観葉植物と聞くと、ずっと室内に置いておくイメージがあるかもしれません。実際にはその逆で、日光を浴びることで生育状況がよくなるものもあります。
この記事では、観葉植物を外に出してもいい時期や外に出す際の注意点などを解説します。これから観葉植物を購入する予定がある人、すでに栽培している人などに役立つ内容をまとめましたので、最後までご覧ください。
観葉植物は外に出しても問題ない
観葉植物はもともと屋外に自生していた植物を品種改良したものなので、基本的には外に出しても大丈夫です。日光を当てることで植物の成長を促し、健康な状態を保ちやすくなります。
日当たりがよい窓際に観葉植物を置いていたとしても、植物にとっては明るく感じられない場合もあります。日光が不足すると枝や葉がひょろひょろ伸びる「徒長」を引き起こす可能性があり、病害虫の被害を受けやすくなってしまうかもしれません。
そのような状態にならないよう、観葉植物を外に出す必要があるのです。
ただし、季節によって観葉植物を外に出す時間は変わります。やみくもに日の光に当てればいいわけではないため、植物にダメージを与えないよう適切な方法を知っておきましょう。
観葉植物を外に出す時期は初夏から初秋がベスト
観葉植物を外に出すのに適している時期は、5月から10月頃です。最低気温が20℃を下回らなくなったら外に出しても問題ありません。
3月から4月頃にかけて徐々に暖かくなってきますが、「三寒四温」というように気温が安定せず観葉植物に負担をかける可能性があります。最近は秋になっても気温の高い日が続くため、もう少し長く出しておけるかもしれません。
観葉植物は急激な環境の変化に弱いため、いきなり植木鉢を外に出すのは避けてください。最初は短時間で、少しずつ日に当てる時間を増やすといいでしょう。夏の盛りに観葉植物を外に出す際は暑さでだれてしまうため、気温が高くなってきた時点で室内に戻すか日陰に移動させます。
観葉植物を外に出すときの注意点
ここからは観葉植物を外に出す際に知っておきたい5つの注意点について解説します。
直射日光で葉焼けしないようにする
葉焼けとは、強い日差しに当たって葉が変色したり、部分的に色が白く抜けたりする現象のことです。葉焼けを起こすと植物の葉緑素が破壊されるため、変色した箇所は回復しません。葉焼けした部分はハサミで切り落とし、新芽が生えてくるのを待ちましょう。
葉の先端が細い、または葉が薄い植物は葉焼けを起こしやすいので、半日陰(時間帯によって日陰になる場所)に置いてください。
季節によって外に出す時間帯を調節する
観葉植物を外に出す際は、季節ごとに時間を調節する必要があります。真夏なら朝の7時頃に外に出し、遅くとも正午前には日陰に移してください。
もし冬に観葉植物を外に出す場合は、11時~14時頃がベストです。午前中の早い時間帯だと気温が低いため、寒さで植物が傷む可能性があります。
風通しのよい場所で管理する
室内や室外にかかわらず、観葉植物を空気の通りが悪い場所に置くと病気や害虫の被害を受けやすくなります。葉が密集している植物はとりわけ湿気がこもりやすく、病気の原因となる菌や害虫の温床になるかもしれません。
風通しのよい場所がいいと聞くと、室外機の近くに観葉植物を置く人もいるでしょう。これは逆効果で、葉や土が乾燥してしまいます。植物にとっての「風通しがよい」状態とは、ほぼ無風に近い環境です。自然の風が通る場所であれば問題ないので、適度に日が当たる場所を選んでください。
虫よけの対策をする
観葉植物に虫がつく経路は2つあります。
- 風に乗って飛んでくる
- 土に含まれる有機物の匂いに反応する
アブラムシ・ハダニ・カイガラムシなどは風に乗ってやってくるため、外に出す際は葉や茎などに虫がつかないよう葉に水を吹きかけるといいでしょう。また寒冷紗・不織布などのカバーをかけるのも有効です。
コバエやダニなどは土に含まれる有機成分を好むので、虫よけシートや赤玉土で土の表面を覆いましょう。もしくは有機成分が入っている土を使わないようにすると効果的です。
水切れを起こさないようにする
観葉植物を外に出すと、どうしても土が乾いて水切れを起こしやすくなります。観葉植物を日光に当てる場合は、室内で管理するときよりもこまめに様子を観察しましょう。
土の乾燥対策として、観葉植物を外に出す前に水やりするのがおすすめです。
夏は暑さで水が蒸発するため、乾き具合を確かめたうえで夕方にも水を与えるようにしてください。水をやりすぎると根腐れにつながります。
屋外でも育てやすいおすすめの観葉植物
観葉植物を外に出したい人は、屋外でも育てやすい品種を選ぶといいでしょう。
ここでは3つの植物を紹介します。
オリーブの木
オリーブは地中海性気候の土地に自生しており、乾燥や直射日光に強いのが特徴です。葉に厚みがあるため葉焼けを起こしにくく、育てやすい植物の一つに数えられます。
また寒さにも強くマイナス10℃くらいまでは耐えられるので、秋口でも外に出しておけるでしょう。
サンスベリア
サンスベリアは暑さの厳しい地域で育つ植物ゆえ、観葉植物のなかでもとくに枯れにくいことで知られています。乾燥への耐性は折り紙付きで、葉にたっぷり水分を蓄えているため水切れを起こすことはまれです。
湿り気があると弱ってしまうため、水やりをしたら数日後に日当たりの良い場所に移してください。
ユッカ・エレファンティぺス
別名「青年の樹」と呼ばれるユッカ・エレファンティぺスは、暑さ・寒さの両方に耐性があります。幹が太くまっすぐ伸び、葉は先が鋭く尖った形をしています。
マイナス10℃以下になると寒さでダメージを受ける可能性があるため、室内に戻すといいでしょう。
観葉植物に関するよくある質問
園芸初心者にありがちな3つの質問と回答をまとめました。
気になる人は参考にしてください。
まとめ:品種ごとの特徴を把握して日光に当てよう
観葉植物は基本的に外に出したほうがいいのですが、なかには直射日光に弱い品種も存在します。日の光を好む植物は積極的に外に出し、室内でも育つ植物は窓際で日に当てるというように、それぞれの特徴に合わせたやり方を選びましょう。
観葉植物を外に出す際は、季節に合わせて時間帯を調整する必要があります。長時間外に出すと葉焼けする可能性があるので、4時間程度に留めるのがベストです。
緑のある生活を楽しみたい人は、この記事を参考に観葉植物の手入れをしてみてください。