みなさんはコーヒーの木をご存知ですか?
私たちが飲むコーヒーのコーヒー豆が採れる植物とまったく同じものが、コーヒーの木という名前で売られているのです。
コーヒーの木は、ホームセンターや100円ショップでも手に入り、身近な観葉植物として人気です。
その一方で、専門家からは元気に育てるのがむずかしいという声もあります。
この記事では、コーヒーの木の育て方や魅力を、花言葉や風水にも触れながら紹介していきます。
コーヒーの木ってどんなもの?
コーヒーの木は、アカネ科コーヒーノキ属に分類される常緑低木です。
観葉植物として流通しているのもは、コーヒー豆が収穫されるコーヒーの木の「幼木」にあたります。
コーヒーの木はコーヒー豆の栽培地では、高さが1メートルぐらいになります。
観葉植物として流通しているのは、アラビカ種という小型の品種が多いようです。
日本のお店で売られているのは、小型のアラビカ種で、しかも幼木というわけです。
たいてい高さ10〜15cmぐらいのかわいいコーヒーの木が売られています。
コーヒーの木の花言葉
コーヒーの木の花言葉は「一緒に休みましょう」というものです。思わず、コーヒーの木を傍らに置いて、ゆっくりしたくなってしまいます。
そこに美味しいコーヒーがあれば最高です。
花言葉は古代からヨーロッパに伝わっているもので、こんな素敵な花言葉をいったい誰が決めたのかは、はっきりわかりません。
コーヒーの歴史は古く、人の手による栽培が始まったのは、6世紀〜9世紀ごろのアラビアだったという説があります。
その後、長い年月をかけてヨーロッパやイスラム圏へ広まっていきました。
きっと昔の人もコーヒーの木から一杯のコーヒーを連想し、安らぎを覚えたのではないでしょうか。
コーヒーの木は、風水的にはどんな意味?
ヨーロッパに起源をもつ花言葉で、素敵な言葉が与えられたコーヒーの木。
なんと古代から中国が発祥の風水でも高評価を博しているのです。
コーヒーの木の葉は上に向かって広がることはなく、やや下を向いているのが正常な状態です。
風水では、下向きの葉は「陰の気が宿っている」とされています。
日本では“陰の気”というと、“陰気”を連想させてよくないイメージですが「静寂のエネルギーを持つ」という意味で、決して悪い意味ではありません。
コーヒーを飲むと英気が養えるような気がしますが、風水でもコーヒーの木には「静寂のエネルギー」という素晴らしい意味があります。
花言葉、風水ともに【休む】ことにつながる意味合いを持つコーヒーの木は、まさにインテリアにぴったりの観葉植物だと言えるでしょう。
実はむずかしい?コーヒーの木の育て方
コーヒーの木は、手軽に買える観葉植物として人気がある一方で、元気な状態で育てるのはなかなか難しい植物でもあります。
葉がみずみずしく艶のある濃い緑色をしているため、気がつきにくいのですが、専門家が見ると“元気がない状態”ということもあるようです。
「葉が茶色っぽく変色してしまう」「葉がしおれる」「枯れそう」といった相談がインターネット上でも多く寄せられています。
コーヒー木の栽培は、手軽に始められるメリットがある反面、急に元気がなくなって慌ててしまうこともあるようです。
基本的な育て方のコツを一口メモと一緒に紹介いたします。
置き場所は?
室内だけではなく、日当たり・風通しのよいところに
コーヒー豆の原産地は、ブラジル、エチオピア、ジャマイカなどです。
すべて赤道に近いエリアで「コーヒーベルト」という呼び方を覚えている方もいるかもしれません。
コーヒーの木の原産地もコーヒー豆と同じです。コーヒーの木は、原産地と同じ暑いところを好みます。
例えば、ブラジルは冬でも20℃を下回ることがないほど暖かい気候です。
コーヒーの木にとって、気温が1ケタ以下になる日本の冬は寒すぎます。冬は室内に置いた方が良いでしょう。
しかし、いつでも部屋の中に置いておけばよいわけではありません。
コーヒーの木の元気がなくなる原因の一つに、ずっと室内で育ててしまうことがあるようです。
室内では、コーヒーの木に必要な日光が得られないばかりか、風通しが悪いため根が湿って根腐れの原因にもなってしまいます。
コーヒーの木は、枯れるほど弱ってしまうことは少ないのですが、専門家から見ると葉が下を向きすぎていたり、本来は咲くはずの花が咲かないということがよくあるのだそう。
せっかくコーヒーの木を手に入れたら、元気に育ってもらうため、冬以外は風通しのよい日向のベランダや屋外で育てるのがおすすめです。
すでに室内で育てている場合には、急激な変化に弱いため、窓際で慣らしてからベランダや屋外へと少しずつ移動させるようにしてください。
水やりは?
