日本にはたくさんの美術館がありますが、なかでも日本の美を追求し日本画の魅力を伝えているのが「足立美術館」です。
年間50万人もの人が訪れる人気スポットになり、隣接している庭園は日本一に何度も選ばれています。
美術館好きなら一度は足を運んでみたい、足立美術館の魅力について、迫ってみたいと思います。
見どころが多すぎて迷ってしまうかもしれません、足立美術館の人気があるのも納得できるはずです。
足立美術館の歴史、成り立ち
島根にある足立美術館は、公益財団法人の足立美術館が運営しています。
島根県の登録博物館に認定されており、観光スポットとしても知られています。
島根県出身の実業家である「足立全康(あだちぜんこう)」が開館したものになります。
その当時、71歳だったというのですから驚きです。
足立全康さんは、全くのゼロの状態から事業を展開しましたが、美術に関しての情熱は桁外れだったとも言われています。
なかでも絵画を収集するのに長けていたこともあり、数々の逸話を残すまでになりました。
美術への情熱があったからこそ、一大コレクションを築き上げたとも言えます。
実際に足立美術館に足を運ぶと、その素晴らしさがわかると思います。
なかでも横山大観の作品と、庭園の美しさには定評があります。
足立全康さんは「郷土に恩返しがしたい」という思いもあり、昭和45年に設立しました。
日本ならではの魅力を実感して欲しい思いから、日本美術の作品を展示することになりました。
「庭園もまた一幅の絵画である」とも伝えられています。
館内のいたるところに、庭園の風景をまるで絵画のように楽しめるスポットも隠れています。
「生の掛け軸」は四季折々の光景が楽しめる人気のスポットでもあります。
91歳で亡くなるまで美術に全力を尽くしたといっても過言ではないのです。
そんな足立全康さんの熱意があったからこそ、今でも足立美術館は時代を超えて多くの人に愛される場所になったのではないでしょうか。
ちなみに美術館の近くに足立全康さんの生家が残されているので、一緒に見てみてください。
美術に掛ける情熱が強すぎたあまり、周囲は振り回されてしまうこともあったようです。
例えば、旅行中に電車のなかでみた赤松をいたく気に入り、同行していた人たちで赤松を探しにいったなどの逸話も残っています。
足立美術館の特徴
足立美術館が日本のみならず、世界的にも有名なのにはさまざまな理由があります。
ただの日本画の美術館だと思っている方もいるかもしれません。
創設者の足立全康さんのこだわりもありますし、ここでしか見られないものがたくさんあります。
横山大観の作品が130点以上
足立美術館は、別名「大観美術館」とも呼ばれているのを知っていますか?
実際に130点もの作品を保有していることで知られ、日本の美術館のなかでもダントツ多いのではないでしょうか。
彼自身が、横山大観の絵に魅せられたのもありますが、日本画の素晴らしさを伝えたいという思いと一致したのだと思います。
なかでも横山大観の「紅葉」は代表的な作品としても知られており、この作品を見るためだけに訪れる人もいるのだとか。
他の場所では見られない作品であること、昭和6年に描かれたものとは思えないほどに豪華絢爛なつくりになっています。
横山大観以外の作品も充実しており、上村松園や橋本関雪などの作品も展示しています。
日本画だけに限らず、陶芸や書画、木彫、漆などの作品も多く飾られているなど、形にとらわれないからこその魅力もあります。
横山大観の素晴らしさを実感できる美術館といってもいいかもしれません。
横山大観の紅葉と雨降るは誰もが知っているような有名な作品ですが、当時入手するのは簡単なことではありませんでした。
美しい庭園は日本一
足立美術館といえば庭園をはじめに思い浮かべる人が多いかもしれません。
全体の設計は中根金作さんが担当しています。
苔庭は小島佐一さんが担当するなどこだわって作られた場所です。
庭園のなかでも「苔庭」「枯山水庭」「白砂青松庭」「池庭」などの6つのエリアに分かれています。
広大な広さの庭は約5万坪にもなります。
これらの庭は足立全康さん自身が、日本全国を歩き探してきたものがたくさん残されています。
日本のみならず世界からも高く評価されているのは、専門の庭師による手入れのお陰かもしれません。
この庭園の特徴としてはるか遠くにある山々も一緒に入るように作られており、景色までも作品の一部として考えました。
アメリカのジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニングでは毎年賞をとるほどの実績があります。
年々外国からの観光客も増えているのは、知名度が高まり評価されているからこそと言えるのではないでしょうか。
特別展も見逃せない
足立美術館は、季節に応じた特別展も行っています。
日本画の敷居が高く難しそうと感じている人にとっても、特別展はおすすめです。
今の時期だと夏の特別展として初心者向けのいろはを教えています。
また横山大観の作品のなかでも夏をテーマにしたものをピックアップして紹介しています。
日本には四季があるように、作品にもそれが残されています。
特別展は期間限定なので見逃さないようにしてくださいね。
併設レストラン、カフェ、グッズ
足立美術館にはどんな施設があるのか紹介していきたいと思います。
レストラン(カフェ)
足立美術館には、2つの喫茶店があります。
喫茶店「翠」は枯山水庭を一望できる場所にあります。
美味しいコーヒーを飲みながら紅茶を飲むなど贅沢なひとときを満喫できます。
おすすめは、オリジナルのブレンドコーヒー「ADACHIブレンド」です。
喫茶店「大観」では、池庭に囲まれた喫茶店を楽しむことができます。
ケーキなどのスイーツはもちろん、ビーフカレーなどのお食事も揃っています。
どちらも本格的な料理やカフェメニューが楽しめることもあり、のんびりと時間を忘れて楽しんでみてくださいね。
また美術館周辺にお食事どころがたくさんあるので困りません。
おみやげ
足立美術館ではおみやげの種類も充実しています。
例えば美術館の定番である絵葉書やクリアファイル、はんかちなども売っています。
過去の図録やDVDなどもあるので気軽に購入できます。
また、自宅で日本画を楽しみたい人向けに複製画なども販売しています。
横山大観の紅葉はもちろん、雨降る、龍興而致雲、娘深雪など有名な作品がたくさん揃っています。
15,000円前後で購入できるものがほとんどなので、自宅に飾りたい人向けにおすすめです。
他にもTシャツや風呂敷、トートバックなどさまざまなお土産を用意しているので、自分用にも欲しくなってしまいますね。
芸術的なイラストばかりで他には買えないおしゃれさも嬉しいです。
現地で購入するのを忘れてしまったときはオンラインも利用できます。
まとめ
足立美術館は、日本美術をより身近に感じられる場所です。
庭園は季節によって景色が変わりますし、移り変わりのときならではの良さもあると思います。
横山大観の作品に触れたことのない人も、「こんなに素敵な作品があったのか」と驚くのではないでしょうか。
有名な作品以外にも目を惹かれるものはたくさんあります。
足立美術館ならではの魅力を体験してみてくださいね。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
美術館名 | 足立美術館 |
住所 | 島根県安来市古川町320 |
電話番号 | 0854-28-7111 |
ホームページ | https://www.adachi-museum.or.jp/ |