ガーデニング、といえば「秋」より「春」を思い浮かべるかたも多いかもしれません。
たしかに、チューリップ、バラ、スイートピーなど、春に咲く花は数多くあります。
しかし、開花時期がもともと秋、という花も少なくありません。
秋にも植物園やフラワーパークには、色とりどりの花々が咲き誇っています。
もし、ガーデニングに興味が出てきたのが秋だったら、春まで待つのはもったいないです。ぜひ秋こそ出来るガーデニングにトライしてみましょう。
今回は、秋に買って、翌年以降も楽しめる鉢植えを紹介していきます。
秋から始めるなら、ガーデニングに選ぶべきはどんな花?
はじめに、宿根草とは、冬に地上部が枯れても根が生きていて、翌年また花を咲かせてくれる植物のことです。地上部が枯れない常緑タイプの宿根草もあります。宿根草は多年草と呼ばれることもあります。一方、一年草は、種子を残すことで増えるので、花が終わると枯れてしまう性質があります。
秋の始まりの頃にお花屋さんで花の苗を探すと、まだ夏の花が売られていることがあります。しかし、ニチニチソウ、ペンタスなど、色鮮やかで魅力的な花ほど、一年草であることが多いのです。一年草は夏の間ずっと咲いて目を楽しませてくれますが、秋近くに買ってもすぐに花の時期が終わってしまいます。夏咲きの一年草は、夏のはじめに買って長く楽しむのが一番です。
秋から始めるガーデニングで花を探すなら、値段などにつられずに、秋に咲いて翌年以降も楽しめる「宿根草」がよいでしょう。
残念ながら、宿根草か一年草かは店頭では明記されていないことも多いので、下調べをして希望の種類を決めてから花屋さんに行くと安心です。忙しい方やじっくり選びたい方には、下調べした後にそのまま購入できるオンラインショップが便利です。
続いて、秋に咲いて育てやすい宿根草をいくつかご紹介します。
ガーデニングにおすすめの秋に咲く育てやすい宿根草
1.サルビア
- 開花時期 : 9月中旬〜12月上旬
- 冬の管理 : 霜が降りるようなら、株元に土寄せする
サルビアは原産地のブラジルでは毎年花を咲かせる宿根草です。日本の冬の寒さには耐えられないため、日本では一年草に分類されてきました。しかし、日本でも冬越しができる品種が開発されて「宿根サルビア」というジャンルになっています。
宿根サルビアだけでも多くの品種があり、花色や草丈もさまざまです。宿根とはいっても、もともとは暖かい地域が原産なので、寒さに強いわけではありません。霜が降りるほど寒い地域では、株元に土を多めに盛る土寄せという作業して株を守りましょう。鉢植えであれば、寒さの厳しい時には屋内に入れた方がいい冬越ししやすくなります。
2.ブルーデージー
- 開花時期 : 3月~5月、10月~12月
- 冬の管理 : 凍らせないように管理する
気をつけながら冬越しが可能な品種ですが、土が凍るほどの寒さでは株が傷むため、移動できる鉢植えでの管理がおすすめです。もともと地植えができないベランダガーデニングにはうってつけの花といえます。
夏場の高温多湿を嫌うため、秋に購入した苗を鉢植えに植える際にも、先を見越して水はけのよい土を選んでおくのがおすすめです。
ブルーデージーの名の通り、ブルーの花が有名ですが、白やピンクの花色もあります。
3.ウィンターコスモス
- 開花時期 : 10月〜12月
- 冬の管理 : そのまま越冬可能
ウィンターコスモスの名前が示す通り、そのまま冬越し出来る寒さに強い花です。
丈夫で育てやすい花ですが、夏場にハダニがつくことがあります。予防のためには、水やりの時に葉の裏にも水をかけるようにしましょう。
ウィンターコスモスは黄色系の品種が多いのですが、中にはピンクの縁どりをしたような白とピンクのバイカラーの品種をもあります。何年も花を咲かせてくれるウィンターコスモスですので、お気に入りの品種を選んでください。
4.秋咲きギボウシ
- 開花時期 : 7月〜9月
- 冬の管理 : そのまま越冬可能
草丈は40〜50cmですが、花茎(花を咲かせる茎)は1mほどにもなります。やや大型の植物なので、スペースがある場所や大きめのプランター向きです。
タマノカンザシは花が開くと、まるでユリのような見事な花で、“玉のかんざし”の名がふさわしい高貴な印象の花です。ガーデニング愛好家の憧れの的にもなっています。ギボウシはもともと日本原産のものが世界で人気を集めたという経緯がありますが、このタマノカンザシは中国が原産です。
ギボウシは、日陰でも育つガーデニングでは主役級の存在です。秋は、タマノカンザシにとっては花の終わりの季節ですが、葉だけになっても華やかなありがたい植物で、育てるのも難しくありません。
5.青色フジバカマ
- 開花時期 : 7月〜10月
- 冬の管理 : そのまま越冬可能
青色フジバカマという呼び名の他に、セイヨウフジバカマとも呼ばれています。原産地は北アメリカで、キク科の宿根草です。
日本古来のフジバカマは赤紫色ですが、青色のフジバカマであることから、話題に集めました。ミストフラワーとも称されるほど繊細な見た目ですが、性質は強健です。庭で育てると地下茎でも広がり、こぼれ種でも増えて、グランドカバーとしても使えるほどよく茂ります。
なかなか街の花屋さんでは見かけない品種なので、オンラインショップを活用して入手してみてはいかがでしょうか?
秋のガーデニングで注意すべきことは?
宿根草は、何年間にもわたって咲き、メリットしかないようですが、デメリットもあります。花の咲く期間が短めのものが多く、花の姿かたちも落ち着いた感じのものが多いのです。そのため、宿根草だけだと少し寂しい印象になってしまうこともあります。また、宿根草の種類や環境に合うかどうかで茂り方が違うので、思ったよりも花のエリアが広がらないこともあります。
そんなときこそ、一年草の出番です。秋に植えた宿根草の花と合わせる一年草を探してみましょう。秋から冬に咲く一年草の苗は晩秋に出回ります。
秋に咲く宿根草を補うには、同じ秋(10月頃)に咲き始めて5月まで咲くビオラやパンジーがおすすめです。ビオラやパンジーの後には長く咲く夏の一年草を植えれば、一年草の花を余すところなく楽しめます。また、ルドベキア(宿根タイプ)やランタナなど、夏に咲く宿根草もあります。
おわりに
今回は、翌年も楽しめる、秋のガーデニングにおすすめの鉢植え5選を紹介しました。
秋から楽しめる宿根草は、翌年以降も花を楽しませてくれます。一度きりではないので、ぜひ一番のお気に入りの宿根草を選んでみてくださいね。
花屋さんの店頭には、一年草がメインで置かれていることが多いので、オンラインショップを上手に活用するのもおすすめです。生産者から直接届くショップの場合は、かえって新鮮な花が入手できることがあります。