この記事では、デッサンに慣れていない初心者向けに、デッサンを行う際のコツと練習方法を詳しく紹介します。
デッサンをするときは、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?
まず最初に、デッサンが上達するための押さえておくべきポイントを4つ解説いたします。
デッサンのコツ①|基本をしっかり繰り返す
シンプルな図形を描く
デッサンの練習にはポイントがあります。
まずは、丸や四角などのシンプルな形、例えばティッシュ箱などを観察して、デッサンしてみましょう。
そのような単純な図形でも難しいものですが、練習を繰り返すうちに上手く描けるようになります。
球体は、立体的に見えるように影の部分をよく観察して、影の濃さを調節する必要があります。
また四角い立体は、きれいな直線で輪郭を描くので、フリーハンドでもまっすぐな直線を引けるようにするのが上達の秘訣です。
慣れてきたら、自分の手を見て指の関節・しわ・手の平の膨らみなどの特徴をしっかり観察して、形・構造を理解できるようにしましょう。
その後は、写真ではなく様々な実物を見て描くことを繰り返していきましょう。
対象をよく観察する
ポイントを抑えるために、描きたい対象をまず、じっくり観察します。
描くためのポイントがさっぱりわからなくても、その物の本質を把握することから始めましょう。
対象となる描く物の形状・質感・陰影などの様子、特徴を観察して紙の上に表現するのですから、全体のバランスや細かい点にも注意を払います。
観察したことをそのままデッサンするにあたり、最初からスムーズにいかなくても回数をこなしましょう。
そうすることで徐々に観察眼も鍛えられ、描くときのポイントも掴めてくるようになりますよ。
表現力を鍛える
観察した情報を紙面に忠実に描くには、何度も向き合うことで表現力が鍛えられます。
光による陰影のつけ方や、質感は、表現力が付いてくると明らかに違ってきますから、練習することで画力アップに繋がります。
人を感動させることができるほどになると、とても楽しくなってきますよ。
デッサンのコツ②|デッサンに必要な道具を準備
必要な道具は、鉛筆、消しゴム、練習用の紙です。
鉛筆
鉛筆には、10Hから10Bまでの全22種類の硬度があります。
濃さにはH・B・Fの3種類ありますね。
H:ハード(Hard)が頭文字の硬くて薄く描ける鉛筆H
B:ブラック(Black)の頭文字の柔らかく濃く描ける鉛筆B
F:ファーム(Firm)の頭文字の『しっかりとした』という意味の鉛筆F、これはHとHBの中間の硬さです。
初心者の方はデッサンするとき、3Hから3Bの鉛筆を準備すれば十分間に合います。
レベルが上がってきて描き足りないと感じる段階になったら、その都度に必要な鉛筆の硬さに応じて追加していきましょう。
消しゴム
デッサンでよく用いられるのは『練り消し』という消しゴムです。
柔らかい粘土のような消しゴムで、自由自在に形を変えられるので、とても便利です。
それほど粘着性の高くないものを選ぶといいでしょう。
『練り消し』は、描いた部分の修正、色抜きなどのために用いますが、押し付ける、擦り付けるなどで表情を出すこともできます。
あまり粘着性の高くないタイプを選びましょう。
デッサンでは、『プラスチック製消しゴム』は紙を傷めてしまうので、それほど使用頻度がありません。
ですが、紙の余白部分の汚れに対しては便利でしょう。
練習用紙
なるべく厚めの紙を用いるようにします。
なぜなら、薄い紙は、破れたり傷みやすい特徴があるからです。
さらに、鉛筆の黒鉛は、つるつるの紙ではなく、ざらざらの表面の紙のほうが定着しやすいので、画用紙やスケッチブックが厚みや表面の紙質の点からもデッサン用におススメできます。
ケント紙、TMKポスター紙、コットン紙、画用紙などもありますが、ケント紙や画用紙は、一枚あたりのコストが高いため、練習用に用いるのにはもったいないです。
スケッチブックの場合は構図を考えたり、エスキース(下絵)にも気軽に使えますよ。
裏表紙が硬いスケッチブックは、裏表紙も硬いことから、いつでも持っていると描きやすく気軽にデッサンできますから、練習用紙に最適でしょう。
追加事項
まずは、HBのデッサン用鉛筆とケント紙、スケッチブック、練り消しゴム、カッターナイフ、画面を傾ける什器、ボード、紙を止めるものがあれば、デッサンをスタートできます。
下記はその他、あると便利なアイテムです。
木製パネル
画用紙を張り付けるためのパネル。
イーゼル
木製パネルを立てかけるためのスタンド。
水張りテープ
木製パネルに画用紙を張り付けるときに使うテープ。
刷毛
木製パネルに画用紙を張り付けるとき、紙に水を塗るためのもの。
デッサンのコツ③|鉛筆の持ち方と表情の変化
持ち方が変われば、表情も変化し、筆圧や描く線のタッチも変わってきます。
鉛筆を持つ位置を変えて、筆圧や濃さを調節しましょう。
デッサンの鉛筆の持ち方は3種類
受け手持ち
手の平は上向き。人さし指の上に鉛筆をのせて親指で支える持ち方。
それほど力をかけずに薄く塗ることができます。
また、広範囲にわたる線などは、腕の動きで表現しやすいことから大きく描く、塗る、に適しています。
順手持ち
手の平は下向き。親指・人さし指・中指の三本で鉛筆を軽くつまんだような持ち方。
大きく描くのに向いていますが、力をかけて描くことをしやすく、広い範囲の陰影などを濃く塗るときに適しています。
鉛筆持ち
通常の文字を書く時の持ち方です。
指先を繊細に動かせば細かい部分を描きやすく、また筆圧をかけやすい持ち方なので、力強い線や濃い線を描くのに適しています。
デッサンのコツ④|デッサン鉛筆はカッターで削るべし
鉛筆削りを用いたくなりますが、デッサン鉛筆はカッターで削ります。
デッサン鉛筆を尖らせてしまうと、芯の横の部分でせっかく太い線が描けるようになっているのに描けなくなりますから、芯は1cmほど露出させるのがコツです。
カッターで削ることで、芯の先端を削って尖らせたり、線の太さ、描きやすさに対応しやすくなります。
おわりに
今回は、初心者がデッサンを行う際のコツと練習方法についてご紹介しました。
もちろん、毎日たくさんデッサンを描くことが上達のコツです。
本を山ほど読んだからといって絵がうまくなるわけがありませんよね。
取り急ぎ、上記の画材を揃えて描いてみるのはいかがでしょうか。