葉祥明美術館の公式サイトには、「美術館そのものが一冊の美しい絵本である」との一文が掲載されています。
まさに葉祥明美術館は、ミュージアムというよりは、おしゃれな佇まいの洋館です。
絵本作家・画家・詩人という3つの肩書を持つ葉祥明氏は、元々はファッションイラストレーターを目指していました。
ところが、ある絵本作家の作品と出会ったことがきっかけで大きく方向転換したのです。
今回は、葉祥明氏の作品の魅力を探りつつ、葉祥明美術館を紹介いたします。
葉祥明美術館の歴史・成り立ち
葉祥明美術館が設立されたのは1991年。
自然が豊かで静かな場所がいいという画家の希望により、北鎌倉が選ばれました。
絵本作家・葉祥明が誕生するまで
葉祥明氏の本名は「葉山祥明」といいます。
戦後間もない1946年、熊本県熊本市で生まれました。7人兄弟の6番目です。
次兄は建築家の葉祥栄氏、弟は写真家の葉山祥鼎氏。
ちなみに祥鼎氏は「葉祥明 阿蘇高原絵本美術館」の館長を務めています。
18歳まで地元熊本で暮らし、大学進学を機に上京。
立教大学在学時に同世代の絵本作家である谷内こうた氏の作品に出会います。
それまでファッションイラストレーター志望だった葉祥明氏は、絵本の魅力に開眼。
自らも絵本作家になる決意をしました。
こうして1973年に「ぼくのベンチにしろいとり」で絵本作家デビュー。
同作は今もファンに根強く愛されています。
やなせたかし氏に才能を見出される
もう1人、葉祥明氏の人生を変えた人物がいます。
それが「それいけ!アンパンマン」の作者であるやなせたかし氏でした。
きっかけは、彼が編集長を担当していた雑誌『詩とメルヘン』。
やなせさんに才能を認められた画家は活動の場を広げます。
たとえば、あのサンリオのグッズにイラストが起用されました。
広い草原と青空をベースに、家や木々、人や動物を描くのが画家の特徴。
鮮やかな色彩が美しく、心がほっとする風景です。
インタビューにて、作品を通して「この世界の美しさ、人生の深さ、いのちの輝き、そして生きる歓び」を伝えたいと語っています。
1990年には、創作絵本『風とひょう』でイタリア・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。
葉祥明美術館が誕生したのは翌年のことでした。
余談ですが、2001年には長寿番組「徹子の部屋」に出演しています。
葉祥明美術館の特徴
葉祥明美術館は、常設展と企画展を開催しています。
季節ごとに常設展示を入れ替えており、行くたびに違う作品を楽しめます。
先ほど、ご説明しましたが、画家の故郷・熊本に姉妹館の「葉祥明 阿蘇高原絵本美術館」があります。
ここでは、3つの特徴にしぼって紹介しましょう。
北鎌倉にふさわしい洋館
葉祥明美術館に到着したら、まず建物の外観を眺めてみましょう。
画家自らが設計案を描いたほどのこだわりが詰まっています。
いわく、誰でも我が家のようにくつろげる空間を目指したとのこと。
イメージは画家で詩人の父親と、その家族が住んでいた邸宅です。
1階に、ショップと油絵の展示室、企画展示室があり、2階にお父さんの書斎、リラの部屋、クロウドの部屋、言葉の部屋があります。
展示室の「感想ノート」
葉祥明美術館には、開館当初からノートが置かれています。
画家やスタッフが来館者の生の声を知るためのもので、いわば交換ノート。
バックナンバーは150冊以上も。
多くを語らずとも、これらの感想を読めば美術館の魅力が伝わるのではないでしょうか?
ミュージアムキャットの絵夢
葉祥明美術館には2代目の看板猫がいます。名前は絵夢(えむ)ちゃん。
元々は捨て猫でした。
親切な人たちに命を救われ、縁あってミュージアムにやってきたのです。
すくすくと成長し、今ではすっかり人気者に。
ちなみに葉祥明氏は大の猫好きです。
プライベートでも猫を飼っているとのこと。
猫を愛する芸術家は多いですが、彼も多聞に漏れず。
直接触れ合っても楽しいですが、ぜひ絵夢ちゃんグッズで癒されてみては?
ポストカードが販売されています。
雑誌に掲載されたり、テレビに出演したりと、美術館の宣伝もばっちりこなしてくれています。
ミュージアムショップ・カフェ
いよいよお楽しみのショップ&カフェ情報です。
ここでしか手に入らないお土産がたくさんありますよ。
オンラインでも購入可能です。
ショップ
葉祥明美術館の1階、入り口付近に位置しています。
数ある商品のなかから厳選したオススメを紹介しましょう。
ポストカードセット4種類
キャラクターセット、言葉、風景、ベスト版の4種類。
いずれも人気作品が集まっています。
絵夢のポストカード
BS-TBS「ねこ自慢」に出演した際の画像をポストカードにしました。
絵柄は3種類。
- ポストカード 絵夢No.1【夢見心地】
- ポストカード 絵夢No.2【優しい気持ち】
- ポストカード 絵夢No.3【Green Garden】
サニーちゃんぬいぐるみキーホルダー
葉祥明氏の作品『地雷ではなく花をください』で描かれたうさぎのサニーちゃん。
かわいいキーホルダーになりました。
カフェ・レストラン
鑑賞後はおいしいお食事とスイーツで疲れを癒しましょう。
葉祥明美術館の近所にあるお店をまとめました。
北鎌倉・紫(ゆかり)
葉祥明美術館から見て斜め向かいにあります。なんと徒歩20秒で到着。
鎌倉で有名な「レストラン ミッシェル ナカジマ」の別館です。
古民家を改修したレトロなお店。
人気メニューは、国産の牛頬肉の赤ワイン煮込みと特製プリン。
プリンは持ち帰り可能です。
カフェのみの利用もできますので、コーヒー&プリンで優雅な時間を満喫してみては?
クリスマスシーズンには、ドイツ名物のお菓子シュトーレンを販売します。
茶寮・風花(かざはな)
葉祥明美術館から明月院に向かっておよそ1分の場所にあります。
看板商品はうさぎ饅頭。せいろに入れて提供しています。
蒸したては、ほんのり甘い栗あんがとろけて絶品。ご賞味あれ。
宇治抹茶やコーヒーとセットにしてもよし。
もちろん、お土産用にテイクアウトできます。
オリジナルのうさぎの土鈴もありますので、ご自宅のインテリアにどうぞ。
まとめ
今回は葉祥明美術館について解説しました。
大人も子どもも楽しめること間違いなし。鎌倉観光の際には、ぜひお立ち寄りください。
駐車場は車1台分のスペースのみ。公共交通機関のご利用を推奨します。
JR横須賀線の北鎌倉駅から徒歩7分ほど。
葉祥明美術館で絵本の世界に浸ったら、東慶寺や北鎌倉古民家ミュージアムなどにも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 葉祥明美術館 |
住所 | 神奈川県鎌倉市山ノ内318-4 |
電話番号 | 0467-24-4860 |
ホームページ | https://www.yohshomei.com/ |