園芸初心者が陥りやすい失敗の1つが、観葉植物の根腐れです。
根腐れとは文字通り根が腐ってしまった状態で、放置しておくと植物が枯れてしまいます。
この記事では、以下のような疑問にお応えします。
- 植物が根腐れする原因を知りたい
- 植物が根腐れした場合の対処方法を知りたい
- 植物の根腐れを防ぐ方法を知りたい
「育てている観葉植物が根腐れする」という人は、ぜひ最後までご覧ください。これから観葉植物を育てる人にも役立つ内容です。
観葉植物の根腐れとは、根が機能しなくなった状態
観葉植物の根腐れとは、土に含まれる水分量が多すぎて根が腐ってしまった状態を指します。
つまり植物が土の中で溺れていると考えればわかりやすいでしょう。
根腐れを起こすと根が茶色っぽく変色し、極度に柔らかくなります。ひどい場合は根が溶けてなくなることもあり、やがて植物が根腐れする原因となるのです。
初期の段階で気が付けば対処できるため、日頃から植物の様子を観察して異変を察知するよう心がけましょう。
観葉植物が根腐れする原因
観葉植物が根腐れする原因は4つあります。
根がダメージを受けると回復するまでに時間がかかるため、根腐れを防止するために覚えておきましょう。
1. 水やりの仕方を間違えている
よくある観葉植物が根腐れする原因として挙げられるのが、間違った水やりをしていることです。とくに園芸初心者にありがちな失敗なので、水の量や水やりのタイミングには注意しましょう。
早く成長してほしいからと水を多く与えすぎたり、土が乾く前に水をやったりするのは逆効果です。
2. 肥料を与えすぎている
土に肥料を混ぜすぎると「肥料やけ」を起こし、観葉植物が根腐れする可能性があります。
肥料やけとは土に含まれる養分の濃度を薄めるために根から水分が放出され、土の湿度が高くなる現象です。これも初心者が陥りやすいミスなので、肥料を与える際は用法用量を守りましょう。
3. 土の植え替えをしていない
観葉植物の土は2~3年ごとに植え替える必要があります。植物が成長して土全体に根を張ると、次第に窮屈な状態になるからです。そのまま放置しておくと根詰まりを起こし、最悪の場合は植物が枯れてしまうかもしれません。
また土は生鮮品であり、植え替えをしないと養分の欠乏や雑菌の繁殖を引き起こします。そのため定期的に土を入れ替える必要があるのです。
4. 日当たりや風通しが悪い
観葉植物は基本的に明るくて涼しい場所を好みます。日当たりや風通しが悪いところでは、土の水分が乾きにくく湿った状態になりがちです。そのような環境では土に雑菌が繁殖するため、根腐れを起こしやすくなるでしょう。
植物の置き場所に迷ったら、人が快適に感じる空間を選んでください。人にとって心地よいなら、植物も同じように感じるはずです。
観葉植物の根腐れサインとは?
