多肉植物というと、お年を召した方が育てているイメージがあるかもしれません。
それも正解でシニア層に人気の多肉植物ですが、近年もっと若い人たちの間でブームになり、それが長く続いています。
NHK、BSプレミアムのドラマ『植物男子ベランダー』(2014年〜)も多肉植物を含めたベランダガーデニング人気の火付け役になったようです。
昔から好きな人と、ここ数年で好きになった人が合わさり、老若男女問わず愛されている多肉植物。
愛好家はタニラーと呼ばれ、動画サイトやインスタグラムでもたくさんタニラーさん達の投稿が見られます。
今回は、多肉植物のことを知らない方向けに、その不思議な魅力の一端を紹介をしていきます。
そもそも、多肉植物ってなんだろう?
多肉植物って、不思議な雰囲気があるけど、一体なんなの?
まずは、そんな疑問にお答えします!
多肉植物は、世界各地の乾燥する地域に自生している植物です。
砂漠を描いたイラストにはサボテンがつきものですが、多肉植物もサボテンと同じように砂漠など乾燥する地域に自生しています。
温暖湿潤気候の日本にはなかった多肉植物は、日本人の目には不思議なものに映り、園芸品種として人気になりました。
暑い地域に多いサボテンとは異なり、多肉植物が自生する地域は、高山や寒冷地にも及びます。
同じ多肉植物でも原産地によって、適正温度などの性質は変わってきます。
それでも、乾燥を好むという点はすべての多肉植物に共通しています。
なぜ、乾燥に耐えられるの?
植物の生長には水が必要不可欠だと言われるのに、多肉植物はなぜ乾燥に耐えられるのでしょうか?
その理由は、一言でいえば「自分自身に水を貯蔵することができるから」です。
乾燥した砂漠や岩場など、厳しい環境で暮らす多肉植物。
その自生地の多くで、雨期と乾期があります。
多肉植物は雨期にできるだけ水分を吸収し、乾期には体内の水分を利用して乾燥をしのぐ性質を身につけているのです。
多肉植物の多くには「角皮」と呼ばれる丈夫な膜があり、水分の蒸発を防いでいます。
コンパクトなものが多い多肉植物ですが、この小ささも、乾燥に耐えるために役立ちます。
身体の表面積を小さくして、水分の蒸発を防いでいるのです。
他には、葉にワックス状の膜をつけて強い陽射しをさえぎったり、葉の細かい毛で霧の水滴を効率よく集めたり、品種によって環境に合わせたさまざまな特徴を持っています。
乾燥した地域で生き抜くために進化したことにより、多肉植物は乾燥に強くなったのです。
多肉植物の人気の秘密は?
多肉植物はなぜ人気になったのでしょうか?
他の植物にはない厚みのある葉から生まれる不思議な可愛らしさも大きな魅力ですが、それだけではありません。
水やりを忘れても大丈夫!
前述の通り、乾燥に強い多肉植物は、水やりを忘れてもほとんど問題になりません。
種類や環境にもよりますが、一ヶ月ぐらいはまったく水やりをしなくても平気だといわれます。
まったく水やりをしない期間が長期間に及ぶと、いくら多肉植物でも枯れてしまいますが、水やりのしすぎによる根腐れの方が問題です。
乾燥により葉にシワが出てきてから水やりをしても、多肉植物は復活してくれます。
慣れないうちは、葉のシワを確認してから水やりをしても間に合うので、とにかく水やりのしすぎに注意しましょう。
虫がつきにくい!
多くの愛好家(タニラーさん)がいる多肉植物は、虫がついてしまったときの対策なども調べるとたくさん出てきます。
先にそういった情報を目にすると心配になりますが、育てていても「一度も虫がついたことがない」という人もいます。
多肉植物は、元来は虫がつきにくい性質があるのです。
多肉植物だけが大好物、という害虫は実は少なく、時折見られるカイガラムシ、アブラムシ、ハダニなどは、他の草花にもつきます。
多くの場合は、近くの草花・観葉植物や、鉢植えの土の臭いに誘われて来てしまうようです。
根腐れしにくい夏場などは、乾燥を好む多肉植物ですが、上から水をかけて虫を落としたり、虫の好む腐葉土は使わず、赤玉土など臭いのしない土を使用することで、虫の発生はある程度防げます。
最初に触れた通り、万が一虫が出てしまったときには、タニラーさんの発信する情報はとても頼りになります。
多肉植物は種類が豊富!
数えきれないほど種類がある多肉植物。
多肉植物といえば、こんな形という決まりもないほど多種多様です。
花のような愛らしい形も、とがった棒のような形もあり、品種のよって印象もまったく変わってきます。
すべては紹介できませんが、次の項目で系統のちがうタイプをいくつか載せておきます。
エケベリア
エケベリアは、バラの花のような形で、多肉植物の中でも不動の人気ジャンルです。
単に「エケベリア」の名前で売られていることもありますが、エケベリアの中にさらに細分化した多くの品種があります。
モニラリア
うさぎの耳のような形が特徴の栽培キット。
テレビ朝日『裸の少年』でも紹介されたかわいい多肉です。
グリーンネックレス
他に類を見ない鎖のような多肉植物は、その名も「グリーンネックレス」。
グリーンネックレスだけを育てているマニアもいます。
多肉植物のおすすめアレンジ!
どれを選べばいいのか迷ったら、まずは飾り方から考えてみては?
多肉植物は乾燥ぎみに育てるため、他の草花とちがって底に穴がない容器でも大丈夫です!
穴のない容器に入れるときには、鉢底石の分量を多めにし、根腐れを防ぐのがコツ。
さらに、水やりの後は、容器を傾けて余分な水を捨てれば安心です。
やってみたいアイデアをを探してみてくださいね。
ガラス
ガラス容器の利点は、土の渇き具合が目で見てわかることです。
食器として売られているガラスのコップやタンブラーがそのまま使えます。
ブリキ
100円ショップや雑貨屋さんで手に入る小さなブリキの容器も、多肉植物に使えます。
多肉植物は穴がない容器でも育てられますが、通気性は良いに越したことはないので、穴を自分で数カ所開けてから容器として使うタニラーさんもいます。
画像のブリキプランターはもともと穴が空いているので、自分で穴を開けられない方にもおすすめです。
コーヒーカップ
コーヒーカップは、乾燥に強い多肉植物だからこそ選べる容器です。
根が十分におさまる高さがあれば、どんなカップも鉢として利用できます。
カップの色や形がちがえば、印象がまったく変わります。
好みのものを吟味して選ぶのも楽しいですし、少しかけてしまった思い出のカップを生かすこともできます。
ハンギング
飾るスペースがなければ、ハンギングがおすすめ。
観葉植物をハンギングでは、鉢底から水や土がもれることに気をつかわなければいけませんが、容器に穴がなくてもいい多肉植物の場合、その心配はいりません。
ただし、他のアレンジと同様に、水をやりすぎないように十分気をつけましょう。
容器はネットで大量購入もできる!
統一感を持たせるには同じ容器で揃えるのが一番。
100円ショップは、タニラーの大の味方です。
容器を大量購入するならダイソーネットも便利です。
おわりに
多肉植物は、ガーデニングのジャンルの中では、比較的若い世代の愛好家(タニラーさん)が多いせいか、ブログやインスタ、YouTubeなどで、役立つ情報がたくさん発信されています。
もともと育てやすい多肉植物ですが、育てていて困ったことや、植え方、増やし方は、タニラーさん発信の情報が見ていて楽しく、ためになります。