NFTアートの世界は、アーティストや投資家など、様々な人々によって加熱しています。
なぜ、そんなに話題性があり、市場を活性化させているのでしょうか?
そこには、仮想通貨でよく知られるブロックチェーン技術の利用がありました。
この記事では、NFTアートの世界を、わかりやすくご紹介いたします。
NFTアートとは?アート革命?
アート業界では違法コピーされる作品(特にデジタルアート)も多く、コピーが出回ってしまうことも多々あります。
それは資産的な価値がなくなることはもとより、本物に対する信憑性にも欠けてしまうことを意味します。
NFTアートは、ブロックチェーン技術を使うことにより、所有者や真作であることの証明をすることができるため、資産価値としての評価も高く、今とても注目されています。
NFTは「non-fungible token」(ノン-ファンジブル-トークン)の略で、「非代替トークン」という意味を持ちます
NFTの基本技術であるブロックチェーンは、仮想通貨などの改ざんされる可能性のある分野において、非常に優れた耐性のあるデータ構造をもっています。
唯一無二の存在価値を与えるこの技術は、デジタルデータでありながら資産価値がしっかり備わることにより、盗まれる(コピーされる)ことが無くなりました。
NFTアートは、作品であるデジタルコンテンツを唯一のものとして非代替トークン化(NFT化)したものといえます。
まったく同じものとしてデータコピーしたコンテンツがいくらあっても、「真作」として証明される作品はひとつのみということになります。
NFTアートの代表例
NFTアートの市場に参加している著名アーティストには、いったいどんな人たちがいるのでしょうか?代表例をいくつか挙げてみます。
バンクシー「SPIKE」
パレスチナを 2000年に訪れたバンクシー、その際に拾ったパレスチナ分離壁のコンクリートの一片に刻まれた「SPIKE」という文字、これをアートとして売ることにしました。
NFTアート市場への彼の参画で、NFTへのさらなる期待が寄せられていることは、言うまでもありませんね。
Everydays: The First 5000 Days by Beeple
史上初めてNFTアートとして世に出て購入されたのが、この「The First 5000 Days by Beeple」
NFTアートでは史上最高額 75憶円という落札価格!
この作品は、ビープル氏が 5000日に渡り制作したデジタルアート5000枚のデジタルアート1枚 1枚を、1つにまとめたものです。
TwitterCEOの「初ツイート」
デジタルのものであれば何でもNFTアートになる?そんな代表例のようなものがコレです。
「just setting up my twttr(たった今、自分のツイッターを設定した)」
ツイッターCEOのジャック・ドーシーが発したこの 20文字の言葉は、ツイッター上で史上初めての「つぶやき」だったことから、なんと約 290万ドル(約 3億 1700万円)もの値段で落札されたとのこと。これも有名な話ですね。
村上隆「お花」
2021年 4月、NFTマーケットプレイスの「OpenSea」で現代アーティスト村上隆は、NFT作品「Murakami.Flowers」を発表。
村上隆を代表するモチーフの「お花」は、24 x 24ピクセルで表現した 108のバリエーションとともに誕生、オークションにかけられ終了となりました。
このような企画がなされたことは、有名無名問わず、誰でもが参加しやすい工夫もあり、イメージの体感や共有ができたのではないでしょうか。
NFTアートの特徴
NFTアートのプラットフォームは、オープンなので誰でもが取引可能という意味で公平性があります。
これまでは、アート会社やギャラリーを介する必要があったのですが、NFTアートの場合は、違います。どんな人であろうと、どの場所からであろうと、アートを売りに出すことができるという新しい試みなのです。
多額の手数料がかからず、ブロックチェーンの利用手数料といったわずかな金額のみで利用できますから、裕福でない芸術家にとって経済的支援となることでしょう。
NFTアートはデジタルなので、誰でもダウンロードして見ることができるのですが、仮にコピーされたとしてもNFTの持つ仕組み上、オリジナルは一つしか存在しません。
そして、デジタルでやり取りできるようなものなら、画像に限らず、音楽や映像もすべてがNFTアートになり得ますし、人々が価値をそこに見出すかどうかが重要なのです。
NFTアートはどうやって買うの?
NFTのマーケットプレイスはたくさんありますが、中でも、「OpenSea」は最大規模であるばかりか使い勝手も良いことで知られています。
通常、NFTアートは、Ethereum(イーサリアム:通称イーサ)という暗号通貨で購入することになります。
そのため暗号通貨初心者の人にとっては準備部分があることから、「面倒!」と思うかもしれませんね。
ですが、このサイトはしっかり日本語対応もされていますし、誰でも問題なく対応できることでしょう。
その作品に価値を見出し、いくらの額を支払ったか、という取引の記録は所有者情報として残ります。
そこから、さらに転売もできますし、その時はその時で、所有者情報が書き換わることになりますね。
しかしながら、売買データはやはり改ざんできない形で、あくまでもネット上の情報として残ることになります。
おわりに
NFTアート、注目を集める理由は、「所有の概念」にありました。
いつの時代もアートは収益を求める投資家たちの間で賑わい続けます。
NFTアートへの熱が高まっている中、メタの世界でも様々な価値が期待されています。
デジタルデータを唯一の物として所有できるNFT技術に注目してみることで、今後の時代の変化、世界の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。