三菱一号館美術館は、知らないとつい通り過ぎてしまいそうな場所にあります。
東京駅から徒歩5分の好立地にあるため、「まさかこんなところに美術館があるなんて…」と話す人も少なくありません。
この記事では、レトロな雰囲気を残す、三菱一号館美術館について紹介いたします。
東京の観光に来るついでにでも、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
三菱一号館美術館の成り立ち、歴史
東京都の丸の内出口側にある、三菱地所が運営しています。
美術館というよりかは、博物館に近いかもしれません。
三菱一号館美術館ができた背景には、2009年に建設された「丸の売りブリックスクエア」の構成の一つとして生まれました。
開館したのは2010年とたったの10年ほどの歴史しかありません。
三菱一号館美術館はレトロな風貌が印象的ですが、明治時代に造られた旧三菱一号館を復元して作り出したものだと言われています。
時代を感じる建物に入るだけでも、胸の高鳴りを感じますね。
ちなみに三菱一号館は、日本が開国したばかりの頃に、建築家のジョサイア・コンドルによって設計されました。
洋風の事務所のための建築物として三菱が行った新しい取り組みでもあります。
レトロ感のある造りは、かつてイギリスで流行したクイーンアン方式を取り入れた、日本でも最先端の構造でした。
この三菱一号館は老朽化が進んでしまったこともあり、一度取り壊されることになりました。
でも、40年以上の時が経過しそのままの設計を元に再現された建物になります。
できる限り忠実に再現できるように、徹底した工夫を行い、今の形ができています。
かつての建物の資材なども、新しい三菱一号館美術館の一部としても使用されています。
歴史を感じる建物でもあり、おしゃれで最先端のデザインであったことが今でも伝わってきますね。
とても味わい深い建物です。東京の一等地である丸の内にも自然と馴染んでしまうのですから、さすがだといえるのではないでしょうか。
三菱一号館美術館は、作品の展示室が1階・2階・3階で分けられています。
場所柄を考えると建物の大きさや構造にも限界があるため、大きなスペースを保有できません。
平均40m2程度の部屋を20箇所に作る特殊な美術館でもあります。
2010年のオープン時は、開館を記念して「マネとモダンパリ」を開催し、たくさんの人が訪れました。
三菱一号館美術館の特徴
三菱一号館美術館はまだまだ歴史の浅い美術館ではありますが、さまざまな特徴を持ち合わせています。
見た目の印象もさることながら、実際に美術館としての機能などの違いもあるようです。
どんな違いがあるのか、解説していきたいと思います。
常設展がない
紹介している美術館の多くは、常設展があり常に鑑賞でき、時期やタイミングによって企画展があるのが一般的だと思います。
常設展の魅力もありますが、企画展にしかない特別感などもあり、足を運ぶ人もいると思います。
ただ三菱一号館美術館には常設展が設けられていません。
この点が美術館とは全く違うものです。
基本的なテーマは19世紀の近代美術をメインとしており、他に企画展として3回程度イベントが行われています。
三菱一号館美術館には、ロートレックの作品を数多く所有している経緯があります。
そのため、フランスにある美術館と姉妹提携を行っていることでも知られています。
ちなみにロートレックはフランスの画家として知られた人物になり、偉大なる芸術家としても名前を知られた人物です。
36歳で亡くなるまでにたくさんの作品を残しています。
自身が足に障害を持っていたこともあり、早く走る馬の絵なども残しています。
常設展がないため、企画展を見に訪れる人が多いのも、三菱一号館美術館の特徴なのではないでしょうか。
文明開化を肌で実感できる
三菱一号館美術館の魅力として、忠実に再現しているからこその当時の文明開化を実感できる点も素晴らしいと思います。
主に使用されているクイーンアン様式は、イギリスで有名なものになり、歴史のある建物には今でも残されています。
外見は、不規則で整ったものとは言えません。
この辺りも日本の美学とは少し違うのが面白いですね。
杖や方杖の部分に装飾品を施すのも特徴になり、どれもエレガントで上品さを感じさせてくれます。
建物内のレトロさもあるので、自然と馴染みますし、とても美しい仕上がりです。
そのままの建物ではないにしても100年以上の時を経て今に生まれ変わった建物と考えると、とてもロマンがあると思いませんか。
文明開化を歴史で知っている人にも、まるでタイムスリップしたかのような感覚で楽しめると思います。
小さな飾りの一つにしても明治時代を意識したものばかりです。
そのため、より現実味があります。
明治時代を本でしか知らない世代でも一度足を運んでみると面白いのではないでしょうか。
他にも三菱一号館美術館は芸術品のポスターなどを中心に保管していると思われがちですが、実際は陶磁器やガラスなどの作品もそのまま残しています。
これらは19世紀のジャポニズムを受けて制作されたものです。
日々の生活のなかで自然に取り入れているため嫌味も感じません。
どこか当たり前のような光景にも見えるのが不思議です。
三菱一号館美術館の併設レストラン、カフェ、グッズ
三菱一号館美術館自体は大きな施設ではありませんが、併設している施設がたくさんあります。
そのため周囲と合わせて一緒に楽しめると、より魅力が伝わるのではないかと思います。
三菱一号館美術館の設備について紹介します。
レストラン
三菱一号館美術館の1階にあるのが「cafe1894」です。
名前からしておしゃれなのがわかると思います。
作品を見た後の余韻に浸りながらゆったりとした時間が過ごせます。
もともとは銀行の営業室として使われていた歴史があるようです。
映画のような雰囲気のなかで、美味しいティータイムやランチ、ディナーなども楽しめます。
どれも充実しているので、食べるものを選ぶのに迷ってしまいそうですね。
不定休なのもあり事前に問い合わせておくと安心です。
もし休みだったとしても東京駅周辺にはたくさんお店もあるので安心です。
おみやげ
三菱一号館美術館のなかにある「Store1894」はオリジナルグッズが購入できるお土産屋さんです。
企画展ならではのおみやげを購入したいときにも使えるお店です。
世界中から珍しい雑貨なども集めて販売しています。
見たこともないものばかりなのでその場にいるだけでもワクワクした気持ちになりそうです。
国内ではここでしか取扱がない商品もあります。
お土産にしても喜ばれること間違いなしです。
美術館の鑑賞をしているかどうかは関係なく利用できます。
もしおみやげをお探しの際は立ち寄ってみてもいいと思います。
手頃でおしゃれなものばかりなのもあり、レアなアイテム探しをするのも楽しいのではないでしょうか。
企画展グッズも見逃せません。
まとめ
三菱一号館美術館は、明治時代のレトロな建物をそのまま忠実に再現した驚きの美術館です。
場所柄もあっておしゃれなものがたくさん揃っています。
東京駅に行く際はちょっと立ち寄ってみて、お気に入りのアイテムを探してみても面白いのではないでしょうか。
企画展なども定期的に行っているので、随時情報を確認しておくとお目当ての作品に出会えるかもしれません。
三菱一号館美術館の魅力を実感してくださいね。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 三菱一号館美術館 |
住所 | 東京都千代田区丸の内2-6-2 |
電話番号 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
ホームページ | https://mimt.jp/ |