※令和6年能登半島地震により一部の施設は閉鎖・中止となっている場合があります。ご訪問される場合は、美術館WEBサイト、SNS等の最新の情報をチェックしてください。
金沢21世紀美術館は、日本三名園のひとつ、兼六園からほど近い場所にある美術館。
「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」を目的として、2004年に誕生しました。
この記事では、金沢21世紀美術館の見どころ、特徴、アクセス方法などを紹介します。
金沢21世紀美術館は、地域に開かれたモダンな美術館
視認性とバリアフリーに優れた設計
金沢21世紀美術館は、設立当初から、展覧会を開催するという役割だけではありません。
金沢地域の経済や文化活動の促進も大きな目的の1つとして運営されています。
SANAAが設計した金沢21世紀美術館は、全部で4つの入り口があります。
全体的には、円形で外壁がすべて曲面ガラスとなっています。
透明性が非常に高い建物なので、天気や季節によってがらりとみえる景色が変わるそう。
その独特のつくりを活かすために、エレベーターや館内に置かれた椅子なども極力透明のものやシンプルな物が使われています。
また、全館バリアフリーの設計になっています。
金沢21世紀美術館のバリアフリー設計と視認性は定評があります。
お年寄りや体に障がいをお持ちの方でも安心して利用することができます。
小さな子供を連れた方には、有料の託児室も用意されています。
どんな人にも使いやすい場所であることを目指した美術館であるといえそうですね。
二つのゾーン
金沢21世紀美術館の展示ゾーンの特徴は大きく分けて「展覧会ゾーン」と「交流ゾーン」が見どころとなっています。
「展覧会ゾーン」で使われる展示室は大きさや高さ・形が異なっている部屋が14つ設置され、さまざまな展覧会に対応することが可能です。
「交流ゾーン」は誰でも無料で入れる場所。
シアターや市民ギャラリー、アートライブラリー、子供主体のワークショップが開催されるキッズスタジオなどがあります。
これらは多様なニーズを受け入れるための場所でもあり、人々の交流の場としても機能しています。
そして、美術館の建築俯瞰図をそのままマークにしたようなロゴデザインを手掛けたのは、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏。
正面のない美術館、さまざまな使い方ができる美術館、外側に開かれた美術館などこの美術館ならではのコンセプトがそのまま建築俯瞰図に表れているということで、このロゴマークを考えられたそうです。
また、大きな特徴の1つとして、美術館の敷地内に茶室があることが挙げられます。
加賀藩ゆかりの松涛庵、山宇亭・腰掛待合はいずれも一般公開。
レンタルもできるので、茶会・句会・歌会、茶道に関連した展覧会などにも利用することができます。
美術館がスタートした翌年の2005年3月に「松涛庵」と「山宇亭」の一般公開が始まり、2006年4月には金沢湯涌創作の森、10月には金沢能楽美術館と施設連携が開始されています。
「金沢21世紀美術館の顔」ともいえる有名なコレクション
金沢21世紀美術館には、美術館の顔ともいえる所蔵作品がたくさんあります。
主に、1980年代以降に制作された作品を収集しています。
金沢21世紀美術館の有名なアートコレクションとして、交流ゾーンにあるレアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」やジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」、オラファー・エリアソンの「カラー・アクティヴィティ・ハウス」という作品は、とても有名です。
二つの展覧会の開催
金沢21世紀美術館での展覧会とイベントになります。
1. 主催展覧会
主催展覧会では、ゲルハルト・リヒターや杉本博司など、現代作家や工芸に関する企画のものが多いことが特徴です。
金沢21世紀美術館は、未知なる創造の可能性を秘めている現代のアートを支援しており、ジャンルの壁にとらわれない展覧会を企画しています。
2. 一般主催展覧会
一般主催展覧会では、過去に浮世絵やイラストに関する作品展を開催
公募展や美術団体の発表の場として使われることが多いようです。
展覧会以外にもアートや地域を盛り上げるための5つのプロジェクト
金沢21世紀美術館のアートプロジェクトと地域貢献を紹介いたします。
1. 「自治区」と呼ばれる取り組み
美術以外の科学・歴史・社会学といった領域にも関わる内容の表現活動。
ライブ、映像上映、トークなどさまざまな方法によって行うもの。
アーティストが金沢に滞在し、地域の方々と活動するプログラムも開始しています。
2. カナザワ・フリンジ
見落とされそうな社会・事象の「フリンジ=周縁」に眼を向け、地域と共に表現活動。
国内外のアーティストが彼らの視点で金沢の課題、人、場所と関わる地域密着型のプロジェクトといえます。
3. &21芸術交流共催事業
交流ゾーンにあるシアター21で行われ、地域文化の活性化を目指している事業です。
4. まるびぃ Art-Complex
金沢21世紀美術館の広場や交流ゾーンで人々の交流の場所をつくるプログラムです。
マーケット、ワークショップ、パフォーマンス、カフェの4部門で構成されています。
5. 「みんなの美術館 みんなと美術館」プロジェクト
「みんなの美術館 みんなと美術館」プロジェクトとは、耳が聞こえない「ろう者」の人たちと、手話通訳者のサポートを受けながら、作品鑑賞や映画上映会などを行うものです。
他には、近隣商店街の人々がサポートショップとなり、来館者が様々なサービスを受けられる「アートdeまちあるき」という取り組みをされています。
また、金沢21世紀美術館は、ベネッセアートサイト直島、森美術館と連携。
3館共通パスポート「ミュージアムリンク・パス」を無料で発行しています。
このパスを提示することで、2館目からの入館料が割引になったり、特製グッズがもらえるといった特典があります。
併設ミュージアムショップとレストラン
金沢21世紀美術館のミュージアムショップとレストランは、交流ゾーンの中にあります。
「Fusion21」は、”美術館で第2の感動”をコンセプトにつくられたレストランカフェ。
ここは、地元の加賀野菜などの食材を使ったメニューが魅力。
ビュッフェ式のランチや、モダンフレンチを取り入れたメニューをはじめ、デザートの種類も豊富です。
外の眺めに癒される開放的なガラス張りの空間でゆったりとしたひとときを過ごせます。
フェンスに囲まれたスタイリッシュなショップには2つのスペースがあります。
1つは、オリジナルのポストカードやカタログ、美術館や金沢にちなんだグッズを販売。
2009年にオープンしたもう一方のスペースでは、期間ごとにさまざまなフェアを実施しています。
同じく交流ゾーンにあるアートライブラリーでは、現代美術を中心としたファッション・建築・デザイン・音楽・ダンス・映画・写真関係の書籍や絵本、雑誌などの資料が豊富に集められています。
まとめ:金沢との繋がりが深い金沢21世紀美術館
金沢21世紀美術館は、地域の豊かな文化×アートの相乗効果が楽しめる美術館といえそうですね。
金沢へ訪れた際には町と美術館、どちらも満喫することがおすすめです。
※休業日や営業時間、その他の掲載情報については変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、最新の情報については施設・店舗へお問い合わせください。
アクセス
金沢21世紀美術館へのアクセス方法と駐車場情報の詳細は、こちらをご確認ください。
美術館名 | 金沢21世紀美術館 |
住所 | 石川県金沢市広坂1丁目2-1 |
電話番号 | 076-220-2800 |
ホームページ | https://www.kanazawa21.jp/ |