いつの世の中でも、さりげなく洒落たことができる人や一つのことに情熱を持っている人は「モテる」のではないでしょうか。
歴史上の芸術家の中に今生きていたら「モテる」であろう人たちがいました。
この記事では、実際にあった実話エピソードをもとに今生きていたら「モテる」であろう芸術家3人を紹介します!
やることがかっこいい!エドゥアール・マネ
マネは仲間を作ることが得意な人といえるでしょう。
人間的な魅力もあったのでしょうが、やることがかっこいいのです。
マネの作品には2種類のアスパラガスを描いた作品があります。
ひとつは30本程度が束になって描かれた「一束のアスパラガス」、もう一つは大理石の台の上に1本だけ横たわっている「アスパラガス」です。
実はこの2つの作品にはかっこいいエピソードがあります。
「一束のアスパラガス」は、銀行家のシャルルが購入しました。
シャルルは「一束のアスパラガス」をマネの希望価格よりも高く購入したのです。
普通の人ならば「高く売れてラッキー」と思うだけですが、マネはその後に粋な計らいをします。
マネは1本のアスパラガスを描き、シャルルに「あなたのアスパラガスの束から1本抜け落ちていました」という言葉と共に作品「アスパラガス」を贈ります。
「アスパラガス」は16.9cm×21.9cmの小さな作品です。
シャルルも大作をもらったら恐縮してしまいますが、連作を思わせる小さな作品ならば気を使わずに快く受け取ることができたでしょう。
やることがかっこよくて気配りができる男性は昔も今も「モテる」に違いありません。
とにかく女性を愛したもてる人!グスタフ・クリムト
クリムトは女性をたくさん描いています。クリムトは、女性をたくさん描いているだけでなく「女好きな画家」で有名かもしれません。
「女好きな画家」というといやらしい印象がありますが、クリムトは女性への思いやりも持っていました。
クリムトは、画家としての活躍だけでなく服のデザインもしています。
女性らしい曲線を活かしたデザインとは真逆のゆったりとしたシルエットです。
コルセットで体をしめあげていた時代にもかかわらず、胸元の露出もなく体をすっぽりと覆う服です。
クリムトは見る側に立ったデザインではなく、着る側にたって着やすく楽なデザインをしました。
クリムトの女性を思いやる優しさが詰まっています。
また、クリムトはたくさんの女性とともに生活していましたが、一度も結婚はしていません。
結婚してしまえば一人の女性を愛さなければならなくなり、たくさんの女性を愛することは裏切りになってしまいます。
あえて結婚しないことで「女好き」な自分と女性への愛の共存を目指していたのではないでしょうか。
いつの時代も「モテる」天才肌の人!葛飾北斎
葛飾北斎といえば緻密な線で描かれた作品を思い浮かべます。
しかし実は、私生活は作風からは想像もできない状態でした。
部屋は今でいう「汚部屋」「ゴミ屋敷」で、住めない状態になれば片づけるのではなく引越しをしていたのです。
料理は一切せずに、お腹が空けば食べるものを買ってきて食べ、食べ終わったゴミは部屋に放置を繰り返していたため、引越しをしてもすぐに部屋は汚れました。
生涯で引越しした回数は100回程度ともいわれています。
お金についても無頓着といえば聞こえはいいですが、だらしないともいえます。
ゴッホは生きているうちに絵はほとんど売れませんでしたが、葛飾北斎は生存中から絵はよく売れました。
売上金もきちんと入っていたのに、入金の金額チェックもしません。
そして支払いのときも同じように支払う金額をチェックせずにボンと渡してしまうのです。
今も昔も夢中になって夢を追いかける人や片付けや料理が苦手で母性本能をくすぐる人は一部の人にはとてもモテます。
金遣いが荒い人やお金にこだわらない人も一部の人には魅力的にみえるようです。
葛飾北斎は度を越えている部分もありましたが、才能と志の高さはそれらを上回る魅力ではないでしょうか。
番外編:棟方志功
棟方志功は17歳の時にゴッホの「ひまわり」をみて「わだばゴッホになる」といいました。
作品から感じる熱い情熱や力強さはゴッホと通ずるものを感じます。
ゴッホも情熱的で魅力ある男性でしたが、「モテるか」と聞かれれば近寄りづらい男性だったかもしれません。
家族との関係は薄く、現在残っている作品からも「ゴッホの笑顔」は見たことがありません。
一方の棟方志功は家族を愛し続けました。
棟方自身も結婚し4人の子どもにも恵まれました。なにより笑顔の写真がとても多いのです。
近視がひどく分厚いレンズのメガネをかけていましたが、そのメガネも個性的で棟方志功の魅力のひとつになっています。
家族思いで4人の子どもを作品制作する傍らでしっかり育てる男性は、今でもイクメンとして「モテる」でしょう。