ロンドンナショナルギャラリーは、イギリスを代表する美術館です。
この記事では、ロンドンナショナルギャラリーが誕生した経緯や見どころについて解説します。
ショップやカフェ&レストランの情報も紹介しますので、参考にしてください。
ロンドンナショナルギャラリーは、ロンドンの観光スポットが集結するトラファルガー広場の一角に建っています。
美術が好きな人はもちろん、アートになじみがない人でも楽しめるため、イギリス観光の際には必ず立ち寄りたい場所ですね。
ロンドンナショナルギャラリーの歴史・成り立ち
まずはロンドンナショナルギャラリーが設立されるまでの経緯について解説します。
美術館の歴史を知ってから現地を訪れると、作品に対する理解が深まるでしょう。
始まりは個人の邸宅だった
ロンドンナショナルギャラリーは、民間人が所有していた絵画を礎として誕生しました。
大英博物館の開館が1753年であり、それからおよそ70年後の1824年に設立されています。
ヨーロッパの美術館はたいてい王侯貴族が蒐集していたコレクションを土台としており、この点において異色といえるでしょう。
そのコレクションの持ち主だったのが、実業家のジョン・ジュリアス・アンガースタインです。
ロンドンのベルメル街にあった彼の邸宅に、38枚の絵画を展示したのが始まりでした。
ルーブル美術館やエルミタージュ美術館などと比較すると見劣りする規模だったため、開館当初は国立美術館にふさわしくないという意見もあったようです。
イギリスは芸術面において後進国であったゆえ、美術に関する分野で有力な人材が育ちにくいという事情を抱えていました。
そのような状況に歯がゆさを感じていた人々が協力しあった結果、ナショナルギャラリーの設立に漕ぎつけたのでした。
現在のギャラリーになるまで
順風満帆とはいえないスタートだったものの、1840年代に突入する頃には、ナショナルギャラリーの知名度は確実に浸透していました。
来館者が殺到し、混雑していたようです。
収蔵作品が増えるに従い、個人の邸宅には到底収まりきらないほどの量に膨れ上がりつつありました。
そこへイギリスを代表する画家・ターナーが1,000点を超える作品を遺贈したことで、新たな展示スペースが求められたのです。
別の場所に建物が作られたものの、依然として手狭な状況は続いていました。
さらにテート・ブリテンやセインズベリー棟などの増築を経て、最終的にサッカー場6面分ほどの広大な敷地面積に拡張しました。
今では大英博物館と並ぶイギリスの観光スポットとなり、国内外から多くの人々を惹きつけています。
ロンドンナショナルギャラリーの特徴
続いては、美術館の特徴について解説します。
入館料は無料ですが、企画展のチケットは有料になっています。
入館料の代わりにフロアマップを購入したり、オーディオガイドを購入したりしましょう。
西洋絵画の巨匠たちが勢ぞろい
敷地面積は広いものの、展示室が年代順に並んでいるため鑑賞しやすいでしょう。
すべての作品をざっとみて回るなら2時間半くらい。
音声ガイドを使いつつ時間をかけて回るなら約3時間ほどで鑑賞できます(休憩時間は除く)
展示室の並び順
- 51番~66番:1200年代~1500年代まで
- 2番~14番:1500年~1600年まで
- 15番~32番:1600年~1700年まで
- 33番~46番:1700年~1930年まで
美術に詳しくない人でも知っている有名な画家たちの作品がそろっています。
ルネサンスの3代巨匠として知られるダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロはもちろん、バロックから印象派に至るまで一通りそろっていると言っても差し支えありません。
日本でも著名な画家が一堂に会している様子は、実に圧巻です。
教科書に掲載されている画家は、ほぼコンプリートできるでしょう。
これだけは鑑賞したい選りすぐりの名画
全ての作品をみられなくても、必見の名画を把握すれば効率よく館内を回れます。
ここではロンドンナショナルギャラリーの至宝を厳選して紹介しましょう。
《大使たち》ホルバイン(子)
ホルバインは、イングランド国王・ヘンリー8世の時代に活躍したドイツ人の画家です。
作品に描かれた骸骨には「メメント・モリ(死を想え)」という意味が込められています。
《アルノルフィニ夫妻の肖像》ヤン・ファン・エイク
ロンドンナショナルギャラリーを訪れたら必ず鑑賞したい作品の1つ。
緻密に描きこまれた描写は、初期フランドル派の絵画ならではの特徴です。
《岩窟の聖母》ダヴィンチ
ダヴィンチは寡作かつ完成作品が少なく、貴重な1枚です。
ルーブル美術館にも同じ主題の絵画が展示されており、見比べてみると面白いかもしれません。
《ヴァージナルの前に座る若い女》フェルメール
ロンドンナショナルギャラリーを代表する絵画に含まれ、必見の価値があります。ヴァージナルとはチェンバロ(ピアノの原型)を指しており、同館が所蔵する《ヴァージナルの前に立つ女》と対になっていると言われています。
《63歳の自画像》レンブラント
ルーベンスと同時代に生まれたレンブラントは、数多くの自画像を手がけました。
こちらは亡くなる直前に描かれたもの。
もう1枚ある《34歳の自画像》と見比べてみてください。
《戦艦テメレール号》ターナー
イギリスを代表する画家といえばターナーです。
初期は写実的な絵画を描きますが、やがて印象派のような作風へと変化しました。
《睡蓮の池》モネ
日本で抜群の知名度を誇るモネの作品です。
国立西洋美術館にも睡蓮のシリーズが展示されていますので、ぜひ足を運んでみてください。
《ひまわり》ゴッホ
ゴッホ=「ひまわり」といっても過言ではないほど有名です。
ロンドンナショナルギャラリーが所蔵する作品の中でも人気があり、グッズのモチーフになっています。
併設ミュージアムショップ・カフェ
美術鑑賞の楽しみといえば、お土産とティータイム。
最後にショップとカフェの情報をまとめました。
ショップ
ショップは館内に2か所あり、オンラインでも購入可能です。
商品をご覧になりたい人はこちらからどうぞ。
おすすめ商品
- 《ひまわり》のグッズ
- 《糸杉のある麦畑》のグッズ
- 《睡蓮》のグッズ
- ロンドンをモチーフにしたグッズ
その他にも、定番のポストカードや文房具などを幅広く取り揃えています。
ロンドンにちなんだお土産も手に入りますので、イギリス旅行の思い出にどうぞ。
カフェ&レストラン
カフェとレストランの情報はこちらからご覧ください。
エスプレッソ・バー(Espresso Bar by Muriel’s)
ケーキが美味しいと評判のカフェです。
イギリス名物のキャロットケーキは甘さ控えめなため、コーヒーのお供にぴったり。
軽食も販売されており、鑑賞の合間に一息入れるのに最適です。
Muriel’sキッチン(Muriel’s Kitchen)
イギリス料理の他、伝統的なヨーロッパの食事メニューが揃っています。
セルフサービスなので、好きな物を注文してご堪能いただけます。
オーカー(Ochre)
本格的なコース料理を味わえるレストラン。
格式のあるアフタヌーンティーを体験できます。
優雅にお酒を飲めるカクテルバーとラウンジ、ゆったり食事を摂れるプライベートダイニングルームもあります。
まとめ
ロンドンナショナルギャラリーには、いわゆる模範的な名画が一通り展示されています。
美術に精通していなくても十分に満喫できますので、ご安心ください。
現地に行くのが難しい場合は、バーチャルツアーで至宝の絵画を鑑賞できます。
日本にいながらイギリスを旅行している気分になれるでしょう。
ご興味があれば、こちらから詳細を確認してお申込みください。