北欧の画家が描いた絵画を自宅に飾りたい!と思っている人もいるのではないでしょうか。
日本では近年、北欧の豊かな生活を参考にしたいと考える人も多く、考え方はもちろん、雑貨や絵画などでも北欧が注目されています。
自然などのナチュラルテイストの絵が多いこと、ビビットな色合いで元気をもらえるようなデザインのものも多く見かけます。
ただ、意外と知らないのが、北欧の画家にはどんな人がいるのか?ではないでしょうか。
北欧らしいおしゃれな絵を描く画家を紹介したいと思います。
光の美しさに定評がある北欧の画家|ヴェルヘルム・ハンマースホイ
北欧のフェルメールと呼ばれた優れた画家にヴェルヘルム・ハンマースホイがいます。
デンマーク出身の彼は、白黒灰色の3色を基調とした、暗めの色彩を使った作品を数多く残しています。
派手な印象ではないものの、どこか謎めいていていつまでも眺めていたくなるような奥深い作品です。
時間が止まってしまったかのような繊細な技術を使って描いています。
ハンマースホイの絵は、主に室内を描いたものになります。
実際に自身が住んでいたコペンハーゲンやストランゲーゼなどのアパートの室内を描き、作品にしています。
人物を描いても顔を正面から描くこともなく、無人の作品も数多く残っています。
モノトーン芸術を作った人物でもあり、静寂を感じさせるタッチが特徴です。
一見、絵画のなかでは地味に見えてしまいがちですが、観る人によって絵に対して描く印象が違うのも面白いところです。
絵を見て「こんな背景が隠れているのでは!?」とそのストーリー性を想像してみる、解釈してみるなどの楽しみ方もできます。
日本では本場のフェルメールほど知名度も高い画家ではありませんが、デンマークではその名前を知らない人はいないほど、有名な人物としても知られています。
有名な作品には「若い女性の肖像」「室内」「ふたりの人物像」などがあります。
2020年には日本でハンマースホイの美術展なども開催されています。
細部にまで描かれた繊密な美しさを実感できる作品があります。
誰もが知っている有名な画家|エドヴァルド・ムンク
「ムンクの叫び」といえば、誰もが知っている有名な作品だと思います。
ムンクの作品の特徴は、全体的に暗くメッセージ性の高さにあります。
ムンクの叫びを見てもわかるように、少し描写が怖く描かれていること、見ていて不安にさせるようなリアル感もあります。
ムンクの絵のテイストがこのような形になったのは、5歳のときに母親を亡くしたことが影響しています。
14歳のときには姉を亡くすなどの不幸に見舞われています。
ムンク自身が子供の頃から病気がちだったなど、さまざまなく苦労を経験してきました。
そのため、絵の英ストが少し暗めなものが多いとされています。
生きること・死ぬことをテーマにしたものも多く、見ていて考えさせられますね。
ムンクは40歳を過ぎてから明るいテイストの絵も増えてきています。
現在の北欧とはちょっと違うテイストの絵が多いのですが、とてもエネルギッシュで熱い感情を秘めた画家であることは言うまでもありません。
そんな絵の奥深さを感じつつ、部屋に飾りたいと思っている人にもおすすめです。
ムンクの晩年の絵と比較してみると面白いかもしれません。
先鋭的な画風の画家として活躍|ヘレン・シャルフベック
画家というと男性がメインになり、有名な人になると女性の名前は少ないと言われています。
そんな歴代の北欧の画家のなかでもフィンランド出身のヘレン・シャルフベックの絵もおすすめです。
1888年に発表した「快復期」という題名の作品で一躍有名な人物となりました。
ヘレンは、3歳のときに事故によって腰骨を折ってしまいます。
そのため思うように学校に通えない、寂しい時代を過ごしていたと言われています。
婚約者からの一方的な破棄で傷ついた心を癒す気持ちを、描いたものです。
美しく丁寧に描く作品が特徴でもあり、実際に目の前にいるかのようなリアルな画風ばかりです。
女性として画家として強く生きたヘレンの人柄が使わってくるような作品ばかりです。
快復期に描かれている少年の瞳が、とても美しいのが印象的ですので、ぜひ一度見てみてください。
先鋭的な画風を学んだ経験があったからこそ、描けたものだと思います。
民話や神話を描いた北欧の画家|テオドール・キッテルセン
ノルウェー出身のテオドール・キッテルセンの絵は、全体的にふんわりとした優しいタッチで描かれたものと、モノクロで見た目が不気味なテイストで描かれたものなど、そのものによっても見え方が変わってくるのも面白いところです。
ノルウェーで最も人気のあった画家でもあり、自然を描いたものも多く見かけます。
彼の有名な作品のなかには、トロールを描いたものもあり、代表的な作品としても伝えられています。
画家としての絵だけに限らず、挿絵などの画家としても活躍しましたし、イラストレーターとして自分で文章を描くこともありました。
雄大な大自然を描いたものは、当時では考えられないほどに作品です。
ぼんやりとした優しいタッチの作品は、本当に美しくまさに芸術的なテイストです。
テオドール・キッテルセンは北欧を代表する画家としてもおすすめです。
なかでも1889年のパリ万博に出した作品が、過去のものとは思えない味わいのある作品です。
日本の浮世絵にも影響を受けた画家|カール・ラーション
印象派の終わりの時期に、フランスのパリにも滞在していた経験のあるスウェーデンの画家といえば、カール・ラーションです。
日本の浮世絵にも影響を受けるなど、日本を故郷とする愛日家としても知られています。
実際にカールの家には日本の屏風などもたくさん残されていたというのですから、本当に日本に強く興味を持っていたのは確かです。
カールの描いた絵を見ると、所々に日本のテイストが残っているので、探してみるのも面白いかもしれませんね。
なかでもスウェーデンの国立美術館に寄贈するために描かれた作品に「冬至の生贄」があります。
美術館側とカールの間で主題の変更による議論が行われていたため、展示されることがないまま亡くなる結果になってしまいました。
その後遺族が売却した際に購入したのが日本人になり、大展覧会のときに貸し出ししました。
美術館ではとても人気のある作品だったこともあり、1997年よりスウェーデン美術館に展示されるようになりました。
生きているときは展示されなかった絵が、亡くなってからスウェーデン美術館に展示されるようになったのは、縁があったといえるのではないでしょうか。
カールの作品一つ一つに味があり、見ごたえもありますよ。
まとめ
北欧の画家は、日本ではそこまで馴染みのない人が多いかもしれません。
絵画について詳しい人ならまだしも、名前を知らない人もいるかもしれません。
北欧出身の画家は自然を題材にしたものから、人物画を描き続けた人などそれぞれに特徴があるのも面白いところです。
北欧の有名な画家の作品は、他の人と被らないからこそおすすめします。
とても味わい深いものが多く、優秀な作品が多いのです。
北欧の美術館に原画が保存されているものも多いので、実際に旅行に行きながら原画を見るのも面白いかもしれませんね。
北欧の画家の作品はまだまだたくさんありますが、特におすすめしたい画家を中心にご紹介しました。
お気に入りの作品を探してみてくださいね。