観葉植物を買ってきて、一度も植え替えずに栽培している人は多いかもしれません。
とくに園芸を始めたばかりの初心者だと、植え替えが必要だということすら知らないのではないでしょうか。
この記事では、以下のような疑問にお応えします。
- なぜ観葉植物を植え替えるのか?
- 植え替えに必要な道具とは?
- いつどのように植え替えればいい?
- 植え替える際に注意すべきポイントとは?
観葉植物を長持ちさせるには、定期的に植え替えなければなりません。
この記事を読めば植え替えに関する基礎知識が身につきます。ぜひ最後までご覧ください。
観葉植物を植え替える4つの理由
冒頭でもお伝えしましたが、観葉植物を良好な状態に保つには定期的な植え替えが必要です。ここではなぜ植え替えるべきかを解説しましょう。
1. 根詰まりを解消するため
観葉植物の根は植木鉢の中で成長します。普段は目に見えないためわかりにくいですが、いつの間にか根が鉢全体に回って窮屈になっているかもしれません。
観葉植物にとって植木鉢は洋服のようなものです。観葉植物が成長するときつくなり、根が上手く栄養を吸えずに弱ってしまうのです。もし植木鉢の底から根の一部が露出していたら、それは根詰まりしている証拠でしょう。
2. 養分のある土に取り替えるため
土に含まれる栄養には限度があり、放っておくと必要な養分がなくなってしまいます。
栄養不足になっていてもわかりにくいかもしれませんが、何となく観葉植物が萎れている場合は土壌の劣化を疑ってみてください。
土にも使用期限があるため、新鮮なものに植え替えることで良好な生育環境を保てます。
3. 土をデトックスするため
観葉植物も人間と同じように根から老廃物を排出しています。水を与えると一部は土とともに流れますが、全てを出し切ることはできません。結果として土に不要な成分が蓄積されていき、巡りが悪くなるのです。
そこで土全体を入れ替えて解毒効果を促し、植物が育ちやすい環境を整えるといいでしょう。
4. 病気の原因になる害虫や雑菌を除去するため
土の中には害虫やその卵の他、病原菌などが潜んでいるかもしれません。最初はそれらがいなかったとしても、栽培するうちに繁殖する可能性も考えられます。
葉や茎に異変があるとわかりやすいですが、土中に隠れて悪さをする虫や菌には気づきにくいでしょう。
定期的に土を植え替えることで外敵を駆除し、観葉植物を保護する効果を期待できます。
観葉植物の植え替え道具と方法
「植え替えが必要だとわかったけれど、具体的にどうやればいいの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
以下では、使用する道具や、観葉植物の植え替え方法について解説します。
植え替えに必要な道具
観葉植物の植え替えに使う道具は以下の通りです。
- 元の植木鉢より一回りほど大きい鉢
- 観葉植物の土
- 植物の肥料
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 赤玉土
- 手袋
- スコップ
- 園芸用のピンセット
- 新聞紙やブルーシート
赤玉土は必須ではありませんが、土の表面に撒くと虫がつきにくくなったり雑菌の繁殖を防止したりする効果があります。
園芸用のピンセットがなければ、割り箸のように先端が細いもので代用しても構いません。
観葉植物を植え替える方法
道具がそろったら下記の手順で観葉植物を植え替えます。
1. 元の鉢から観葉植物を取り出す
プラスチックや陶器の鉢から植え替える場合は、周囲を手で叩いて土をほぐしてください。鉢が硬ければハンマーを使っても大丈夫です。
ビニールポットの場合は手で軽く揉むだけで土がほぐれ、取り出しやすくなります。
2. 根についた土を払う
観葉植物の根を傷付けないよう、慎重に土を取り除きます。
完ぺきに除去する必要はなく、おおよそで構いません。細かい部分が気になる場合は根を水洗いするときれいになりますよ。
3. 鉢底にネットを敷いて鉢底石を入れる
植木鉢の穴より少し大きめにネットを切り、穴の上に置きましょう。
