軽井沢千住博美術館は、日本画家である千住博氏の数々の作品に出会える場所です。
千住氏が日本画と出会ったのは、高校生の頃。担任教師のすすめでグループ展に足を運び、岩絵の具に魅せられました。
その後、東京藝術大学に進学し、大学院を卒業後は世界をまたにかけて活躍する日本画家となったのです。
この記事では、千住作品の魅力や美術館についてわかりやすく説明します。
軽井沢千住博美術館の歴史・成り立ち
軽井沢千住博美術館は、観光地にたたずむ白亜のミュージアムです。
設計を担当したのは、著名な建築士である西沢立衛(りゅうえい)氏。
軽井沢の美しい自然と芸術がみごとに一体化した空間です。
日本画家・千住博の生い立ち
作品を知るには、まず千住氏の半生をたどりましょう。
千住氏は、1958年東京生まれ。千住3兄妹の長男として生を享けました。
父は工学博士の千住鎮雄氏、母は教育評論家・エッセイストの千住文子氏です。
驚くべきエピソードとして、幼少期の千住氏は、家中のカベやふすまをキャンバス代わりにして絵を描いていたそう。
才能が開花するのが早かったのですね。
高校時代の千住氏は、グラフィックアートに興味を持っていました。
日本画に転向したきっかけは、たまたま観に行った日本画のグループ展。
そこで岩絵の具と出会うのです。ちなみに岩絵の具とは、鉱物を砕いて作る粒子状の画材。
「これで絵を描きたい」
少年はその一心で東京藝術大学を受験し合格。日本画専攻コースで学んでいます。
持って生まれた才能を努力で磨き上げ、修士課程修了時に提出した作品は首席で買い上げに。
同大学の博士課程を満期退学し、画家として踏み出したのでした。
生粋の東京人である千住氏は、自然豊かな光景に惹かれて数多くの風景画を描いています。
日本画に新たな風を吹き込む
千住作品の特徴は、伝統的でありながら現代的な要素を取り入れること。
淡い色彩で力強く自然の生命力を表現するのに長けています。
1993年、ニューヨークにて発表した『フラットウォーター』が話題になりました。
これはキラウエア火山の溶岩が海に流れ込む様子を絵筆で表現した作品。
自然が好きな千住氏らしいですね。
1995年には、イタリアで開催された第46回ヴェネツィア・ビエンナーレにて名誉賞を受賞。
東洋人として初の快挙を成し遂げた千住氏の名前は、世界に知れ渡りました。
また、パブリックアートでも目覚ましい活躍をしています。
大徳寺聚光院別院の襖絵を制作したり、ブルガリとコラボした腕時計を発表したりと、マルチな才能を発揮。
今や一流の日本画家として不動の地位を確立しました。
軽井沢千住博美術館の特徴
画家本人が存命中であり、いわば「生きたミュージアム」です。
ここが他の美術館とは大きく異なるポイントです。
軽井沢にふさわしい白亜の建物
冒頭でもお伝えしたように、西沢立衛氏が設計に携わりました。
西沢氏は、建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」を受賞しています。
千住氏の希望通り“明るく開放的な、今までなかったような美術館”を生み出しました。
傾斜のある土地をそのまま生かし、少し角度のある作りに。
決まった経路はなく、鑑賞者の気のおもむくままに絵を眺められます。
所々に庭が設けられ、シルバースクリーンとUVカットガラスで自然と一体化した空間を実現。
誰しもまるで森の中を散歩しながらアートを楽しむような感覚になります。
四季折々の草花があふれる庭
絵画だけでなく、カラーリーフガーデンも見どころです。
150種類以上の植物が植えられており、季節ごとに違った景色をみせてくれます。
いつ訪れても飽きない、色鮮やかな庭。
写真を撮るだけでも楽しいでしょう。
美術館の公式サイトで庭の最新の情報を発信しているので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
千住作品の代名詞
1978年からの作品が一堂に会し、人気作品と出会えます。
特に有名なのが「ウォーターフォール」シリーズ。
絵からマイナスイオンが放たれているかのよう。
美術館の一番奥にひっそりと「ザ・フォールルーム」があります。
カベ一面に滝の絵が展示され、静謐な空気が流れている場所。
作品とじっくり向き合えるようにと、照明はあえて控えめになっています。
千住作品は、人気のある絵画となるとかなりの高値で取引されます。
実物を購入するのは至難の業ですが、美術館で眺めるならそれほどお金はかかりません。
併設ミュージアムショップ・カフェ
いよいよお楽しみのショップ&カフェ情報に移ります。
両方ともチケットなしで利用できるのがうれしいですね。
ショップ
千住氏の書籍やセレクトグッズなど、眺めているだけでも楽しいものばかり。
ここでしか買えないオリジナルグッズが満載。
オンラインショップもあります。
美術館まで足を延ばすのが難しい人は、こちらから購入できます。
おすすめグッズ
- オリジナル卓上カレンダー
- 絵本『星のふる夜に』
- ポストカード
- アートタイル
- レターセット
- 名刺入れ
- 熊野の化粧筆
- ポチ袋
- コンパクトミラー ウォーターフォールシリーズ
鏡には色違いの商品があります。日常的に使うものなので、お気に入りのミラーがあるといいかもしれませんね。
『星のふる夜に』の絵本は、子供向けのお土産として好評。
もちろんここでピックアップしたグッズ以外にも、たくさんのグッズがあります。
カフェ
軽井沢の老舗ベーカリー「ブランジェ浅野屋」が併設されています。
ちなみに本店は軽井沢銀座商店街にあります。
イートインで朝食を食べるのにぴったり。お土産にしても喜ばれますよ。
軽井沢限定のパンやトートバッグにもご注目。
おすすめパン
- カレーパン
- クリームパン
- トマト&モッツアレラ
- カンパーニュ(クランベリー&チーズ)
トマト&モッツアレラは、プチトマトが丸ごと使われています。
揚げパンとの相性は抜群。口の中で瑞々しく弾ける食感をお楽しみください。
軽井沢限定のパン
- 紅茶香るティーブレッド
- 人気No.1のショコラブレッド
- 白イチジクと木の実のライムギパン
- ラム酒入りのふんわりレーズンブレッド
まだまだおすすめのパンはありますが、紹介しきれないのが残念です。
まとめ
今回は、軽井沢千住博美術館について解説しました。
敷地内にはギャラリーがあり、企画展やイベントを開催しています。
その他、映像資料を観ることも可能。ギャラリーのみなら入場料は無料です。
美術館に立ち寄った際は、ぜひどうぞ。非日常の時間を体感できるでしょう。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 軽井沢千住博美術館 |
住所 | 長野県北佐久郡軽井沢町長倉815 |
電話番号 | 0267-46-6565 |
ホームページ | https://www.senju-museum.jp/ |