カイ・ボイスンのカトラリーは、発売から50年以上経った今も世界中の人々に愛され、デンマーク王室御用達の逸品ともなっています。
20世紀のデンマークを代表するデザイナー、Kay Bojesen(カイ・ボイスン)。
銀細工職人として自身のキャリアをスタートさせ、カトラリーや木製玩具の分野で一躍有名となりました。
シンプルなデザインの中に隠された魅力や、豊富なアイテムラインナップについてご紹介します。
カイ・ボイスンのデザイナーとしての歩み
1886年にデンマークで生まれたカイ・ボイスンは、同郷のライフスタイルブランド「Georg Jensen」で数年働いたのち、銀細工職人として独立しました。
彼の名前の代名詞的な存在となっているカトラリーは、1938年に銀食器としてデザインされました。
やがて戦時状況下において銀の調達が困難になったため、当時工業製品としては珍しかったステンレスに素材を変更。
このステンレスカトラリーがミラノの国際コンテストで3年連続グランプリを受領し、それにちなんで「Grand Prix」と名付けられました。
1991年以降、日本有数の金属加工品の産地・新潟県燕三条のメーカーが、カイ・ボイスンのカトラリーの生産を請け負っています。
1930年代からは長男の誕生をきっかけに、木製玩具の制作もスタート。
ブランドのアイコン的存在になっている「モンキー」をはじめ、カバや象など、それぞれの特徴をうまく捉えた表情豊かな動物たちがコレクションとして登場しています。
カイ・ボイスンのカトラリーの特徴
余分な装飾は一切なく、見た目はいたってシンプルなカイ・ボイスンのカトラリー。
最高級ステンレスを使用しており、つや消し加工のマットタイプとミラータイプから選ぶことができます。
キズが目立ちにくいのはマットタイプ、やや高級感を出したいのであればミラータイプがおすすめ。
数あるアイテムの中で、特にバリエーションが豊富なのがスプーン。
コーヒースプーンやジャムスプーンなど、全部で8種類もの展開があります。
それぞれの用途に応じてサイズ、形、角度が細かく設計されており、その使い勝手の良さに最初は驚いてしまう人もいます。
デンマーク王室や世界各国の大使館、レストラン、ご家庭で愛用されていることからも、カイ・ボイスンのカトラリーの素晴らしさをうかがい知ることができます。
少しずつ揃えたい、おすすめカトラリーアイテム
スプーン、フォーク、ナイフを中心としたラインナップのカトラリー。
一度に揃えても良いですが、少しずつ揃えて、毎日の食卓の小さな変化を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
今回は、特に出番の多そうなアイテムをいくつかご紹介します。
ディナー用カトラリー(ディナースプーン/ディナーフォーク/ディナーナイフ)
レストランやホテルで使われるような、少し大きめのカイ・ボイスンのカトラリーシリーズ。
メインディッシュの他、大皿料理を取り分けるときにも便利なサイズです。
柄の部分は比較的細めに作られているため女性でも持ちやすいものの、口に運んだ時に「ちょっと大きいかな?」と感じる方もいるようです。
サイズ感が気になる場合、普段お使いのカトラリーとよく比較したうえで選びましょう。
ケーキフォーク
手のひらサイズのフォークは、果物やケーキを食べるのに最適なデザイン。
一般的なケーキフォークよりも口に当たる部分が大きめなので、柔らかいケーキも口に運びやすいのが特徴です。
ぜひ、カイ・ボイスンのケーキサーバーとセットで使ってください。
スープスプーン
名前のとおり、スープを美味しく飲むために作られたカイ・ボイスンのスプーン。
通常のスプーンよりも丸みを帯びた形状で、口当たりが良く、スープを口に運びやすいように左右非対称に作られています。
深さも程よく、たっぷりと一口分のスープをすくうことができます。
普段、スープ用にスプーンを使い分けていない方は、使い勝手の良さに感動するかもしれません。
取り分け用カトラリー(サービススプーン/サービスフォーク)
料理を取り分けるために作られたカイ・ボイスンのカトラリーです。
パスタやサラダを盛り付けたり、魚の煮物のように汁気の多い料理にも使いやすい形状。
ひとまわり小さいサイズも展開されています。
セットで揃えておくとトングのような使い方もできて便利です。
ラテスプーン
細長い持ち手が特徴のラテスプーンは、飲み物をかき混ぜたり、パフェのように深いグラスに入ったものを食べる時にも大活躍します。
瓶の底に残ったジャムなどをすくうのにも便利。
特徴のある形状なので、最初に見たときは「何に使おう?」と迷ってしまいそうですが、意外と用途を選びません。
買って良かったという声がとても多いカイ・ボイスンのスプーンです。
まとめ
食卓の主役ではないけれど、毎日使うものだからこそ、使い心地にこだわりたいカトラリー。
見た目には大きな違いがない分、どのブランドを選ぶか悩んでしまうことも多いと思います。
カイ・ボイスンのカトラリーは、シンプルで飽きの来ないデザイン、細かく用途別にデザインされた形状、価格帯、どれをとっても満足度が高く、世界中で愛されている理由がよく分かります。
ぜひ普段の食卓に取り入れて、その素晴らしさを実感してください。