この記事では、部屋に飾りたい、欲しいと思う、センス抜群のデザインポスターを紹介します。
「絵をみてもよくわからないけれど、好きなポスターはある」という人もいます。
しかし、ポスターには、どんな人がみてもわかりやすい特徴があります。
お気に入りの一枚をみつけてお部屋にポスターを飾ってみましょう。
ディズニーテーマパークアトラクションのデザインポスター
まず最初は、ディズニーテーマパークアトラクションのデザインポスター。
ディズニーテーマパークには、さまざまなアトラクションがあり、それぞれにポスターがあります。
ポスターはパーク内外に掲示されています。
ポスターには商品や場所を売り込む商業用のポスターとモノや事を紹介するポスターがあります。
アトラクションのポスターは後者になりますが、ディズニーテーマパークのポスターは、パークの雰囲気を壊さないように一見「絵画なの?」と思うような雰囲気です。
一般的にモノや事を紹介するポスターは、名前が大きく表示され、一目でわかるように写真を使っています。
しかし、ディズニーテーマパークのポスターは写真が使われていません。
人気アトラクション「ホーンテッドマンション」は、乗り物や建物の写真を一切使わずに少ない色数で不気味さを表現しています。
3人の幽霊に「こっちだよ」と案内させることで不気味さの中にもディズニーランドらしい明るさを感じるのではないでしょうか。
カタカナで「ホーンテッドマンション」と書かず、赤いオシャレな字体で英語表記しているところにもポスターのセンスの良さを感じます。
美術大学のデザイン科を受験する人は平面構成という色彩表現を行うことがあります。
限られた色数で洗練された絵を描く課題です。
「ディズニーテーマパークアトラクションのポスター」は、平面構成のお手本となる作品がたくさんあります。
東京オリンピック1964年のデザインポスター
次ぎにご紹介するのは、1964年の東京オリンピックのポスターです。
デザインは亀倉雄策です。
1964年の東京オリンピックをリアルタイムで知らない人でもポスターはみたことがあるのではないでしょうか。
ポスターには役割があります。
イベントを伝えるポスターならば、イベントの内容と実施日と場所を一目で相手に伝えなければなりません。
必要以上の情報を入れれば入れるほど大切な情報は陰に隠れてしまいます。
どれだけシンプルかつ魅力的なデザインをするかがポスターの成功のカギを握っています。
「東京オリンピックポスター1964年」は、陸上競技の選手たちが横に並び、走りだす瞬間をポスターにしています。
画面に対して対角線に配置された選手、画面中央にある大きく広げられた手がポスターにメリハリを与えているのです。
そして必要な情報は一瞬で伝わります。
「東京オリンピックポスター1964年」は複数枚ありますが、陸上も水泳も水平垂直対角線を利用した安定感のあるデザインです。
芸術的価値も高い「東京オリンピックポスター1964年」は今でも高値で取引されています。
亀倉雄策は、明治ミルクチョコレートのデザイン(2009年まで使用)やグッドデザイン賞のロゴマークなど日常生活で目にするものも多くデザインしています。
ブラック・ベアのデザインポスター
「ブラック・ベア」は、うさぎのミッフィーをデザインしたディック・ブルーナの作品です。
「ブラック・ベア」は宣伝ポスター用に作られました。
真っ黒い熊は目だけが赤いのです。
これには理由があります。
黒い熊は本が好きで夜遅くまで本を読んでいたから目が赤いのです。
「ブラック・ベア」のポスターはシリーズでたくさんあります。
中でも夜中に小さな明かりで本を読んでいるポスターはセンス抜群です。
画面のほとんどが真っ黒に塗られ、右上の一部だけ黄色く目立ちます。
真っ暗な深夜に明かりをともして本を読んでいるのです。
視点は、家の外にあります。
絵は図と地の関係が大切です。
図は熊の家の中になり、地は真っ暗な外の景色になります。
ブラック・ベアのポスターは、「図と地」が「絵と背景」に分断されていません。
熊と家の外壁は同じ黒色で塗られていますが、みる側の頭の中には熊と外壁の境界線が描かれます。
必要最低限の色と線を使い、足りないものもしっかりと頭の中でイメージして絵を理解させる技が集結しているのです。
真っ黒いポスターなのに「黒」ではなく「夜」と理解させることで暗さを一切感じさせない「部屋に飾りたい一枚」です。
まとめ
今回は、部屋に飾りたい、欲しいと思う、デザインポスターを3点紹介いたしました。
ポスターをつくるプロは「ポスターの前で30秒足をとめてもらうことができれば、それは大成功のポスターだ」と言っていました。
「部屋に飾りたい」と思うポスターは、30秒以上みていたいと思わせる、いわば美術作品です。
ポスターと絵の大きな違いは、絵は画家が描いた1枚が唯一の作品ですが、ポスターは印刷によって大量生産されることでしょう。
大量生産されるメリットは、単価が安く手に入りやすくなることです。
これを機会に、ぜひお部屋にポスターを飾ってみてはいかがでしょうか。