この記事では、いつかは行きたい日本の絶景スポットの空気感とともに、そのすばらしい絶景、なつかしい風景を撮影したおすすめの写真家を紹介いたします。
日本には絶景と呼ばれる景色がたくさんあります。
いつかは行きたいとは思っていても、忙しい現代人はなかなか時間をとることができません。
そこで、日本の絶景スポットを撮影したすばらしい写真の中で、その空気感を味わってみるのはいかがでしょうか。
やっぱり一枚は欲しい日本の絶景スポット「富士山」
富士山は日本を代表する山です。
今までもプロアマを問わず、たくさんの写真家が富士山の写真を撮ってきました。
山岳写真家の白籏史郎の作品は「これぞ富士山」という作品がたくさんあります。
白籏史郎は1933年に山梨県大月市に生まれました。
白籏史郎の作品は、山を含む絶景の写真というよりも山そのものを主役にしています。
山を愛しフィルムにおさめていたことが伝わってくる作品です。
一般的に富士山の写真は富士山全体がフレームにおさまっているのですが、白籏史郎の富士山は富士山をアップにして富士山の美しい尾根をみせているものも多くあります。
磯西昭は富士山を空撮で撮影しています。
富士山を上から撮影することで、富士山のスケール感がみごとに写しだされています。
磯西昭が「大きな富士山」だとしたら、もっとちいさいものの視点で富士山を撮影する写真家は中川雄三です。
中川雄三は富士山周辺の自然に着目しました。
富士山周辺に生きる小さな野生動物にスポットを当てています。
富士山周辺で生きる動物と現実を自然保護の観点からもたくさんの写真を撮影しています。
富士山は、季節や視点を変えればさまざまな表情を持っています。
桜や新緑、紅葉や雪のどれと合せても富士山は絵になる美しさがあり、それは日本人に限らず感動できるものです。
富士山の絶景写真は海外へのおみやげとしても喜ばれています。
太古の日本の呼吸が聞こえる絶景スポット「屋久島」
屋久島は鹿児島の島です。世界遺産に登録され、映画「もののけ姫」のモデルになり有名になりました。
島の約90%は森です。
「月25日は雨」といわれるほど雨が多くコケやシダがたくさんはえています。
屋久島といえば屋久杉です。屋久杉は樹齢1000年以上の杉をいいます。
屋久杉とコケが織りなす美しい絶景は多くの写真家を魅了しました。
三好和義は、9年間かけて屋久島を撮影し写真集にまとめています。
三好和義は1958年に徳島県で生まれました。
楽園をテーマにして、国内外のビーチや海、まさに楽園を撮り続けてきました。
1996年には大型の写真集「富士山」も発表しています。
屋久島は2000年に写真集にまとめています。
屋久島の絶景写真というと樹齢ある屋久杉やコケむした風景が一般的です。
三好和義の作品の中に屋久島の太古の呼吸が聞こえるような作品があります。
それは、屋久杉がドンとあるわけではなく、霧に包まれた屋久島で奥行きを感じるアングルで撮影された一枚です。
手前にはリョウブの枝が伸びていて、枝にはコケがぶら下がっています。
月25日が雨といわれる屋久島をありのままに写しだした作品です。
屋久島は「ここは日本なの? 」「ここは現代なの? 」と感じる不思議な空間です。
日常の中でふっと時間を忘れ、非日常の時間が流れる空間を演出してみてはいかがでしょうか。
日本の原風景が広がる絶景スポット「白川郷」
白川郷は岐阜県にある合掌造りの集落です。
屋根の角度がとても急で手をあわせた形に似ていることから合掌造りとよばれています。
屋根の角度が急な理由は、冬には重たい雪がたくさん降るため、雪が下に落ちやすいようにするためです。
合掌造りが田園風景の中に建つ様子は「昔話の世界」です。
日本国内にふるさとがある人でも、白川郷に行けば「日本の原風景はこれだ」と思うのではないでしょうか。
白川郷の絶景は春夏秋冬すべてにあります。
春の白川郷は緑の田と桜のピンクが彩を添えます。
夏は新緑の季節です。田には水が入りみずみずしい絶景になります。
秋は紅葉です。白川郷の紅葉は派手な赤ではなく、落ち着いた色合いになります。
冬は雪景色です。夜はライトアップされて幻想的な雰囲気になります。
三好和義は、白川郷も撮影しています。
雪景色の白川郷が撮影されている作品です。
ピントは合掌造りの家にあっているのですが、画面の最前面には雪の粒がピンボケで写っています。
今まさに「雪が降っている」という状況がわかり、静であるはずの写真から動きを感じるのです。
白川郷の魅力は景色だけではありません。
そこで力強く生きる人々の生活も魅力です。
細江光洋は白川郷で生きる人々と自然を撮りました。
ライトアップや観光地として注目をあびる前の白川郷の姿をみることができます。
まとめ
今回は、いつかは行きたい日本の絶景スポットのスケール感とともに、そのすばらしい絶景を撮影したおすすめの写真家を紹介しました。
日本の絶景は、行ったこともないのに「なつかしさ」を感じます。
日本にいるときには富士山の美しさに興味もなかったのに、外国に出てみたら富士山の美しさに気がつく人もいます。
写真のすばらしさは、実際に行かれなくてもその場の空気感やスケールを感じられることです。
たくさんの日本の絶景に触れて日本の素晴らしさを再発見してみてはいかがでしょうか。