大原美術館は、日本で初めての西洋美術館としても知られています。
岡山県の倉敷といえば、昔ながらの町並みなど歴史が息づく場所です。
誰もが一度は訪れてみたい、観光スポットなのではないでしょうか。
他の作品も展示されていますが、西洋ならではの魅力を今に伝えている、とても貴重な美術館でもあります。
大原美術館とはどのような場所なのか、わかりやすく解説していきたいと思います。
大原美術館の歴史、成り立ち
大原美術館は、倉敷を拠点に活躍した実業家である「大原孫三郎」が昭和5年に建設した場所です。
画家の「児島虎次郎」を記念して設立したものになります。
日本美術について、強い関心を示していたこともあり、友人の児島虎次郎を応援し続けました。
渡欧を促してくれたことで、ヨーロッパの美術について、学ぶ機会を得ることになります。
東洋と西洋の両方に長けていたこともあり、今でも高く評価されている作品を次々に大原美術館に選びます。
例えば、ゴーギャンやモネ、マティスなどは、児島虎次郎が選んだものです。
とても熱意に溢れた人物であり、大原美術館の発展にもつながっています。
倉敷市にある美術館としても、日本の芸術を世界に広げる役割も担っています。
地域の人たちにも気軽に訪れることができる「民間総合美術館」としての役割もあり、倉敷市では欠かせない存在になっています。
大原美術館はとても広大な土地を所有しています。
- 工芸、東洋館
- 本館、分館
- 有隣荘
などもあり、それぞれが独立した建物になっています。
工芸館の横には、フランスにあるモネの庭園から睡蓮が届き、今でも春から夏にかけて見事な花々を咲かせてくれます。
季節ごとに変わる自然の美しさなども実感できる場所になり、見どころも多い美術館としても知られています。
大原美術館の特徴
大原美術館の特長についても紹介します。
有隣荘の素晴らしさ
大原孫三郎の別荘として誕生したのが、有隣荘です。
病弱だった妻のために、家族で落ち着いた住まいをと考え建設したと言われています。
常設展での公開ではないものの、年に2回だけ特別展を開催しています。
そのタイミングで有隣荘を見ることができます。独特の製法によって焼かれた瓦を使っています。
角度によっては緑色に光るなどの特長もあります。
そのため、緑御殿などと呼ばれています。大きく立派な建物になり、いかに素晴らしい建物かがわかるのではないでしょうか。
有隣荘だけでも見たいと訪れる人もいます。
取り扱う美術の幅が広い
大原美術館ではさまざまな種類の作品を取り扱っています。
日本の美術はもちろん、海外の美術、21世紀の美術、民藝運動ゆかりの作家たち、東洋の古美術、古代オリエントとイスラム、ヨーロッパの古美術などのすべてを展示しています。
西洋美術を展示させただけでなく、日本国内・国外の作品に触れられるのは、大原美術館の良さでもあります。
大原美術館では、年に数回の「ギャラリーコンサート」も開催しています。
有名な作品が展示されている室内でコンサートを行うものになり、創立20周年以降のイベントになりました。
有名な演奏家を招いて、名画や音楽のコラボレーションなども行っています。
大原美術館の本館にあるピアノに気付いているのではないでしょうか。
これは20周年の記念に購入されたもので、ドイツのベヒシュタインのピアノになります。
特別な音を身近な場所で楽しめるのも、大原美術館の良さです。
モネのモーニングツアー
大原美術館では、開館前に貸切状態で本館の作品を案内する特別な企画展を行っています。
解説員つきのプランになるので、作品について深く知りたい人にもおすすめです。
個人向けの人気企画になり、実施2日前までに予約する必要があります。
クロード・モネの睡蓮などを鑑賞したあとに、モネの睡蓮の池でゆったりとモーニングが楽しめます。
モネのレシピを再現したものになり、スペシャルモーニングが堪能できます。
意外と知られていないのですが、クロード・モネは相当な美食家としても知られています。
自宅の菜園で育てた野菜やハーブ、香辛料などを使ってレシピを作ることもあります。
モネ好きにとっても、特別なひとときになるのではないでしょうか。
所要時間は2時間、参加できるのは小学生以上です。
朝から特別な時間を過ごしたい人にとってもおすすめの、ツアーになります。
併設レストラン、カフェ、グッズ
ミュージアムショップ
大原美術館には、ミュージアムショップがあります。品揃えも多く、書籍や複製品、食品、カレンダーなどのおみやげが揃っています。
複製品は一番小さなものであれば605円から購入できます。
好みの作品の複製を購入したいと思っている人にもおすすめです。
どれも本物そのものですし、家にもっと手軽に美術を取り入れたい人にも向いています。
過去の作品図録や、特別展図録などの販売も行っています。
大原美術館に来たときは、ミュージアムショップでおみやげを探してみてくださいね。
レストラン
大原美術館には併設しているレストランはありません。
モネのモーニングツアーでは美味しいこだわりの食事が楽しめます。
もし大原美術館周辺で食事を楽しみたいのであれば、倉敷川沿いにある、美観地区には美味しい食事処がたくさんあります。
目当ての食事処があるかどうか、事前に調べておくといいかもしれません。
美観地区周辺には郷土料理店が楽しめる「浜吉」もあります。
瀬戸内ならではの職人が厳選したものになり、新鮮な海の幸を楽しめるのも特長です。
ランチメニューも充実しているので、倉敷ならではの美味しいグルメを堪能してみてくださいね。
大原美術館まとめ
大原美術館は、倉敷の美観地区にあるとても美しい美術館です。
展示されている作品数も多く、特別なものばかりです。
ただ作品を展示するだけの見て楽しむ美術館ではなく、体験しながら美術について学べるポイントもたくさんあります。
ミュージアムショップなどもあるので、記念におみやげを購入してみてもいいと思います。
もし、クロード・モネが好きな人はモーニングツアーに参加するなど、ここでしか体験できない芸術の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
大原美術館は何度も訪れたくなる、とても魅力的な美術館です。
じっくりと時間をかけて作品を堪能してみてください。
見慣れた作品も、新しい発見があるのではないでしょうか。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
大原美術館は比較的アクセスのいい場所にあります。
倉敷駅からは徒歩15分程度の場所にありますので、景観を眺めながら大原美術館に足を運んでみるのもいいかもしれません。
また、車で訪れる場合も倉敷ICや早島ICから20分程度の場所にあります。
倉敷美観地区に美術館がありますので、すぐにわかると思います。
両備バスなどもあるので、気軽に美術館まで足を運んでもらえるのではないでしょうか。
美術館名 | 大原美術館 |
住所 | 岡山県倉敷市中央1-1-15 |
電話番号 | 086-422-0005 |
ホームページ | https://www.ohara.or.jp/ |