オペラシティアートギャラリーは、京王新線初台駅からほど近い東京オペラシティタワーの中にある施設です。
タワー内には、NTTインターネットコミュニケーション・センターやミニコンサートのできる近江楽堂なども設けられており、国立劇場も隣接しています。
ビジネスや商業に使われるゾーンもあり、まさに芸術と近代文化の融合が試みられている場所。
今回は、オペラシティアートギャラリーについて紹介します。
オペラシティアートギャラリーの成り立ち、歴史
東京オペラシティアートギャラリーは、東京オペラシティ文化財団によって運営・管理されている美術館です。
東京オペラシティ文化財団とは、音楽や美術に関する事業を展開する公益財団法人。
1995年に民間事業者6社によって設立されました。
地上54階の東京オペラシティタワーは、京王新線初台駅から直結していて、遠方からでもアクセスしやすい場所にあります。
タワー内には「ビジネスゾーン」「芸術文化ゾーン」「アメニティ・商業ゾーン」と3つのゾーンに分かれており、東京オペラシティアートギャラリーはその中の「芸術文化ゾーン」に設置されています。
同じゾーンには、コンサートやオーケストラなどが開催されるホールや、メディアアートのミュージアムであるNTT インターコミュニケーション・センターなどもあります。
それぞれの施設は、スタートした時期が異なっており、アートギャラリーは1999年に開館しました。
設立以降、絵画や彫刻、写真、映像などさまざまな表現手段を用いた国内外のアート作品を紹介するだけでなく、過去には「家の外の都市(まち)の中の家Tokyo Metabolizing第12回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展帰国展」という建築に関する展覧会や「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」というファッションに関する展覧会なども企画されています。
現代的で多彩な展覧会が楽しめる美術館といえそうですね。
館内には3階に2つ、4階に2つ、合計4つの展示室があり、展示面積は約1,000平方メートルを誇ります。
部屋ごとに広さや天井の高さ、照明の配置、内部のデザインが異なっています。
しかし、基本的にはどんな作品でも受け入れられるよう、工夫を凝らしたつくりになっています。
オペラシティアートギャラリーの見どころ、特徴
抽象画家・難波田龍起氏の作品が豊富
東京オペラシティアートギャラリーには、戦後に活躍した国内作家を中心としたおよそ4000点のアート作品が収蔵(コレクション)されています。
コレクションは、水彩や油彩、版画、立体等幅広く収集されており、美術史の変化と同時に、現在のアート事情を来館者が体感できるような内容となっています。
また、アートギャラリーには、東京オペラシティ共同事業者でもある寺田小太郎氏の寄贈により生まれた「寺田コレクション」と呼ばれるものがあります。
このコレクションの中には、抽象画家・難波田龍起氏の作品350点以上、そして彼の次男である史男氏の作品280点以上が収められています。
難波田龍起と史男親子の作品を収集したコレクションとしては、最大級のものといわれています。
有名作家の企画展
東京オペラシティアートギャラリーは、多彩なアート作品を紹介するための企画展を年4回程度開催しています。
展覧会ごとに、アートギャラリー独自の視点からさまざまなテーマを設けて開催されています。
時にはアートの枠を超え、ジャンルの枠を取り払い、斬新な企画のもと、セレクトされた作品を鑑賞することができます。
過去に行われた「スイスデザイン展」では質の高さと発想の豊かさで知られるスイスのデザインを取り上げ、観光におけるデザインや時計や靴、家具などの優れたデザインの品々を紹介していました。
こちらは、日本とスイスの国交樹立150年に合せて開催されたそう。
また、詩人や翻訳家、脚本家など多彩な顔を持つ谷川俊太郎の創作活動を紹介する「谷川俊太郎展」なども大変話題となりました。
作家本人による作品はもちろんのこと、美術館がテーマに沿ってどのような展示空間を作り上げたのか、展覧会の内容がとても気になりますよね。
また、「アートがあればII ─ 9人のコレクターによる個人コレクションの場合」という展覧会は、個人でコレクションされているアート作品に焦点を当てた珍しい試みでした。
個人コレクターそれぞれの考えやこだわりによって選ばれた作品達を眺めていると、観覧者は、また一味違ったアートの楽しみ方が発見できそうですね。
作品をコレクションするというと、何だかハードルが高いような気がしてしまいますが「作品を所有する」ということのわくわく感や魅力は私たちが考えるよりも、もっと身近なものなのかもしれません。
若手作家を紹介する展覧会
さらに、国内の若手作家の紹介に力を入れているのも、東京オペラシティアートギャラリーの特徴。
それは「project N」という展覧会によく表れています。
企画展と同時に催される「project N」では、これから期待される国内の若手アーティストの作品を展示・紹介しています。
これは、故・難波田龍起氏の遺志を受け継いでスタートした企画といわれています。
併設ミュージアムショップ
ショップ「ギャラリー5」
全部で4つの展示室をもつ東京オペラシティアートギャラリーの「5番目の展示室」をコンセプトに生まれました。
展示室と同じく、東京オペラシティタワーの3階にあります。
ショップに入ると、ガラス張りの展示スペースが一際目を惹きます。
アート好きなら、つい気になってしまう、とても素敵なスペース!
こちらでは、展覧会ポスターや図録、Tシャツなどの他に、アートブック等の書籍を豊富に取り揃えています。
企画展に合わせて、出展作家さんおすすめの書籍などを紹介していることもあります。
興味のあるアーティストからのおすすめの本となれば、気になってしまいますよね。
ショップでは、珍しいグッズも多数取り扱っており、中でもユニークなのは「plasticity」というアパレルブランドの商品。
このブランドは、コンビニ等でもよく販売されているビニール傘をリサイクルし、バッグなどをつくっています。
プラスティック廃棄による環境問題が近い将来解決されて欲しいという思いを込め「10年後になくなるべきブランド」を宣言しているそう。
まとめ
有名な現代アーティストを取り上げた企画展や、日本国内の若手アーティストを紹介する「project N」など、さまざまな形で私達にアートの魅力を伝えてくれる東京オペラシティアートギャラリー。
見応えある展覧会を満喫した後には、楽しいギャラリーショップを覗いてみるのもおすすめです。
作品の余韻に浸りながら、お土産を選ぶのも美術館に行く楽しみの1つですよね。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 東京オペラシティアートギャラリー |
住所 | 東京都新宿区西新宿3丁目20−2 |
電話番号 | 050-5541-8600 |
ホームページ | https://www.operacity.jp/ag/ |