいようです。
その美術館のコンセプトを理解する
殆どの美術館にはコンセプトやテーマがあって、それに添って運営されています。
ですから、初めて訪れる美術館はその情報を知っておくだけでも、とても当日が有意義なものになります。
例えば、「古典美術」「近代美術」「現代美術」などがありますね。
美術館のコンセプトやテーマがわかれば、初心者はそれと一緒にその当時の有名画家を数名チエックしておくと、断然、当日の面白みが違いますよ。
もし時間に余裕があり、その時期の美術運動のジャンルや時代背景を知っておくことができたとしたら、どうなるでしょうか?
もう楽しくて仕方ないくらいの一日を過ごせます。
「あ~、やっぱり」といったように、「だから、こんな描き方しているんだ」まで、理解できますから、美術館巡りの初心者でも、そこまで来るといっぱしの楽しみ方ができることになります。
また、もし事前に知識を入れておかなくても、その作品を観て、自分が何を感じるか、そこが最も重要なのは、間違いないでしょう。
美術鑑賞に正解はない
長年、「この作品は、このような意味で創られたもの」とされていたにもかかわらず、「実は〜だった」と違う解釈に変更されることは、これまでもよくありました。
ですから、美術館で自分が感じた内容と解釈が異なっているからといって、初心者だからと気にする必要はありません。
その作品から何を感じ、何を得たかは人それぞれであり「芸術の解釈に正解はない」と思って鑑賞していくと、ムダな労力をかけずに楽しむことができますよ。
ですから、きれいなものばかりではなく驚くものや汚いに等しいものまで美術作品として評価されているのかもしれません。
自分独自の解釈で心に問いかける
自分独自の解釈で眺めてみるのが面白いです。
自由な解釈で作品を眺めて、なぜ世の中に評価されているのかを考えます。
「どうして、この作品はこんなに評価されているのだろう?」「なぜ、こんなにきれいなのだろう?」「この作品は自分は好きなのだろうか?」
そんな視点で眺めるのが楽しいです。
自由な気持で作品を眺めてから、解説を読むように意識することで、鑑賞するのがとても楽しくなってきます。
「本当の解釈は謎」と頭の片隅に置いて作品を観ていくと、ウキウキする気分を味わったりもできるのです。
注目作品をピックアップする
美術館によっては、初心者は広すぎて観るだけでやっとという場合もあります。
そういう時は事前にどの作品が注目されているかを把握しておきましょう。
よほど美術館巡りをしているような人でなければわからないでしょうから、観たい作品、注目作品をチエックしてみます。
館内マップがあるでしょうから、そこに注目作品がピックアップされているかどうか確認してみます。
もしあれば、その通りに鑑賞していくとスムーズに納得できる美術鑑賞をすることができるでしょう。
例えば、どんな美術館でも「オーディオガイド」があって、イヤホン式無線のようなタイプであったり携帯電話のようなイメージのものがあります。
それらを用いて、気になる作品の前でヘッドホンマークの数字を入力して解説を聞いてみましょう。
画家の名前をチェックし、ガイドを読んだり聞いたりするのが有効ですよ。
これはとても便利で、その時代の背景や作者の思いなどがよく理解できる状態で作品を鑑賞することができます。
もし「オーディオガイド」を用いないとしても、作品の前に「ヘッドホンマーク」が貼ってあれば、注目の作品であることがわかります。
これは、鑑賞していく上で、利用するととても便利です。
身軽になって美術館は2週するイメージで
中には、とても広い館内の場合もあるはずです。
荷物がいっぱい、足に合わない靴で歩き回って疲れた、ということのないようにしましょう。
入り口付近には、利用後にお金が返却されるコインロッカーを設けている美術館も多くありますので、初心者はなるべく身軽になって鑑賞することをおススメします。
また、最初からひとつづつゆっくり眺めていくと、最後には疲れてしまい、一番観たかった作品のところで集中力が無くなり疲れ果てることも。
最初は全体を1周して眺め、好きな作品や注目作品を覚えておきましょう。
2周目に気になった作品をじっくり鑑賞する、疲れたら休みつつ鑑賞していくことで、悔いない鑑賞ができますよ。
休憩のできるソファーや椅子は、殆どの美術館で用意されていますから、気に入った作品の近くで休憩できると、一石二鳥ですね。
おわりに
本記事では、初心者でも美術館を楽しめるコツを紹介いたしました。
美術鑑賞は関心を持つこと、一点でも多くの作品に興味を持って観ること、が最も重要です。
自分独自の解釈で作品に向き合い続けていけば、初心者であっても、どんどん美術作品に対する目が肥えてきて楽しみ方も増えていくでしょう。