モナ・リザは怖い?とよくいわれます。
モナ・リザは、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた肖像画で、ラ・ジョコンドと呼ばれることもあります。
レオナルドが50歳ごろにモナ・リザを描いたと言われていますが、時期について詳しいことはわかっていません。
この記事では、レオナルド・ダ・ヴィンチがモナ・リザで何を表現したかったのかを解説いたします。
知っておきたいモナ・リザの基礎知識
モナ・リザの「モナ」は「婦人」を意味し、「リザ」が名前です。つまり、モナ・リザは訳すと「リザ婦人」になります。
モナ・リザの大きさは77cm×53cmです。
あまりにも有名で印刷物には大きく取り上げらえているため、大きな作品というイメージがありますが、実際は小さい作品です。
現在は、フランスのルーブル美術館にあり、多くの人の注目をあびています。
モナ・リザは輪郭線がないスフマートという技法で描かれています。
うすい絵の具を何層にも重ねることで輪郭線ではなく、光と影で形を浮かび上がらせます。
モナ・リザのふっくらとした手はスフマートだからこその表現でしょう。
絵には作者のサインが入ります。一般的には下の端に文字でサインをしますが、レオナルド・ダ・ヴィンチは違います。
モナ・リザが着ている服の胸元にある刺繍がレオナルドのサインです。
謎が謎を生む!モナ・リザの4つの謎
モナ・リザは未完成?
レオナルド・ダ・ヴィンチがモナ・リザを手放さなかった理由は、ただ「お気に入りだったから」というわけではないようです。
なぜならば、モナ・リザは未完成だった可能性が高いからです。
モナ・リザは50歳ごろから4年間ほどモナ・リザを描いたといわれていますが、その後も筆をいれた形跡があります。
モナ・リザの右手は、実際に手で触れられるかと思うほどふっくらとしています。
一方、左手の人差し指は光の描き方が足りず平面的にみえます。
また、モナ・リザの後ろにある「てすり」は明らかに未完成です。
レオナルドが、なぜ未完成の状態にしたのか謎です。
モナ・リザはもう一枚ある?
「アイワースのモナ・リザ」という、モナ・リザと同じポーズの作品があります。
モナ・リザよりも年齢が若い女性が描かれています。
モナ・リザは、ジョコンドが妻の肖像画をレオナルド・ダ・ヴィンチに依頼して描かれました。
しかし、依頼されたモナ・リザはジョコンドのもとには行かず、ずっとレオナルドが持ち続けています。
レオナルドは、モナ・リザを描いているうちに売り渡したくなくなり、急いで「アイワースのモナ・リザ」を描いてジョコンドに渡したのでしょうか。
それならば「なぜ描かれたリザ婦人の年齢を若くしたのか」が疑問です。
なぜ「モナ・リザが2枚描かれたのか」そして「なぜモナ・リザが依頼主の手に渡らずに済んだのか」謎です。
モナ・リザの表情の右と左で違う
モナ・リザは微笑んでいるようにみえます。
しかし、すべてのパーツが微笑んでいるわけではありません。
顔の右半分は微笑んでいますが、右半分を隠して左半分の表情をみるとニヤリと笑っているようにみえるのです。
みる人によっては、右目と左目、口も右と左とで相反する印象を受けることもあります。
モナ・リザは怖い?目がずっとあう
モナ・リザ効果、という言葉があります。
モナ・リザの目は正面だけでなく、右に移動しても左に移動しても視線が合うといわれています。
モナ・リザは見つめられているようで怖いという人もいます。
理由は「みる側の気持ち」や「角度の問題」が有力です。
モナ・リザには他の肖像画にはない特徴があります。
それは、目の中にハイライトがないことです。
一般的に肖像画の目には白い点でハイライトが描かれます。
ハイライトを描くことで目がいきいきとするのです。
しかしモナ・リザにはありません。
なぜ、レオナルド・ダ・ヴィンチがハイライトを描かなかったのかも謎です。
レオナルド・ダ・ヴィンチはモナ・リザでなにを表現したかったのか
レオナルド・ダ・ヴィンチは「モナ・リザでなにを表現したかったのか」は4つの謎の中でも最大の謎です。
モナ・リザの正体はレオナルド本人であるという説もあります。
モナ・リザを描くことで自分自身を表現したかったのかもしれません。
また、背景に注目すれば背景には山や川や空が描かれています。
背景の右後ろの山は、レオナルドの故郷イタリアのドロミテである説が有力です。
故郷を思い描いたのでしょうか。
レオナルドは、小さいころに母親から離されます。
小さいころのわずかな思い出しかない「母親」を、レオナルドは心のどこかで求め続けていたのでしょう。
レオナルドは、40代のときに幼くして離れた母と再会しています。
まもなく母はこの世を去りますが、この再会がレオナルドに大きな影響を与えた可能性もあります。
50代になり、レオナルドは故郷を背景にした女性モナ・リザを描くのです。
レオナルドがモナ・リザに母親の面影を描いたとしても不思議ではありません。
そうであれば、レオナルドがモナ・リザを手放さなった理由も納得です。
まとめ
今回は、モナ・リザが怖いといわれる理由、レオナルド・ダ・ヴィンチがモナ・リザに何を表現したかったのかについて紹介しました。
モナ・リザは技術的に高い評価を得て、とても有名な絵になりました。
モナ・リザにはレオナルドの生き方や自然に対する執念・技術が込められています。
それらのすべてがモナ・リザの魅力となって人々の心をとらえているのではないでしょうか。