自分へのご褒美には、使うたびにうれしくなる高級品がおすすめです。
いつもなら買えないものでも「ご褒美」となれば、思い切ることができるのではないでしょうか。
この記事は、自分へのご褒美にピッタリの「使える芸術品」を3つ紹介します。
宝石のような伝統工芸品「江戸切子」
仕事や子育てから解放された自分だけの時間は至福のひと時です。
そんなときに使うぐい飲みやグラスに江戸切子はいかがでしょうか。
江戸切子は、江戸時代に誕生した芸術です。
ガラスの器の表面に色が異なったかぶせガラスをします。
そして、かぶせガラスを削ることで彫刻を施したものが切子です。
2008年の洞爺湖サミットでは、国賓へのおみやげに贈呈されました。
江戸切子の磨き方には、酸を使った方法と手で磨く方法があります。
洞爺湖サミットのおみやげに選ばれた江戸切子は、模様が複雑で手で磨く方法で作られました。
手で磨かれた江戸切子は、かぶせガラスの強度と鋭い切り口がそのまま残るため、輝きがきれいです。
最近は、黒いかぶせガラスの江戸切子が人気です。
黒色と透明のガラスのコントラストは、まるで宝石のようであり、食器というよりも芸術品といえます。
黒いかぶせガラスを使った江戸切子は制作に高度なテクニックが求められます。
なぜならば、江戸切子は彫刻するときに器の内側からしるしをみつけて削ります。
そのため、かぶせガラスの色が黒いとしるしがみつけにくくなるのです。
江戸切子にはさまざまな文様が切り出されています。
文様によって地の透明なガラスとかぶせガラスの映り込み方が変わります。
絵画を選ぶように好きな文様を選び、使うたびにうっとりとする時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
シルク地に摺り上げたシルクスクリーン「エルメスのスカーフ」
エルメスのスカーフは、機械で大量生産していません。
フランスのリヨンで職人が手作りしています。
絵柄は、シルク地に一色一色手摺りをしています。
方法は、シルクスクリーンといわれる方法で、色1色ごとに版を変えて摺りだします。
そのため、職人の摺り方によっては、色と色が重なってしまう可能性もあるのです。
さらに、エルメスは縁を手縫いで仕上げます。
やわらかなシルクに摺り上げられた絵柄は、芸術品です。
エルメスのスカーフは、中古でも高値で取引されています。
しかし、洗濯によって色がぼけたりしたものは価値が下がります。
エルメスのスカーフを好む人たちは、スカーフを実用品としてみているのではなく、芸術品としてみている人が多いのです。
そのため「色のにじみ」は、破れた絵画と同じように価値が落ちてしまう可能性があります。
価値を落としたくないと思う人は、洗濯には細心の注意が必要です。
エルメスのスカーフは、楽しみ方によって選び方が変わります。
実際に首に巻いて楽しむならば、4つの角に使われている色に違いがあるものを選ぶといいでしょう。
スカーフは、巻いてみると角が表面に出ます。
つまり、4つの角の色が違えば、4通りの色を楽しむことができるのです。
一方、エルメスのスカーフを絵画のように楽しむならば、似合うかどうかは考えず、絵柄だけで選びましょう。
エルメスの絵柄は、細かな絵から大胆なデザインまで幅広くあります。
細かな絵は、近くで見れば見るほど新たな発見があります。
大胆なデザインは、現代アート感覚で楽しむことができます。
スカーフを絵画として楽しめることは、エルメスの優れた発色と摺りの技術あってのことです。
絵画のようなペルシャ絨毯「ゾランヴァリ社のギャッベ」
ペルシャ絨毯は、イランの工芸品です。
日本では、化繊で大量生産された安価な商品も多く出回っていますが、本物のペルシャ絨毯は羊毛や綿などの天然繊維を使い、イランで一枚一枚手織りされています。
本物のペルシャ絨毯は高価です。
しかも大きくて一般家庭では使いづらいかもしれません。
ペルシャ絨毯には「ギャッベ」と呼ばれるものがあります。
ギャッベはゴミという意味があり、粗末な絨毯というイメージがあるかもしれません。
しかし、ギャッベは遊牧民が自然素材を使って手織りした絨毯であり、一つ一つの大きさや形状が違うことも個性があり魅力的です。
ギャッベは、ペルシャ絨毯ほど高価ではありません。
自分へのご褒美として頑張れば購入できる値段であり使いやすい大きさです。
中でもゾランヴァリ社はテレビ番組で取り上げられて注目されています。
ゾランヴァリ社は、イランの絨毯メーカーの名前です。
材料や染色(草木染)や検品を行います。
遊牧民が手織りするゾランヴァリ社のギャッベの模様には意味が込められています。
一般的なペルシャ絨毯の模様よりも具体的な絵柄で絵画のように楽しめることもギャッベの魅力です。
「健康・長寿」「成功」「魔除け」など自分へのご褒美にふさわしい模様を選んでみてはいかがでしょうか。
おわりに
美術品や芸術品は「飾るもの」というイメージがあり、なかなか購入するまでのハードルは高い傾向があります。
しかし「使える芸術作品」ならば、自分へのご褒美に思い切って買ってみてもいいのではないでしょうか。