その上に鉢底石(軽石)を入れ、土の水はけを良くします。目安は鉢の1/5くらいです。
4. 観葉植物を植える場所を調整する
利き手と反対の手で植物を支えながら、観葉植物を植える位置や高さを調整します。
目処がついたら少しずつ土を入れていき、適量になるまで同じ作業を繰り返してください。
5. 土をならして植物を固定する
これくらいでいいと思ったら手を止め、植木鉢の縁に沿ってピンセットや割り箸を差し込みます。その際に土が隙間に入り、表面が沈む感覚があるはずです。
減った分の土を追加して量を調整したら、もう一度ならして全体を整えてください。
観葉植物の株元を触って動かなければ、きちんと固定された証拠です。
6. 水やりをして土を締める
最後に水をたっぷり与え、土に染み込ませます。水分を含むことで土壌がより強固になるため、普段よりも多めにしてください。
一般的には、植木鉢の皿に水が流れ出るくらいが適量とされています。
観葉植物の植え替えが必要なタイミング
続いては観葉植物を植え替える時期について説明します。
観葉植物を新しく購入したとき
ホームセンターや園芸店などで観葉植物を買ったら、すぐに植え替えることを推奨します。
たいていビニールポットに入った状態で売られており、そのままだと土が少ないため栽培するのに適していません。
購入したら1~2日ほど置いて自宅の環境に慣れさせ、植木鉢に植え替えましょう。
観葉植物の植え替えに適しているのは5~9月です。気温が25℃くらいの時期を選ぶと、植物への負担が少なくなります。
寒い季節でも不可能ではないのですが、できれば避けたほうがいいですね。
根詰まりのサインが見られるとき
先ほどもお伝えしたように、観葉植物が成長すると根詰まりを起こします。
以下のようなサインがあれば根が詰まっているかもしれません。
- 植木鉢の底から根の一部が出ている
- 以前より水の染み込みが遅くなってきた
- 観葉植物の葉が黄色くなっている
- 植木鉢にヒビが入っている
日頃から観葉植物の様子に気を配り、異変がないか確認しましょう。
観葉植物を植え替える際の4つの注意点
最後に植え替え時に知っておきたい4つのポイントを紹介します。
1. 根を傷めないよう優しく扱う
観葉植物の根は繊細なため、雑に扱うとすぐに傷ついてしまいます。最悪の場合は根腐れを起こして枯れてしまうかもしれません。
根にダメージを与えずに植え替えるのは難しいですが、ていねいに触ればそこまでひどい状態にならないでしょう。
2. 古い土を使い回さない
新鮮な土には栄養が豊富に含まれており、水はけも良いです。つまり観葉植物にとっては最適な環境といえます。
しかし土は時間が経つにつれて劣化し、病原菌や微生物などの温床になっていることも。そのため植え替え時に交換する必要があるのです。
以前の土を再利用したい場合は不純物を取り除いて消毒し、肥料を補給してから使ってください。
3. 植え替え前は水やりを控える
土が湿っていると植木鉢から取り出しにくくなるため、植え替える前に水やりをするのはおすすめしません。
地面の土を想像するとわかりやすいですが、乾燥した土はサラサラしていて軽いです。しかし水分を与えると重くなり、泥に近い感触になります。
植え替え作業を楽にするためにも、直前の水やりは控えてください。
4. 植え替え後はたっぷり水を与える
繰り返しになりますが、観葉植物を植え替えた直後は普段より多めに水やりをしましょう。
具体的には土全体に水が染みわたるくらいがベストです。植木鉢から水が流れてきたら、水はけのよい状態になっています。
その後は観葉植物を日陰に移動させ、7日ほど様子を観察して異常がなければ通常通りの栽培方法に戻してください。
観葉植物の正しい植え替え方法を知って長持ちさせよう
観葉植物は言葉を持たないため、様子を観察して植え替えのサインを見逃さないよう気を配ってください。植木鉢の大きさにもよりますが、1~2年ごとに植え替えるのが一般的です。
手間ひまをかけて栽培すれば、植物も愛情に応えてくれるはずです。日々の暮らしに観葉植物があると心が癒やされるかもしれません。
この記事を参考に、植え替えに挑戦してみてはいかがでしょうか。