この記事では大自然と融合した安田侃彫刻美術館の見どころをまとめました。
安田侃という彫刻家を知らなくとも、知らないうちにその作品を目にしている人は多いかもしれません。
たとえば東京国際フォーラムや東京ミッドタウンなどに作品が設置されています。
世界的な彫刻家として知られている安田侃の原点は、炭鉱のまち美唄市にありました。
すでに活気は失われてしまいましたが、今でも往時の面影が残されています。
故郷を離れた人々の「こころのふるさと」になるような場所を作りたい。
安田侃彫刻美術館にはそんな願いが込められているのです。
安田侃彫刻美術館の歴史と成り立ち
安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄は、その名の通り安田侃の彫刻作品を展示するために設立されました。
ここでは美術館の歩みを解説します。
安田侃と美唄市
まず今回の主役である安田侃と美唄市について説明しましょう。
1945年に北海道美唄市に生まれた彼は、鉄道員の息子として育ちました。
当時は鉱山のまちとして栄えており、たいそう活気がありました。
人口も今とは比べ物にならないほど多かったのです。
しかし国がエネルギー政策を転換し、石油の需要が高まるとともに時代の流れは変わります。
美唄市の経済は鉱山ありきだったため、石炭で生計を立てていた住民の生活に大打撃を与えたのでした。
1973年には市内にあった全ての炭鉱が閉ざされ、過疎化が著しく進行していきます。
美唄市から上京した安田侃は東京藝術大学で彫刻を学びました。
大学院を修了後、その実力を認められ国費でイタリアへ留学しています。
やがて国内外で名前が知られるようになり、彫刻家として不動の地位を確立するまでに。
現在はトスカーナを拠点に活動しています。
美術館が設立されるまで
安田侃は1980年に美唄市からモニュメントの制作依頼を受けました。
故郷を離れたとはいえ、心の片隅では愛着があったのでしょう。
美唄市のために『炭山の碑』を手がけました。
安田侃は、この頃日本国内でアトリエを探していました。
市のプロジェクト担当者から「廃校を使ってはどうか」と提案された彼は、旧栄小学校の体育館をアートスペースにします。
1992年には野外スペースが整備され「アルテピアッツァ美唄」として始動しました。
正式に美術館として登録されたのは2016年のことです。
時を同じくして「安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄」と名称を改めました。
過疎化が顕著な美唄市に少しでも賑わいを取り戻したい。
やむを得ずまちを出た人々の「心の拠り所」となる場所を作りたい。
安田侃彫刻美術館にはそんな願いが込められているのです。
安田侃彫刻美術館の特徴
安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄は、自然豊かな場所にあります。
広大な敷地内に作品が点在していて、美術館というより公園と表現したほうが適切かもしれません。
冬は辺り一面が雪原へと変貌し、これぞ北海道という光景が見られますよ。
ギャラリー
旧栄小学校の木造校舎を再利用しました。教室や廊下に彫刻作品が展示されている空間。
使われているのは2階部分で、ミュージアムショップが併設されています。
アートスペース
小学校の体育館だった場所です。建築自体がユニークなため、機会があればご覧ください。
コンサートや講演会といったイベントの会場にもなります。
トリフォリオの広場
「トリフォリオ」はイタリア語で「クローバー」を意味する言葉。
大理石の彫刻『天』が展示されており、夏になると盆踊りが開催されます。
天翔の丘
ここには白大理石の彫刻『天翔』があり、休憩スペースにぴったり。
広場と青空を見渡せる小高い場所ですね。
水の広場
『天聖』と『天』という石の舞台や池からなる水の空間。
夏は水遊びができます。水鉄砲のようなおもちゃは持ち込めません。
音の広場
自然にあふれる音を主役にしました。カフェアルテの近くにあります。
野鳥の鳴き声や風の音に耳を澄ませてみるのもいいでしょう。
カフェアルテ
歩き疲れたらカフェで一休みしてはいかがでしょうか。
事前注文やテイクアウトが可能。
ストゥディオアルテ
彫刻を体験できるワークスペース。
毎月第1土曜日と日曜日に「こころを彫る授業」を実施しています。
一般駐車場
カフェの駐車場とは別ですのでご注意ください。
カフェ駐車場
カフェのみの利用も可能です。
ミュージアムショップ・カフェ
彫刻作品を鑑賞したら、お土産を買って一息つきましょう。
ショップはギャラリーの2階にあります。
ショップ「BIBAI NOTE」
おすすめグッズ
〜カレンダー〜 | |
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カレンダー(B5判壁掛け) | 美術館の四季をご自宅でも鑑賞できます。プレゼントにもどうぞ。 |
カレンダー(卓上カレンダー) | 美唄の景色をカレンダーにしました。使い終わったらポストカードとしても活躍。 |
アクリルスタンド付き卓上カレンダー | アクリルスタンドと卓上カレンダーがセットになっています。中身を入れ替えると毎年使えて便利。 |
その他にもポストカードセットやトートバッグなどがあります。
通信販売も受け付けています。送料は全国一律で200円。
ただし「アクリルスタンド卓上カレンダー」のみ、ゆうパックで発送するため送料が異なります。
詳細は美術館のホームページをご覧ください。
カフェ「アルテ」
「ティータイムを楽しめる場所が欲しい」という来館者の意見から、2007年にオープンしました。
夏季限定のテラス席もあります(雨天時は使用不可)。
ここにも彫刻作品が置かれているので、立ち寄った際はぜひご覧ください。
おすすめメニュー
〜ドリンク〜 |
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コーヒー |
紅茶 |
カフェラテ |
アイスティー など |
~軽食~ |
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パニーノ |
フォカッチャ |
※500円追加で季節ごとのスープが付きます
~パン、ケーキ~ |
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ポコポコパン(プレーンorシナモン) |
本日の手作りケーキ |
季節の限定メニュー
<夏季> |
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ポコポコパン(プレーンorシナモン) |
本日の手作りケーキ |
ソフトクリーム |
水出しアイスコーヒー など |
<冬季> |
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かぼちゃスープポコポコぱん付き |
かぼちゃスープセット |
ホットミルク |
安田侃彫刻美術館まとめ
美唄市にあった炭鉱は全て閉山となり、今となっては炭鉱が存在した痕跡しか残っていません。
しかし美唄出身の人にとって「心の拠り所」であることに変わりはないのです。
安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄は、炭鉱の記憶を保存するタイムカプセルのような空間なのでしょう。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄 |
住所 | 北海道美唄市落合町栄町 |
電話番号 | 0126-63-3137 |
ホームページ | https://www.artepiazza.jp/ |