※ヴァンジ彫刻庭園美術館は、現在大規模な修繕のため休館中となっています。再開時期は未定となっていますが、緑豊かな美しい庭園美術館の再開を心からお待ちしております。
ヴァンジ彫刻庭園美術館のある「クレマチスの丘」は、緑豊かな広々とした自然公園。
その名の通り、美しいクレマチスの花々を伊豆の美しい景観と共に楽しめる場所です。
散歩するだけでも十分に気持ちの良い場所なのですが、なんとここにはレストランや文学館、庭園などさまざまな施設が点在しています。
その中の1つが「ヴァンジ彫刻庭園美術館」。
今回は、ゆったりとした休暇を楽しむ際にもおすすめの「ヴァンジ彫刻庭園美術館」をご紹介いたします。
自然豊かな「クレマチスの丘」にある美術館
クレマチスの丘の中には自然公園や文化施設、レストラン等があり、大きく2つのエリアに分かれています。
1つは「ビュフェ・エリア」。
こちらには、世界的な画家であるベルナール・ビュフェのコレクションを揃える「ベルナール・ビュフェ美術館」や「井上靖文学館」、「ビュフェこども美術館」等があります。
そして、もう1つの「クレマチスガーデン・エリア」には、「IZU PHOTO MUSEUM」や、2002年に開館した「ヴァンジ彫刻庭園美術館」が設置されています。
また、美術館の庭園内には「クレマチスガーデン」という庭園があり、季節ごとにたくさんの種類のクレマチスと出会えます。
豊かな自然や美しい庭園と共にアートを楽しめる美術館なんて素敵ですね!
ヴァンジ彫刻庭園美術館と彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジ
ヴァンジ彫刻庭園美術館は、ジュリアーノ・ヴァンジ氏の世界初、唯一の個人美術館として2002年に創設されました。
ジュリアーノ・ヴァンジ氏は、現代イタリアを代表する具象彫刻家です。
具象彫刻とは、ざっくりといえば、人や動物など具体的な対象物を制作した彫刻のこと。
彼は、伝統的な技法である象嵌細工や色大理石などを用いて作品を生み出しています。
人間のもつ複雑な感情を、具体的な形によって表現した彫刻作品たちは、現代の私たちの心に迫るものがあります。
ヴァンジ氏は、ヨーロッパのみならずアメリカ・日本等でも作品発表の場を広げ、2002年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しました。
ヴァンジ彫刻庭園美術館では、1965年から2009年までのジュリアーノ・ヴァンジ氏の作品を、収集・公開しています。
ヴァンジ自身の理念に基づき、来館者が自ら考え、体験するような美術館を目指しているそうです。
美術館敷地内は、決まったルートがあるわけではなく、来館者の思うまま順路を進めたり、石庭や水辺など、ふと心動かされる仕掛けが至る所に。これは「来館者が自ら考え、体験する」という理念の表れのようにも思えますね。
伊豆を見渡せる雄大な庭園は、ヴァンジゆかりのフィレンツェ、ベルヴェデーレの丘を思い起こさせる場所です。
ヴァンジ彫刻庭園美術館の魅力をたっぷり味わう
ヴァンジ彫刻庭園美術館の建築は、たった1人の彫刻家の作品を展示するという目的に沿って設計されています。
美術館入口のモザイクやガラスフェンス等の建築部分と一体化した作品は、ヴァンジ自身のアイデアによって作られたそう。
地下の展示棟では、彫刻が劇的に浮かび上がるように、照明を絶妙な位置や強さで調整されていますし、野外に設置された彫刻達は、美しい空や周囲に広がる植物達の中で生き生きとしているように見えます。
室内に設置されている状態とはまた違った魅力を感じることができるでしょう。
作品に最も相応しい場所を、と考えられた美術館だけあってじっくりとヴァンジ作品の世界に浸ることができそうですね。
常設コレクションでは、ヴァンジ氏の彫刻、デッサン、版画が展示されています。
2007年に作家本人が来日した際には「カテリーナ3」「勝利者」、2009年の来日では「プリマヴェーラ」がコレクションに加わりました。
また、美術館の庭園内では、静岡県の富士山麓の丘陵という気候条件のもと、季節によってさまざまな品種のクレマチスが咲いています。
中には、日本唯一といわれる白色のクレマチスを集めたホワイトガーデンもあります。
洗練されたアートを楽しめる!
