この記事では、心に響く言葉を多く残した相田みつをと美術館の歴史、特徴について詳しく解説いたします。
落ち込んだとき、悲しいとき、何だかやる気が出ないとき、そんなときは、相田みつをの言葉をもらいに美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。
相田みつをの言葉は、不思議と心に寄り添ってくれます。
相田みつをは、遅咲きの書道家です。
詩人としての顔も持ち、素朴ながら惹きつけられる詞を作りました。
彼が67年の生涯に遺した作品は、なんとおよそ1,000点!
死後30年が経った今も、その言葉の魅力は健在し、多くの人々を勇気づけ、励ましています。
相田みつを美術館の歴史、成り立ち

Kakidai – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
相田みつを美術館は、1996年、銀座に開館しました。
2003年、東京国際フォーラムに移転。
父親の死後、長男の一人氏は作品の編集や遺作展の開催に取り組んでいました。
その活動の集大成といえるのが、同館の設立です。
それでは、まず相田みつをの人生をたどっていきましょう。
型にはまらない書を追求したい
1924年、栃木県足利市に生まれました。本名は「光男」です。
19歳の頃に書道を学び、才能を開花させました。
また仏教への造詣が深く、作品にも反映されています。
かなりの達筆で、書道の世界において名誉とされる「毎日書道展」に連続で入選したほどの腕前でした。
そんな人物が、なぜあの独特の書体に行きついたのでしょうか?
「誰でもわかる書をかきたい」
それがみつをの願いだったからです。
専門家や書道好きにしか理解できない作品ではなく、老若男女を問わずにつたわる作品。
それこそが本当の書道だと考えていました。
30歳頃に古典的なスタイルに別れを告げ、短くも平易な表現方法を模索。
その結果、独自の作風を確立しました。
遅咲きの書道家として日の目をみる
しかし、世間からは評価されませんでした。長い間、鳴かず飛ばずの時代が続きます。
それでも相田みつをは自らの信念を貫きました。
国語の教員免許を持っていたので、教師で生計を立てることもできたのです。
周囲からは、「書道教室を開いてみては」とすすめられました。
ところが首を縦に振りません。
芸術のために家族を犠牲にしたので、生活は困窮しました。
お菓子の包装紙のデザインをしたり、個展を開催したりしてはいましたが、まとまった収入を得るのは難しかったのです。
転機が訪れたのは1974年。
師である紀野一義の著作、『生きるのが下手な人へ』で紹介され、脚光を浴びました。
1984年には詩集『にんげんだもの』を出版し、広く名が知れ渡ったのです。
飾り気のない言葉の数々は、読者の心をつかみました。
ちなみに、兄が戦死した経験から、戦争のむごさを語り継ぐための講演活動にも取り組んでいました。
亡き兄のことを書いた作品もあります。
1991年、脳内出血で逝去。
その5年後、ご子息が力を尽くして相田みつを美術館を設立したのです。
相田みつを美術館の特徴

美術館は、相田みつをが生前によく散歩していた、足利の八幡山古墳群をイメージして作られました。
内装は全体的に珪藻土で覆われています。
小規模ながら見応えのある展示
展示フロアは2つに分かれています。
第1ホールには、多くの作品が展示されています。
内部に足を踏み入れる前に、入り口付近にある井戸をみるのもお忘れなく。
第1展示室から第5展示室まであります。それぞれ壁の色が違うので注目です。
水書板があり、毛筆で書く体験ができます。
記念撮影スペースで写真を撮ることもできます。
もっとも大きな第5展示室では、館長の相田一人氏による作品解説が行われることも。
第2ホールではコラボレーション企画が開催されます。
第6展示室から第7展示室まで。
展示ごとに内容が変わります。
アトリエを再現したコーナーがある
相田みつをのアトリエが忠実に再現されています。
半紙の山に埋もれて作品を書いていた様子がうかがえます。
道具へのこだわりは半端なく、最高級の筆や半紙を使っていたそうです。
驚いたことに、生活費よりもお高かったとか。
デジタルコレクション
ホームページにアクセスすると、画面上で作品を鑑賞できます。
これがきっかけで相田みつをのファンになる人も。
作品を抜粋して紹介します。
(以下、公式ホームページより一部を引用)
『雨の日には』
雨の日には雨の中を
風の日には風の中を
ここでいう雨や風は、迷いや悩みを意味します。
それらを受け入れて、ありのまま生きようと説いています。
『肥料』
あのときのあの苦しみも
あのときのあの悲しみも
みんな肥料になったんだなぁ
じぶんが自分になるための
https://www.mitsuo.co.jp/museum/index.shtml
これは、平成26年(2014年)に亡くなった高倉健さんがノートに書き留めていたものです。
日本を代表する名優も、実は相田みつをの心に響く言葉に支えられていたのかもしれません。
併設ミュージアムショップ・カフェ

Wpcpey – 投稿者自身による作品, CC 表示 4.0, リンクによる
ミュージアムショップ
無料で入場できます。
季節限定の商品や雑貨・アクセサリーなどを取り揃えています。
トイレ用日めくりカレンダー ひとりしずか1
相田みつを美術館で1番人気の商品です。リニューアル後は英語の訳文がつきました。
名前に「トイレ用」とついていますが、場所を選ばずに使えますよ。
おみやげにも、プレゼントにも最適。
心の暦 にんげんだもの2
同じくカレンダー。こちらは縦長のデザインで、やはり英訳がついています。
ポストカード5枚セット
美術館といえばポストカード。
一緒に木製フレームを購入すると、おしゃれなインテリアとしても使えます。
にんげんだもの(作品集)
1984年に出版された出世作です。いつでも相田みつをの心に響く言葉の世界に浸れます。
ミュージアムカフェ
ミュージアムショップの隣にあります。セルフサービスで、利用するにはチケットが必要です。
ドリンクは200円、フードは300円と、リーズナブルなお値段。
フードメニューはマフィンのみです。
- コーヒー(ホットorアイス)
- 紅茶(ホットorアイス)
- オレンジジュース
- ハーブティー
- マフィン
広くて落ち着いたスペースで、ほっと一息つけます。
カフェ内では、併設のミュージアムショップで購入したお菓子を味わえます。
まとめ
今回は、心に響く言葉を多く残した相田みつをと、相田みつを美術館について紹介しました。
相田みつを美術館の魅力は、大人も子どもも楽しめるところ。
こころの琴線にふれる作品がたくさんあるので、気軽に訪れてみてください。
きっとあなたのお気に入りが見つかるでしょう。
相田みつをの心に響く言葉の力を体感できるはずです。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 相田みつを美術館 |
住所 | 東京都千代田区丸の内3丁目5-1 地下1階 |
電話番号 | 03-6212-3200 |
ホームページ | https://www.mitsuo.co.jp/ |