あげすぎ厳禁
コーヒーの木の水やりは「土の表面が白っぽく乾いたら、鉢の底から流れ出すぐらいにたっぷり水やりをする」という他の多くの植物にとっても定石のやり方が最も合うようです。
コーヒーの木が赤道付近の原産地に自生している姿をイメージすると、雨は毎日きまって降るわけではなく、降る時にはスコールのような大雨が降るはずです。
コーヒーの木には、土がいつもジメジメと湿っているよりは、乾いたり、充分に水が供給されたりを繰り返す環境の方が合うのでしょう。
植物は、意外と深くまで根を張っていて、その根の下の方まで水分を必要としています。
乾きぎみという言葉のイメージから、水やりをするときの水の量まで控えてしまうと根が水を吸い上げられず、水やりの意味がなくなってしまいます。
頻度を減らしても、水やりをする時にはたっぷりと水やりましょう。
害虫対策は?
まずは水で流そう
コーヒーの木には、葉に蜘蛛の巣のようなハダニという害虫がつくことがあります。
また、アブラムシもつくことがあるようです。そんな時には水で洗い流してしまいましょう。
室内に置いている場合も、一時的に外に出して、勢いよくシャワーの水をかけると退治できることも多いです。
害虫の影響を受けないためには、こまめに観察し、早めに洗い流してしまうことが大切です。
コーヒーの木の花と実ってどんなもの?
コーヒーの木の花
観葉植物として流通しているコーヒーの木は、幼木であることにはすでに触れました。
コーヒーの木は、発芽から約3年ぐらい経って成木になってから鼻を咲かせます。
日本国内で観葉植物として育てられているコーヒーの木は、なかなか花を咲かせることがありません。
観葉植物というイメージから、室内で育ててしまうことが、花が咲かない原因の一つになっているようです。
コーヒーの木は、日当たりが良くないとなかなか花をつけてくれません。
何年も経っているのに花が咲かないときは、日当たりのよい場所に移してみましょう。
コーヒーの木の花は、小さく白い花で、緑の葉とのコントラストがとても綺麗です。
コーヒーの木の実
花が咲けば、次は実が見たくなるものです。
コーヒーの木の実は赤い色で、そのまま食べると甘酸っぱく美味しいということで「コーヒーチェリー」と呼ばれています。
乾燥させたコーヒーチェリーを茶葉として淹れるコーヒーチェリーティーというものもあります。
コーヒーチェリーは、ガーデニング愛好家だけでなく、コーヒーの愛好家からも憧れられる存在です。
自分の手で育てたコーヒーの実から一杯のコーヒーを淹れるために、コーヒーの木を育てている方もいるようです。
コーヒーの実は、乾燥させ焙煎することで、私たちも見慣れたコーヒー豆になります。
もし、うまく赤い実がなっても、そのあと、一ヶ月に及ぶ乾燥、40分ぐらいかかる皮むき、焦げないように気をつけての焙煎、できあがった豆を挽く、という手間をかけて、やっと一杯のコーヒーになるのです。
おわりに
花言葉、風水ともにゆっくり休むのにふさわしい意味をもつ「コーヒーの木」はまさにインテリアにぴったりのグリーンです。
花や実を見せてくれるまでの道のりは長そうですが、緑の葉だけでも十分に綺麗で、育ててみたくなりますね。
また、コーヒーの木の実が一杯のコーヒーになるまでには、とても手間がかかっていることもわかり、何気なく飲んでいたコーヒーに感謝する気持ちが湧いてきました。