この記事では、良い苗の見分け方についてご案内します。
ガーデニングは奥が深くむずかしいものだからこそ、苗の選び方はとても重要です。
お花屋さんには、花やグリーンの苗が所狭しと並び、なかなか選べないほどです。
目当ての花を決めてお花屋さんに行ったのに、別の苗に心惹かれて買ってしまったこともあるのではないでしょうか。
しかし、決めておいた品種ではなく、元気の良い苗に変更するのは大正解です。
良い苗とはどんなものか?
はじめに、良い苗の特徴を挙げてみます。
- 元気よく形のバランスがとれた苗
- 根が飛び出していない苗
- つぼみがたくさんついている苗
- 葉や茎色つやがよく、虫のついていない苗
読んですぐわかるものもあれば、わかりにくい項目もあると思いますので、具体的に解説していきます。
元気よく形のバランスがとれた苗
元気のよさは見てすぐわかります。
葉や茎が黄色っぽくなったりせず、ピンとハリがあるような状態です。
「バランスがとれた苗」とは、その植物の健康な状態に近い姿をしているということです。
例えば、パンジーやビオラは高く伸びることなく、葉のそばで花を咲かせるのが普通です。
もし、花がヒョロヒョロと茎を伸ばした先に咲いていたら、よい状態とはいえません。
植物がヒョロヒョロと無駄に伸びてしまう状態を「徒長(とちょう)」といいます。
徒長の原因は、日照不足、水分過多、肥料が合わない、などさまざまですが、日光が足りず、上へ上へと伸びていると考えるとわかりやすいかもしれません。
苗を買うときに、徒長に気付くには、その花の本来の姿を知っておく必要があります。
根が飛び出していない苗
ポットの下から根が飛び出しているかチェックします。
根が飛び出しているということは、苗の小さなポットの中で生長した根が行き場を無くしてしまって状態です。
この状態は「根づまり」と呼ばれます。
すぐに植え替えれば大丈夫と思われるかもしれませんが、飛び出すほどに根づまりをしてしまっていると、根がうまく土からの栄養をとりこめずに花全体が弱っていることもあります。
そもそも、苗を購入すると根がぎっしりになっていることはよくあります。
それでも急いで鉢に植え替えた方がいいぐらいなので、根が見てわかるほど飛び出しているほどの苗は避けておいた方がよいでしょう。
つぼみがたくさんついている苗
つぼみがたくさんあるということは、花が咲く準備ができている証拠です。
健康でないと花を咲かせることはできませんので、つぼみがあれば、苗全体の生育が良好だということがわかります。
ただ、つぼみがあっても、一部が茶色くなったり変色があるものは、つぼみをつけた後の状態が悪くなってしまったサインかもしれません。
つぼみの数だけでなく、つぼみの状態もしっかり見ておきましょう。
また、開花時期に近くなければ、どんなに状態が良くてもつぼみはありませんので、その植物の特性を知っておくことが大切です。
わからなければ、苗に挿してあるタグを参考にしてみてもよいかもしれません。
葉や茎の色つやがよく、虫のついていない苗
パッと見て生き生きと元気そうでも、葉や茎に虫がついてしまっていることがあります。
アブラムシやクモの巣が張っているように見えるハダニが園芸用の花によく見られます。
害虫は早めに気づけば、水で洗い流したり退治できることもあります。
しかし、花全体が全滅してしまうことも多いものです。
せっかく新しい苗を購入したするなら、虫のついていないものを選びましょう。
ポットを持ち上げて、葉の裏までよく見て確認するのがおすすめです。
良くない苗を購入してしまったら?
もし、家に持ち帰った後に、苗の良くない点に気づいてしまったら、徹底的に自宅でできる対策をしてみましょう。
- ポットから鉢植えに植え替えて、合う環境に置く。その花に合った日当たりや温度、水のやり方を調べて、その通りにする。
- 根詰まりした苗は、伸びすぎた部分をハサミでカットしてほぐしてから植え替える。
- 茶色くなったつぼみは、病気にかかっている可能性があるので、摘みとる。
- 黄色くなった葉や虫のついた葉を取り除く。広範囲についた虫は強めの水流で流したり、必要に応じて害虫駆除のスプレーをつかう。
このような対策を試すと、新しい環境で元気な良い苗に育ってくれることがあります。
ガーデニング上級者の人は、あえて痩せた苗を選んで自宅で元気にしていることもあるようです。
良い苗が見分けられない時の裏ワザ
良い苗選びのポイントを挙げてきましたが、なかなか見た目でわからない、ということもあると思います。
そんなときには、割引のされていない定価の苗を選んでみましょう。
すぐそばに、半分以下のお値段の苗があると、定価の苗は高価に感じられてしまいます。
でも、ほんの何百円の違いなら、元気で長持ちしてくれるに越したことはありません。
他には、お店の人に「おすすめ」を聞いてみるのもよい方法です。
フラワーショップやホームセンターの店員さんはセールストークなどはなく、こちらのペースで買い物をさせてくれることが多いものです。
でも、思いきって聞いてれば、店員さんのおすすめの苗を教えてくれるでしょう。
お店にはかなり前に入った苗などもあるかもしれませんが、質問すれば入荷したばかりの良い状態の苗を教えてくれるはずです。
前もって、花の特性を知っておこう
あらかじめ目当ての品種を決めて、その特徴も調べておけば、購入のときにかなり役立ちます。
例えば、秋から春にかけて咲くビオラの苗を初秋に購入する場合、あまり花が咲いていなくても気にすることはありません。
花の時期はまだこれからだからです。でも、同じビオラを11月に購入するなら、花は多めについていた方が安心です。
その花の特徴を知らないと、花やつぼみがないからダメ、という短絡的な見方になってしまいます。
例えば、徒長ではなく、もともと長く伸びる性質の花(センニチコウなど)もありますので、先に挙げた良い苗のポイントだけでは、どうしても不十分です。
もし、下調べをしていないときには、苗に挿してあるタグも参考になります。
可能であれば、その場でスマートフォンで調べてもよいかもしれません。
ネットを活用してみよう!
今は驚くほどたくさんのオンラインのフラワーショップが、メジャーな品種からめずらしい品種までを取りそろえてショップ運営をしています。
その気になれば、今すぐにでも、憧れのお花の苗を注文できる時代です。
ネットショップのメリットは、多くの場合、生産者の方が直接運営しているところです。
店への輸送や店頭での保管で傷むことがない分、実店舗で購入するよりも状態の良い苗が手に入りやすくなります。
植物の特徴や育て方について、生産者ならではの解説がされている場合もあり、たとえ購入しなくても大いに参考になります。
ショップに相談が出来るところもあり、不安な点を文章で質問することもできます。
普段ネット購入をしない方は抵抗があるかもしれませんが、購入者からのコメントも読むことができますので、評判のよいショップを選ぶとよいでしょう。
デメリットとしては、送料が必要不可欠なことです。
一定の額以上は、送料無料になったり、何点買っても送料は同じこともあります。
1点ずつ買うのではなく、必要な花を熟考して、いくつかまとめ買いをするのがおすすめです。
必要な苗が何かを考えることは、送料の節約だけでなく、ガーデニング計画にも役立つでしょう。
おわりに
ガーデニング上級者の方は、あえて痩せた苗を安く購入して自宅で大きく育てるということもされています。
コストも抑えられ、育てる醍醐味を味わえそうで、憧れてしまいますが、まずは良い苗を選び、育て方を覚えていくことが大事です。
ネットショップも上手に活用しながら、目指すガーデニングに向けて一歩ずつ進んでいけたらと思います。