この記事では、彫刻とはどのようなものなのか、自宅に彫刻作品を飾るメリットも含め解説していきます。
絵画も魅力的ですが、なかには「彫刻」に強く惹かれている人もいるのではないでしょうか。
立体的だからこそ描けるものがありますし、よりリアルに再現できます。
そもそも絵画と大きく異なるのは、彫刻に触れられることだと思います。
彫刻作品の世界は、とても奥深くたくさんの魅力に溢れています。
彫刻とは?
彫刻は、その名の通り彫り込んで立体的に物像を作ることをいいます。
彫る対象は木製のものもあれば、石、金属、土、樹脂、ガラスなどの多岐にわたります。
立体的に全体像を作ったあとに、図版などを使って細かい部分まで彫り込んでいきます。
あくまでも観賞用として使われることが多く、素材によっても完成したときの見た目や味わいが変わるのも、彫刻ならではの面白さと言えるのではないでしょうか。
彫刻のモチーフはさまざまですが、もともとは人間や動物などの身近なものを具体化する手段として用いられました。
時代とともに抽象彫刻も増え、表現も多様化しています。
彫刻を立体アートと呼ぶこともあります。
そもそも彫刻という概念が生まれたのは明治時代だと言われています。
ただ彫刻の歴史を紐解くともっと昔から存在していたこともわかっています。
人形の彫刻パターンで最も古いのはチゼルシェルだと言われています。
5,000年前の古代エジプト時代が彫刻のルーツになったと考えられています。
その後海を渡って古代ギリシアに変化していきます。当時、人間の彫刻が生まれ、それが文章に変化していったと考えられています。
金属製の彫刻について紀元前1000年の頃に、宝飾品に刻まれていた溝のようなもので確認できます。
木版画は1400年頃に開発されたものになり。印刷物を大量に複製する目的で使用されていました。
キリスト教の広がりの影響を受け、彫刻については日の目を見ることになります。
15世紀になると、彫刻の世界に名だたる天才が登場し、彫刻の世界を盛り上げていきます。
その後、18世紀に入り、彫刻の技術がピークを迎えるまでになります。
19世紀書版にロダンが登場し、彫刻が世界的にも有名なものになりました。
彫刻の考え方は時代とともに変化していますが、彫刻作品の元祖ともいえるのがロダンだと言われています。
彫刻にはどんな魅力があるの?
彫刻は絵画ほど主流な芸術ではありません。
家に飾る芸術品といえば、まず絵画を思い浮かべる人もいると思います。
壁にかんたんに飾れることもあり、気軽に触れられる芸術品でもあります。
その点、彫刻は設置する場所を考えなくてはいけませんし、置き場所がわかりにくいと感じている人もいるかもしれません。
彫刻作品には絵画にない魅力がたくさんあります。
触れて実感できること
絵画は飾って鑑賞を楽しむものですが、彫刻は触れて実感できる楽しみもあります。
彫刻に触れることで、その感触を楽しみながら彫刻ならではの重さを実感できます。
芸術を身体で感じている実感が持てるのも、彫刻ならではの楽しみ方だと思います。
どんな彫り方をしたのか、また立体的に作られている部分の一つ一つが味わい深く感じます。
彫刻は見て楽しむだけでなく、体感できる芸術といっても過言ではないのです。
長く置くことで出てくる味わいのようなものもありますね。
彫刻で使用している素材によっても味わいが違うのも、彫刻の楽しみ方だと思います。
インテリアとして楽しむこと
彫刻は立体だからこそ、絵画よりもインテリアとしての要素をより楽しめるものになります。
そのため、ちょっとした置物として彫刻を置くこともできます。
しっかりとしたメンテナンスをしていれば、長く楽しめることもあり、インテリアとして考える人も多いようです。
小さな手のひらサイズのものもあれば、大きな等身大の姿のものも。
彫刻は素材による違いもありますし、どんな印象にしたいのかによって選んでみるといいと思います。
例えば木製の彫刻だと温かみを感じられる作品ですし、石や鉄などを使うとスタイリッシュな彫刻になります。
部屋の印象のバランスを考えて飾る彫刻を考えてみてくださいね。
個性を演出できる
絵画を飾るのは比較的メジャーですが、彫刻を部屋に飾っている人は比較的少なめです。
そのため芸術作品を飾りたいものの、他の人とかぶるのは嫌だなと思っている人も多いはずです。
有名な作品になればなるほど量産されているので、物足りなくなってしまうこともあるのでは?
その点、彫刻は一つ一つ丁寧に作られていますし、量産できません。
一つとして同じものはないので、あなただけの特別な芸術品になります。
個性を追求したいと思っている人にとって、彫刻はとても身近なものと言えるのではないでしょうか。
個性的なデザインや人物像、動物など好みに合わせて選んでみてくださいね。
彫刻で有名な人とは?
彫刻の歴史は5,000年まえにもなることから、有名な人物はたくさんいます。
なかでも有名な人に絞って紹介していきたいと思います。
オーギュスト・ロダン
近代彫刻の父とも言われる有名な人物です。
誰もが知っている作品として例をあげるのであれば、「考える人」や「接吻」「地獄の門」なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
どれも精巧に作られたものばかりですし特に、地獄の門などは作品の大きさや迫力にびっくりした人も多いのではないでしょうか。
日本でも非常に人気のあるフランス出身の彫刻家です。
その完成度の高い出来栄えからも“生き型をとった”なんていわれるほどです。
ロダンの作品は美術教育学校時代には全く評価されないものでした。
そのため何度も挫折を経験しつつ、探究心を持ち続け諦めなかったことで彫刻界に名を残すまでになります。
セーヴル磁器工場での仕事も経験し、40歳になってから地獄の門の依頼を受けて認められる存在になりました。
とはいえ、生前に地獄の門は完成していません。
亡くなったあとになって以下に優れた彫刻家であるかを再度評価された人物でもあるのです。
ミケランジェロ・ブオナローティ
こちらも誰もが知っている有名な彫刻家です。
フィレンツェ共和国のカプレーゼで生まれたミケランジェロは、彫刻の分野だけに限らず、さまざまな功績を残したことで知られています。
1504年に発表した「ダビデ像」は最も有名な作品とも言えるのではないでしょうか。
ダビデ像は、旧約聖書に登場する人物になり、アカデミア美術館に保管されています。
他にも「バッカス像」なども有名になり、よく知られているのではないでしょうか。
ルネサンス期の三大巨匠なんて呼ばれることもあり、いかに偉大な人物だったのかがわかると思います。
建築家としての才能も残しており、サン・ピエトロ大聖堂の主任建築士としての仕事もしています。
引き伸ばされた人体表現などの特殊な技法にも力を入れていました。
まとめ
今回は、彫刻とはどのようなものなのか、有名な彫刻作品も踏まえて紹介しました。
知られざる彫刻の世界を知ると、絵画とは違った魅力が見えてくると思います。
有名な彫刻家も海外の世界的に知名度の高い人を紹介しましたが、日本でも彫刻家として有名な方はたくさんいます。
一見、表現が個性的なのでわかりにくいと感じることもあるかもしれませんが、彫刻作品の奥にある意味を知ると、より愛着を持って接することができるのではないでしょうか。
彫刻は細部にまで至るこだわりを実感してこそ、より魅力が見えてくるのではないでしょうか。