アムステルダム国立美術館は、オランダ語で「ライクスミュージアム」と呼ばれます。
ライクスは「国立」という意味で、1813年に国家の管理下に置かれました。
オランダといえば、レンブラント、フェルメール、ゴッホが特に有名です。
世界三大名画に含まれる《夜警》は、アムステルダム国立美術館の看板といっても過言ではありません。
アムステルダム国立美術館の歴史・成り立ち
アムステルダム国立美術館は、オランダが世界に誇る有名なミュージアムです。
その歴史や成り立ちを知っておくと、鑑賞する楽しみが深まるでしょう。
オランダにも世界に誇る美術館を作りたい
アムステルダム国立美術館の始まりは、1800年にハーグに設立されたミュージアムでした。当時は違う名称で呼ばれており、今に至るまでに紆余曲折を経ています。
19世紀のヨーロッパでは、フランスが美術界の牽引役となっていました。
ルーブル美術館の盛況ぶりを横目で眺めていたオランダは、後れを取り戻そうと国家の威信をかけたプロジェクトを発案します。
そうして創設されたのが、先ほど登場したハーグの美術館でした。
のちにオランダはナポレオンの統治下に置かれます。
1809年にダム広場(アムステルダムの中心部)にある王宮へとコレクションが移され、その最上階が新たな美術館になりました。
ナポレオンの支配から脱出した1813年にウィレム1世が即位し、トリッペン宮殿に再び美術品を移しています。このときに「国立美術館」に改名されました。
大規模な改修工事を経て現在に至る
国立美術館が誕生した当時、ヨーロッパ各国でミュージアムを建設する動きが活発になっていました。
トリッペン宮殿は手狭だったため、より大きな美術館を建てる必要があったのです。そこで白羽の矢が立ったのは、建築家のカイパースでした。
彼はゴシック様式とルネサンス様式が融合したデザインを考案しましたが、「オランダらしくない」という意見もあったようです。
建築は1876年から1885年まで続き、その後も改修工事が繰り返されました。
その過程で初期のカイパース建築は影をひそめましたが、近年の大規模な改修(2003年から2013年まで)によって当初の内装が復活しています。
ちなみに最後の改修工事の様子は、ドキュメンタリー映画として公開されました。
2023年にリニューアルオープンから10年の節目を迎え、オランダの一大観光スポットにふさわしい賑わいを保ち続けています。
アムステルダム国立美術館の特徴
続いては、アムステルダム国立美術館の3つの特徴を紹介します。
絵画はもちろん、それ以外にも見どころがありますよ。
オランダを代表する絵画の宝庫
オランダ(かつてはネーデルランド)を代表する画家といえば、レンブラント・フェルメール・ゴッホです。
彼らの作品を一度に鑑賞できる美術館は世界でも珍しく、それだけでアムステルダム国立美術館を訪れる価値があるでしょう。
以下では、数ある展示品の中から必見の作品を選りすぐって紹介します。
時間に余裕がない場合は、これらの絵画だけでも鑑賞するのがおすすめです。一見の価値あり!
レンブラント・ファン・レイン
- 夜警
- 自画像
- ユダヤの花嫁
ヨハネス・フェルメール
- 牛乳を注ぐ女
- 手紙を読む女
- 恋文
- デルフトの小路
フィンセント・ファン・ゴッホ
- 自画像
- カラフェとフルーツの盛られた皿
世界一美しいと称される図書館
アムステルダム国立美術館にある図書館は、空間そのものが美術品となっています。
入り口が分かりにくいため、美術鑑賞に夢中になって見逃すかもしれません。事前に場所を調べておくといいでしょう。
上から下まで本棚に隙間なく収められた書籍は、まさに圧巻の光景です。
映画やドラマの撮影スポットになりそうなほど荘厳な雰囲気が漂っていて、本が好きな人ならいつまでも眺めていられるかもしれません。
なお図書館は現役で使われています。鑑賞する際は、物音にご注意ください。
ドールハウスは隠れた見どころ
オランダは貿易で莫大な富を築き、黄金時代を謳歌しました。
ドールハウスは、当時の暮らしぶりがわかる貴重な資料になっています。
精巧に作られたミニチュアは非常に手が込んでおり、思わず引き込まれてしまうほど。
17世紀のオランダがいかに繁栄していたか、人形や調度品から想像できるでしょう。
子どもの頃にドールハウスやミニチュアが好きだった人は、ぜひ鑑賞してみてください。
ミュージアムショップ・カフェ
最後に、ショップとカフェの情報を紹介します。
休憩がてら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、支払方法はキャッシュレス決済のみとなっています。
ショップ
アムステルダム国立美術館には、ユニークなお土産が並んでいます。
ここではグッズの一部をまとめました。
レンブラント・フェルメール・ゴッホの商品もありますよ。
※オンラインショップはこちら
生活雑貨
枕カバーやフレグランスなど、日常生活に役立つグッズがそろっています。
おしゃれなマグカップやキッチンタオルは、家族や友人へのプレゼントにすると喜ばれるでしょう。
ポスター、ポストカードなど
アートが好きな人なら、ポスターやポストカードがおすすめです。
好きな場所にポスターを飾れば、日々の暮らしに彩りが生まれるかもしれません。
サイズの小さいポストカードは、たくさん買ってもかさばらない優れもの。
公式図録
美術館に行くなら欠かせないお土産です。多言語に対応しており、もちろん日本語版も取り扱っていますよ。
見逃した作品を鑑賞したり、もう一度見たい作品を堪能したりできる「小さなミュージアム」ですね。
文房具
生活雑貨と同じく、普段使いできる文房具は人気のグッズ。
ペンケースや色鉛筆など、日本にはないセンスを感じるものが数多くあります。
カフェ&レストラン
続いては、カフェとレストランに話題を移しましょう。
美術鑑賞の合間にティータイムやお食事を楽しんでください。
ミュージアムカフェ
アムステルダム国立美術館には、3つのカフェがあります。
ザ・カフェ |
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ドリンクやスイーツだけでなく、食事メニューも提供しています。オランダの国民食「ビターバレン」を味わってみてください。日本のコロッケのようなスナックで、小腹が空いたときにぴったりです。 |
エスプレッソバー&ガーデンハウス |
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コーヒーや軽食をお求めなら、エスプレッソバーをご利用ください。ガーデンハウスは夏季限定で営業しています。 |
レストラン
館内にあるレストランは、ミシュランの星を獲得しています。
オランダの食材で作る本格的なコース料理は、旅のハイライトになるでしょう。
ワインもありますので、お酒が好きな人はどうぞ。
混雑する可能性があるため、予約しておくと安心ですね。
オランダ美術の黄金期を堪能しよう
アムステルダム国立美術館を訪れる機会があれば、オランダが世界に誇る名画の数々を間近で眺めてください。
黄金期に生み出された作品は、時代を経ても色褪せない魅力を放っています。
アムステルダム国立美術館の近くには「アイ・アムステルダム サイン」と呼ばれるオブジェがあります。ミュージアムの建物を背景に写真を撮れるので、よい記念になるでしょう。
日程に余裕があれば、ゴッホ美術館やマウリッツハイス美術館にも立ち寄ることを推奨します。フェルメールやゴッホの作品をじっくり楽しめますよ。