キュビズムという新たな表現は革命的?

キュビズムは20世紀初めのパリで起こりました。

それまで西洋美術の中で当然とされてきたルール、例えば遠近法などがまるでなかったかのように、キュビズムはその原則を根底からひっくり返して誕生したのです。

この新たな美術表現は、後の美術に関する概念を変えるほどの大革命と言っても過言ではなく、非常に革新的なものでした。

たった数人の画家が生み出した試みから生まれた新たな美術表現、キュビズムについてみていきましょう。

キュビズムを知る

プラハのキュビズム建築
VitVit – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

一つの対象を一つの視点からではなく、多々ある視点から見たイメージとして表現しようとした試み、それがキュビズムです。

そのため、それまでの西洋美術のルールを覆すばかりか、斬新的なものとして世に現れることに。

この新たな美術表現は、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出されました。

1911年、アンデパンダン展へ出展されると注目を浴び、第一次世界大戦前後に収束となるまで目覚ましいものがありました。

その後の20世紀における美術の土台ともなる風格として影響を与え、デザインや建築、彫刻などの分野で、キュビズムは今現在も衰えを知りません。

活躍した代表的アーティストとキュビズム

パブロ・ピカソ
パブリック・ドメイン, リンクによる

キュビズムという言葉の語源は、ブラックによる風景画からきています。その絵は、まるで「小さなキューブ(立方体)による絵」のようだった、というのです。

パブロ・ピカソ(1973~1881年、享年91歳)

スペインの画家であるピカソは、20世紀最大のアートの巨匠であり、天才と言われています。並外れたカリスマ性と独自のオリジナル性が絶賛されていますね。

ポスト印象派の巨匠セザンヌに影響を受けながら、一流画家たちの画風をブレンドしたかのような「バラ色の時代」でデビューし、この作品は彼自身を一躍有名にすることに。

後述する『アビニヨンの娘たち』を完成させますが、この作品は非常に野心的なスタイル、また多面的視点から対象を描いたものでありキュビズムの技法の最たるものとされました。

『泣く女』・パブロ・ピカソ:1937年

ピカソの愛人とされた感情をあらわにするタイプの女性、ドラ・マールを描いた作品。

第二次世界大戦へと向かっていた当時の重苦しい社会的雰囲気すら感じとられるような作品で、いつもシクシクと泣く愛人の顔を多用な角度から表現しています。

極彩色の鮮やかなコントラストは強烈で力強く、表現は鋭角的です。

ドラ・マールはシュルレアリスムの写真家として活動もしていたことから、政治的背景もあり、独特の雰囲気を醸し出しています。

『ゲルニカ』・パブロ・ピカソ:1937年

スペイン内戦に介入したドイツ軍による無差別爆撃などがあったことから、ゲルニカの地は悲惨な状況にありました。

そんな中、ピカソは政府からの依頼で、1937年5月、パリ開催の万国博覧会におけるスペイン館に飾るための絵を描きました。

この絵は、教科書にも掲載されるほど有名であり、戦争の悲惨さを表現したピカソの代表作でもあります。

白、黒、灰色のみの色彩の中で混乱する人々、馬や牛も混乱し血相を変え、火も表現されています。

無機質な雰囲気が作品に重厚感を与えています。

泣き叫ぶ女性は死んだ子どもを抱えています。

倒れた兵士など、登場する人々や動物たちの惨状が見て取れますね。

戦争を反対する絵画芸術の最たるものとして美術史に残されている傑作です。

『アヴィニョンの娘たち』・パブロ・ピカソ:1907年

この絵は、スペイン・バルセロナのアヴィニョン通りにある売春宿で働く娼婦たちを描いた作品で、キュビズムの出発点になったといわれています。

右手前の女性が睨んでこちらを見ているのに驚かされるこの作品は、左側の女性は古代エジプト彫刻、右側二人の顔はアフリカ彫刻、中央の二人の女性の顔は古代スペイン彫刻の影響が見て取れます。

この作品は遠近法を徹底的に排除したものであり、写実的要素もまったくありません。

「アヴィニョンの娘たち」は、伝統的な遠近法も写実的な要素も排除されています。

まるで漫画のように描かれた女性たちの表情は、平面的です。

当時のピカソが影響を受けていたアフリカの仮面彫刻や古代イベリア彫刻の特徴が強く表れています。

伝統的手法を根本から覆したこの描き方は、まさにキュビズムそのものです。

ジョルジュ・ブラック(1963~1882年、享年81歳)

ジョルジュ・ブラック
パブリック・ドメイン, リンクによる

ピカソと共にキュビズムの世界を牽引したフランスの画家です。

ピカソの「アヴィニョンの娘たち」に驚愕したブラックは、ピカソがキュビスムの技法を取り入れると、それに注目。

その後、ピカソと共同でキュビスムの世界を追究していきます。

最初ポール・セザンヌに影響を受けつつも、遠近法、幾何学、多面的視点から対象物を見ることで作品を創り出しました。

新聞の切り抜きであったりロープやステンシルによる文字など、これまでとは異なるオブジェを用いるなどして、ピカソとはまた違う総合的キュビスムを表現したのです。

『レスタックの家々』・ジョルジュ・ブラック:1908年

幾何学と同時に複数の視点から対象物を見て描き、またそれはとても単純化されたものでした。

断片的に捉えた対象を平面的なのに陰影をつけた立体的イメージで、いくつもの面の集積と考えて表現したのです。

幾何学的に描かれたキューブのような家の並びは、風景と言うよりも物体として表現されています。

『ギターを持つ男』・ジョルジュ・ブラック:1913年な家々

この作品は、タイトルを見て初めて何が描かれているのかを知る人が多いことでしょう。

5本線のギターを持ち右腕を曲げてギターに触れた女性が描かれています。

一番上には人物の顔があり、ところどころにあるヒントから、観る人が理解できるようなヒントが散りばめられていますね。

最後に

ここで取り上げた「キュビズム」は、難解な絵に見えるかもしれませんね。

しかし、引き次いできた伝統をひっくり返すこの革命的美術様式が、20世紀の美術の土台を創りあげてきたと言って過言ではないでしょう。

また、ピカソが、この「キュビズム」によって一躍有名になったことも美術史の中で忘れられない興味深い点となるでしょう。

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