ヴァンジ彫刻庭園美術館の企画展では、毎回洗練されたアート作品を多数紹介しています。
主に立体作品を中心に展示がおこなわれているようですね。
紹介される作品は、どれもクレマチスの丘の雰囲気に映える素晴らしいものばかり。
また、ミッフィーちゃんでお馴染みのデザイナー、絵本作家「ディック・ブルーナ」の展覧会を行うなどアートの枠を超えた企画展も数多く催されています。
過去には「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」というユニークな展覧会が行われています。
この展覧会は、世の中に環境問題に関する深い問いを投げかけたレイチェル・カーソンの著書「沈黙の春」(1962年)をきっかけとして催されました。
現代のアーティストたちが、日々の生活のなかで見失いがちな大切な何かを絵画・彫刻・写真・映像などの作品を通して観覧者に伝えています。
有名な文学をテーマとし、アート作品が集結した珍しい試みですね。
美術館では、ギャラリートークやガイドツアーなども実施しており、普段は触れることが少ない彫刻作品の楽しみ方などについての話も聞くことができます。
子供向けのワークショップでは、実際に作品を観るだけでなく能動的にアートと関わることができるプログラムが用意されているそう。
美術館では、日々ジュリアーノ・ヴァンジ氏に関する情報収集にも力を入れておられるので「ヴァンジについてもっと知りたい!」という方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
素敵なレストランやショップも見逃せない
美術館にあるミュージアムショップ「NOHARA BOOKS」は、オリジナルのTシャツや図録などアートに関する品の他にも、花や食に関連した書籍も取り扱っています。
クレマチスの丘ならではのセレクトといえますね!
ガーデニング好きも、アート好きもわくわくできるような場所です。
綺麗な景色を楽しみながら、一休みしたいという方には「ティーハウス ガーデナーズハウス」がおすすめ。
その名の通り、ハーブティーやフレッシュジュース等を楽しみながら、四季折々のクレマチスや、広々とした美しい庭園を眺めることのできる癒し度抜群の場所となっています。
さらに、広い施設内にはレストランが3つあります。
その1つは開放的な店内で本格的なナポリピッツァが頂ける「CIAO CIAO」。地元の食材にこだわり、シンプルで豪快な料理と、南イタリアの明るくエネルギッシュな雰囲気が味わえます。2つ目は「日本料理 テッセン」。
モダンでおしゃれな店内には個室もあり、静岡県産の旬の食材などを「鮨会席」で堪能できる場所となっています。
最後は和スイーツが楽しめる「うつわ茶房 KEYAKI」。こちらでは、あんみつや和三盆のアイスなどの他、軽食を頂けます。
美術館以外の場所も充実しているので、ゆっくり1日かけて園内を巡るのも良いですね。
※現在、レストラン(テッセン、ピッツェリア&トラットリア チャオチャオ)及びショップ(ミュージアムショップNOHARA BOOKS、ブティック クレマチス、フラワーショップ)については閉店となっております。
おわりに
いかがでしたか?「ヴァンジ彫刻庭園美術館」は世界的な彫刻家の作品を、美しい自然の中で楽しめる場所です。
訪れた際には、庭園や他の施設ものんびり散策してみてはいかがでしょう。
ヴァンジという彫刻家やアートのことはよく分からない!という方でもきっと楽しめる場所です。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | ヴァンジ彫刻庭園美術館 |
住所 | 静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1 |
電話番号 | 055-989-8787(休館中のため、電話での案内は休止されています) |
ホームページ | https://www.clematis-no-oka.co.jp/vangi-museum/ |