観葉植物の根腐れは、徐々に進行するため、初期段階で気が付けば対処可能です。
ここでは5つのサインについて解説しますので、当てはまる項目があれば植物を調べてみてください。
1. 葉がしおれたり変色したりしている
植物を観察していて「葉っぱに元気がない」と感じたら要注意です。葉がしおれて垂れている、もしくは黄色くなっているときは根腐れを疑いましょう。
根腐れが起きている場合、植物は枯れていなくても部分的にこれらの症状が現れます。
2. 土の水はけが悪い
水やりをした後に土が乾きにくい場合、根腐れが発生していると考えられます。通常は土に水が染み込んで吸収されるのですが、根が水を吸えなくなると常に土が濡れた状態になります。そこへ水を与えても水分過多になるため、土の表面に水分がたまってしまうのです。
3. 幹や茎が黒ずんでいる
植物の根腐れサインは、まず末端の葉に現れ、だんだん幹や茎にも異変が見られるようになります。植物の幹と茎が以前より黒っぽいと感じたら、根腐れを起こしている可能性が高いでしょう。
4. 幹が柔らかくなっている
さらに根腐れが進行すると悪い菌が植物全体に回り、硬いはずの幹が柔らかくなります。幹に触れた際にいつもと違う感触になっていたら確実に根腐れを起こしています。
幹の一部のみが柔らかいなら回復する見込みがあるのですが、半分以上に異変が見られる場合は難しいでしょう。
5. 土から異臭がする
根腐れを気づかず放っておくと、やがて土まで腐り異臭を放つようになります。このとき土の中には悪い菌が大量に繁殖していて、ここまでくると治療しても回復しません。
植物から妙な匂いがすると感じたら土ごと処分しましょう。
観葉植物が根腐れする場合は植え替える
早いうちに根腐れに気づいた場合、土を植え替えることで元気を取り戻す可能性があります。ここでは観葉植物が根腐れする場合の植え替えについて解説しますので、参考にしてください。
1. 植木鉢から植物を取り出す
まずは植物を植木鉢から取り出してください。根腐れする植物は弱っているため、乱暴に扱うと根が切れてしまいます。
植木鉢の周囲を叩いて土をほぐしながら取り出すといいでしょう。
2. 腐ってしまった根を切り落とす
根に付いた土を取り除いたら、腐った根をハサミで切り落とします。このときに変色した部分が見えなくなるまで切除してください。菌が回った箇所を残すと再び根腐れを起こしてしまいます。
3. 弱った葉や茎を落とす
変色した葉や茎はすべて除去しましょう。根を切り落とした分、植物の大きさに合わせてサイズを調整してください。植え替えた際に植物を安定させるための工夫です。
4. 植物を植え替える
植え替える際は必ず新しい植木鉢と土を用意してください。古い植木鉢や土には菌が繁殖しているため、処分することを推奨します。植物によって最適な土があるため、購入前に確認しておくといいでしょう。
通常は植え替えた後にたっぷり水やりしますが、根腐れの対処として植え替える場合は控えてください。しばらく半日陰で植物を養生させ、回復してきたら水を与えます。
観葉植物の根腐れ防止対策
観葉植物の根腐れ対処法を知ることも大事ですが、そもそも根腐れを起こさないよう注意する必要があります。以下では4つのコツを解説しましょう。
1. 植物に水をやりすぎない
観葉植物の根腐れはたいてい水のやりすぎが原因です。日頃から水やりの量やタイミングに気を配り、なるべく土を乾かす時間を作ってください。
夏は水が多めでも大丈夫ですが、それ以外の季節は適量を心がけましょう。
2. 日当たりや風通しを良くする
植物にとって日当たりや風通しは重要です。南側の部屋に植物を置いたり、サーキュレーターで空気を循環させたりすると土が乾きやすくなります。水やりをした後に植物を外に出しておくのも有効でしょう。
3. 植物に適した土を選ぶ
植物の性質は品種ごとに違うため、土なら何でも使えるとは限りません。たとえば乾燥した環境を好む多肉植物を保水性の高い土に植えると、うまく育てられないでしょう。
このような失敗を防ぐためにも、植物の性質に合う土を選ぶ必要があります。
4. 根腐れ防止剤を使う
どれだけ対策をしていても、観葉植物が根腐れすることもときおり想定されます。
もし心配なら根腐れ防止剤を土に混ぜてみてください。雑菌の繁殖を防ぎ、土の水分量のバランスを保つ効果を期待できます。根腐れ防止剤は園芸用品店やネットショップなどで購入可能です。
まとめ:観葉植物が根腐れする原因と対処法を知っておこう
観葉植物と根腐れは、切っても切れない関係にあります。水や肥料のやりすぎなどが原因であり、手をかけすぎるとむしろ植物の寿命を縮めかねません。逆に放置するのも良くないため、ほどほどに世話をしましょう。
もし根腐れが発生した場合、植え替えをすることで植物が復活する可能性もあります。初期段階なら対処できますので、この記事を参考に実践してみてはいかがでしょうか。