ジークレー印刷は、多くの画家やイラストレーター、写真家の作品に採用されており、信頼度や価値が非常に高い印刷方法です。
現在、世界で活躍しているアーティストの方々もギャラリーや個展の展示作品にジークレー印刷を採用しているケースを多くみかけるようになりました。
ジークレー印刷は、近年デジタルアート(絵)の1つとしてますます注目されており、海外では美術品級の存在として認識されています。
この記事では、ジークレー印刷の特徴とおすすめの利用方法について詳しく紹介いたします。
- ジークレー印刷とは?
- ジークレー印刷の特徴
- ジークレー印刷のおすすめ利用方法
ジークレー印刷とは?
ジークレー印刷とは、ジークレー版画、ジークレープリントとも呼ばれ、原画を高精細のスキャナーでデジタル化し、熟練者による画像処理を行った後、専用のインクと用紙で印刷する手法のことをいいます。
大きく分けるとジークレー印刷は、インクジェットプリントの技術になります。
ただし、ジークレー印刷には高品質な出力設備と用紙、画像処理技術が必要とされるので、一般家庭用のインクジェットプリンターとは品質が全く異なります。
ジークレー印刷の6つの魅力とは?
1、色の美しさ、原画再現力の高さ
ジークレー印刷の魅力は、なんといっても色の美しさと、原画の再現性の高さです。
専用の非常に細かいインク顔料で、原画の持つ微妙な色合いや繊細なニュアンスを再現します。
作家によるチェックのもと、印刷現場の特殊な技術と共同で作り上げるジークレー印刷のクオリティは非常に高いことが魅力です。
また、キャンバスや版画用紙、写真用紙、和紙などにも印刷することが可能です。
2、デジタルデータに強い
現在は「CLIP STUDIO PAINT」「Adobe Creative Cloud」などのデジタルツールで素晴らしい絵を描く作家もたくさんいますよね。
ざっくり言ってしまうと、ジークレー印刷は原画をデジタルに変換してから印刷作業を行うので、もともとデジタルデータで制作されたものの印刷は非常に得意とします。
ジークレー印刷の命ともいえる色調補正を行う際には熟練者の技術によって細心の注意を払い、時間をかけて行われます。
3、作品保管スペースが要らず、在庫を抱えない
ジークレー印刷はその特性から、在庫を持たず必要な時に1枚から印刷することが可能です。
気に入った作品をデジタルデータとして色調整まで行っておくと、作品が急に20枚必要となった場合でもすぐに対応することができます。
作品の保管場所を必要としないので、作家は販売前に在庫をもつ必要がないのです。
4、劣化しにくい素材である
ジークレー印刷は非常に耐久性が高く、劣化しにくいことが長所です。
なんと保存可能な期間は100年ともいわれています。
また、日差しや温度等を考慮した保存管理に必要な設備等もそれほど神経質になる必要はありません。
一般家庭でアート(絵)を楽しみたいという方にはかなり助かるポイントです。
5、価格設定にもメリットあり
ジークレー印刷を用いて制作される複製画は、一般的には原画よりも低い価格で販売されていることが多いです。
原画よりも手に取りやすい価格なので「絵を飾る」ということに慣れていない方にもおすすめです。
アート(絵)で体験できる感動を手に届きやすい価格で手に入れられることから、アート(絵)好きな方、インテリアにこだわりたい方、流行に敏感な方などから需要があります。
6、ナンバー、サインを入れて価値ある1点物に
ジークレー印刷は原画を限りなく忠実に再現できるという特徴から、憧れの絵を個人的に楽しむ目的にも使われます。
しかし、今まさに制作活動を行っている作家がジークレー印刷を用いる場合、少し意味が変わってきます。
なぜなら、作家本人がエディトリアルナンバーや直筆サインを入れた作品というのは「紛れもなく自分自身の作品である」という意味合いが生じるからです。
一般的に売られているポスターとは異なり、正真正銘本物の作品としての価値が出てくるといえます。
「機械での印刷物」というと高価値ではない印象を持たれるかもしれませんが、これらを付与することによって作品に特別な価値が生まれるのです。
ジークレー印刷の3つのおすすめ利用方法
1、大きな展示場での販売
ジークレー印刷は、大きな展示場等の催し内で作品を出展、販売する手段としておすすめです。
原画は自宅やアトリエに保存しておき、印刷した作品を展示することが可能となります。
会場で展示する分を1枚のみ印刷し、後は受注ごとに印刷を行うといった方法をとることができます。
この場合、制作費用や作品保管場所など作家さんの負担をグッと減らすことができます。
完成度が非常に高いジークレー印刷を用いることによってできるノウハウです。
2、ネットショップでの販売
個人のホームページで運営する独自ショップや、複数のネットショップが合わさった「モール」と呼ばれるサイト(有名なものはAmazon、楽天)などでの販売作品としてもジークレー印刷は最適です。
ジークレー印刷は、価格や保管場所の負担を減らせるほか、作品の販売数や普及率を上げることができるので総合的にコストをとても抑えることができます。
これからのアート(絵)は作品販売数なども人気をはかるバロメーターとなる時代になるかもしれません。
3、個展・グループ展での販売
大きな展示場と同様に、ギャラリー・レンタルスペースなど、小さな個展やグループ展を開催する際の販売作品としてもぴったりな手段がジークレー印刷です。
原画は、作家の筆跡や絵具の微妙な質感が何よりの魅力となりますが、反面とても繊細で保存に適切な気温・湿度・照明などの条件があり、展示することによって致命的なダメージを負ってしまいます。
そこで美術館などでは原画を忠実に模作した「複製画」というものを展示することがあります。
複製の精密さという点では、他の版画よりも原画に忠実に制作することができるジークレー印刷は、複製画としてさまざまな美術館で使用されています。
世界的に有名なメトロポリタン美術館やルーブル美術館でもジークレー印刷を使った作品が展示されています。
ジークレー印刷を始めてみよう
ジークレー印刷は、原画の再現性が非常に高く、とても価格を抑えて作ることができるため、画家、イラストレーター写真家をはじめとしたさまざまなクリエイターから採用されています。
また「必要な時に、1枚から印刷が可能」なので、作家やギャラリー側にとってはさまざまなリスクを軽減できる存在といえるでしょう。
ジークレー印刷は、もっとアートを身近に感じられる可能性を秘めており、今後ますます注目されていく存在となりそうです。
ジークレー印刷のサービスを行なっているところは多くありますので、ご興味ありましたらぜひ一度お試しください。